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私には夢がある

私の家で暮らすミツバチが、近所の畑の花々から花粉や蜜を集め
その実がたわわに実る時、花粉交配のお礼として
野菜やその果実で作ったジャムのお裾分けをいただけたとしたら
秋に採れたおいしい蜂蜜のおすそわけをしよう。


私には夢がある

アシナガバチやスズメバチの女王が動き出す春の日に
たった一匹で巣をつくる姿を見つけた時。
その素晴らしさに心動かされる人々が増えることを。


私には夢がある

私の家で暮らすミツバチや様々な生き物たちが
田んぼの水を飲みに行く時
その水が生き物たちの命をつなぐ
尊いものになることを。


私には夢がある

古くから続いてきた、私たちと自然をつなぐお祭りや文化が
ずっと大切に続けられることを。


「私の人生が終わったその後も、死を待つカエルの姿が美しいと思える
私たちでい続けたいと思う。」


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2021年1月でシシ七十二候は5周年をむかえることができ、それを記念して絵本を作りました。

昨年本を書いたことがこの流れの始まりです。初めての試みでもあった執筆はかなり小難しいものであったのかもしれない。しかしあれはあれで原本として残せたことを良かったと思う。

私の尊敬するたかしポンは、子供でも見てわかるアートを目指したと言っていた(と思う。)それで絵本を作ろうと私も思いました。※たかしポンとは村上隆氏のことである。彼のインスタのアカウント名がtakashipomであることから、いつしか我が家では彼のことを”たかしポン”というようになりました。(いつかお会いしたい。というのも夢の一つです。)

絵本の内容は、もちろん私がブランドを通してみなさんに伝えたいこと。    日頃から私は言葉の扱い方にはかなり警戒するクセがある。言葉というのは便利でありながら怖いものです。ですから、自分が何を伝えたいかを言葉を使って説明しなければならない時は、中途半端というわけにはいかない。自分のやろうとしていることをそれほど簡単には捉えていないのです。それは私の言葉による表現力が乏しいというのも一つ理由としてあるのでしょうが、いざ、一つ話し始めればその一つ一つについてなぜそう感じたかを説明せねばなりません、それを一つでも怠れば誤解を招く要因を一つ作ることになりかねない。それは避けなければなりません。また、その時に選択した言葉たちと一つ一つ選択した言葉の連なりから生まれるメロディーのようなニュアンスは、その言葉を聴く人々に私たちの世界観の印象を、聴く方々の感性によって植えつけられる。いわば文章とはアートでもある。(と少し思う。)そうなるといよいよ小難しいではないか。 

と、悶々とした渦巻きからもう手の先くらいを残して沈みかけそうだった時

ありさんが後ろのデスクで手を差し伸べた。

キング牧師の有名な演説を差し出した。

「私には夢がある」

自分の夢を語るのは私に与えられた自由である。私には夢がある。ありさんが一つ一つ手つくりで作ってくれた本に、私の絵とともに夢をのせて。 

もし私たちの絵本に出会う機会があったら、開いて何かしら感じていただくことができたなら光栄に思います。



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