獅子の歯ブラシ

2022年に3人組の獅子舞ユニット「獅子の歯ブラシ」を結成しました! (メンバー: 稲…

獅子の歯ブラシ

2022年に3人組の獅子舞ユニット「獅子の歯ブラシ」を結成しました! (メンバー: 稲村行真、工藤結依、船山哲郎) 様々な都市を回り、厄を祓って舞い歩きます。 もしかしたら、あなたの町にも来るかも?もし出会ったら、頭を噛まれてくださいね 。

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高架下に響く重低音ヒップホップ!横浜・黄金町のシシ、地を這い舞う

伝統的な獅子舞とは異なり、土地の素材や情報で獅子舞「シシ」を作る 。この試みを「獅子舞変体現場」 という。変体とは土地によって獅子舞のデザインや舞い方が土地によって変化することに加え、舞い手自らが人ならざる者へと変体することを指す。シシの演舞は「交流獅子(地域の人々に見せる舞)」「神獅子(地域の人々に見せることを意図しない舞)」「あたり獅子(上記の実験演舞)」などがある。これらの一連の演舞を映像で記録する。上記を意識して獅子の歯ブラシは滞在制作を行う。 2024年3月22日

    • 静岡県抜里にて、茶畑を舞台に展開されるシシ

      静岡県川根町抜里は南アルプス間ノ岳を源流とする、大井川によって削り取られた山間の地形に生まれた街であり、面積の半分が茶畑で覆われる。見渡す限り広大な茶畑が広がり、ファンが回って風を循環させて、霜対策が行われている。人口は千人に満たず、国道473号線沿いに街並みが形成されている。農地や草刈りや水路の泥上げなどのインフラ維持、あるいはホタルなどの生物保護などの活動を行う「抜里エコポリス」や班ごとに分かれた自治組織がある。 この地で獅子の歯ブラシは2024年1月7日、静岡県川根町

      • 巨大獅子誕生!インドネシア・スラバヤ 東ジャワビエンナーレ、地域コミュニティを表現する獅子舞

        獅子舞の生息のため空間や時間の余白、他人への寛容さなどを探る。この試みを獣の住処を探す感覚で「獅子舞生息可能性都市」と呼ぶ。獅子舞(シシ)の制作と町への出没、舞い歩きを通して、3人組のアーティストユニット「獅子の歯ブラシ」はその可能性を追求する。 2023年10月9日から22日まで、インドネシア第二の都市・スラバヤに滞在した。メンバー3人の共通の友人でもある秋田公立美術大学の岸先生のご紹介で、東ジャワビエンナーレに参加することが決まった。その展示が2023年12月に控える中

        • 湖で生まれた葦の獅子舞とは?長野県大町市木崎湖にて、「原始感覚美術祭」に参加

          獅子舞の生息のため空間や時間の余白、他人への寛容さなどを探る。この試みを獣の住処を探す感覚で「獅子舞生息可能性都市」と呼ぶ。獅子舞の制作と町への出没、舞い歩きを通して、3人組のアーティストユニット「獅子の歯ブラシ」はその可能性を追求する。 今回訪れたのは、長野県大町市木崎湖。この地に獅子舞が生息するとしたら、どのような姿をして、どのように舞い歩くだろうか?2023年8月20日〜28日、3人組の獅子舞ユニット「獅子の歯ブラシ」は原始感覚美術祭の参加作家として、湖のシシづくりに

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          形が変化する獅子舞!沖縄の伝統的な暮らしが残る宮城島、町や海で演舞

          獅子舞の生息のため空間や時間の余白、他人への寛容さなどを探る。この試みを獣の住処を探す感覚で「獅子舞生息可能性都市」と呼ぶ。獅子舞の制作と町への出没、舞い歩きを通して、3人組のアーティストユニット「獅子の歯ブラシ」はその可能性を追求する。 今回訪れたのは、沖縄県うるま市の宮城島。メンバー3人の共通の友人でもあるプロモーションうるまの菊池竜生さんのコーディネートの元、滞在が実現した。この島に獅子舞(シシ)は生息できるのか?メンバー・稲村の視点でこの滞在を振り返る。 都市と対

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          風が砂を運ぶ町。秋田県能代市で「バスケ獅子舞」を制作して、土地と対話した

          港の風は凄まじい。風力発電として人間のエネルギーに転換される一方で、大量の飛砂を運ぶので人間の生活を脅かすこともある。風を感じながら、この土地について考えてみたい。 今回の獅子の歯ブラシの滞在先は、秋田県能代市だ。2023年2月26日から3月4日までの1週間、この町に滞在した。獅子舞が生息するとしたら、どのような姿をしており、どこを舞い歩くのか? その過程の中で、土地に潜む厄の存在と向き合いながらも、空間や時間の余白、他人への寛容さなどを探りたい。果たして、能代市は獅子舞

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          野生を求めて。遠野でしし踊りを習い、鹿を目撃して、獅子舞を創作した

          今回は岩手県遠野市が舞台だ。遠野といえば、柳田國男の『遠野物語』が生まれた場所であり、河童などの妖怪がうごめく土地でもある。 獅子の歯ブラシは2022年11月7日から12日の6日間、しし踊りをはじめとした郷土芸能の練習に混ざりながら、獅子舞を創作した。遠野市小友町の「みんなの父上」の家を拠点に制作し、美味しい食事もいただけてとても充実した滞在となった。メンバーの稲村の視点でその時の様子を振り返る。 遠野はディープすぎる土地僕らは遠野に降り立ってすぐに、続石、カッパ淵、五百

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          田舎の豊かさはものづくり精神?徳島県神山町で獅子舞作りと農家の手伝いをして考えた

          都市をでて、1週間の田舎暮らし。農作業や竹の伐採を通して感じたのは身体の不自由さだった。健常者である自分がなぜ、不自由なのか?そこでの生活の営みは、「なんでも自分で作れる大人」が活躍できる地域だったのだ。 田んぼでの脱穀も、農業機械の修理も、毎日作る料理も、すべてせっせと体を動かしてこそ生活を営める。そのような環境の中で、身体にその動きを染み込ませるように、僕は獅子舞を創作した。 今回は徳島県神山町でサテライト拠点を持つ100BANCHの支援により、2022年9月25日~

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          渋谷に獅子舞は生息できるのか?時間・空間に余白がない街で「生活の豊かさ」を考える

          東京都渋谷区といえば、何を思い浮かべるだろうか?スクランブル交差点、109やH&Mなどのファッション、ベンチャー企業、グラフィティ、ハロウィンの仮装…。この土地に伝統文化が根付くことはなく、生まれては消える水泡のごとく常に流行が目まぐるしく変わる。住む場所というよりは仕事場であり消費地という感覚も強い。 このような特性を持つ渋谷で、獅子舞を制作してみたい。渋谷区に家を一軒一軒回る門付け型の獅子舞は存在しておらず、その生息可能性は極めて低い。それでもあえて、その生息可能性を考

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          人口減少が進む林業の町・秋田県五城目、獅子舞にとって住みやすい町だった

          獅子の歯ブラシは2022年6月8日から13日の期間、秋田県五城目町のアートギャラリー・ものかたり(小熊さん)のご縁で、滞在制作をさせてもらった。 五城目町は元々獅子舞が生息していた土地だ。しかし、人口減少は進み続けている上に、なぜか近年は獅子舞の門付けをほとんど行っていない。この町に獅子舞が生息するならば、どのような獅子舞が必要なのだろうか?今回はメンバー・稲村(獅子舞マニア)の視点で、滞在の様子を振り返っておきたい。 獅子の歯ブラシは3人組の獅子舞ユニットだ。様々な町を

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          獅子舞生息可能性都市 秋田編② 獅子舞は山に登り、マラソンに挑み、葬儀される

          秋田の暮らしについてどのように考えていくべきか?獅子舞を地域の素材を使って創作し実際に舞い歩きながら、この土地に獅子舞は生息できるか?という視点から迫っていく「獅子舞生息可能性都市」という企画。2022年4月22日から5月1日の日程で滞在を行なった。前半の様子はこちらのnoteをご覧いただきたい。 後半は男鹿半島の寒風山、大潟村、五城目町などでゲリラ獅子を実施したのち、最後に獅子の葬儀を行った。その時の様子を振り返っていきたい。 寒風山という野生秋田市の中心市街地を覆い隠

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          獅子舞生息可能性都市 秋田編① 挨拶をしてくれる町・新屋から活動は始まった

          秋田県といえば、何を思い浮かべるだろうか?お米、ナマハゲ、秋田犬..。魅力はたくさんある一方で、消滅可能性都市として人口減少が急速に進むことでも知られている。その中で秋田市のようにコンパクトシティが進む地域もあれば、大潟村のように農業によって所得が安定し若者が定着する町もある。 秋田の暮らしについてどのように考えていくべきか?獅子舞を地域の素材を使って創作し実際に舞い歩きながら、「この土地に獅子舞は生息できるか」という視点から迫っていきたい。 2022年4月22日~5月1

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          獅子舞ユニット結成!都市の余白を探す、獅子舞生息可能性の視点とは?

          2022年1月に、秋田発の3人組の獅子舞ユニット「獅子の歯ブラシ」を結成しました! 私達は地域に根付く伝統的な獅子舞とは異なり、ゲリラ的に様々な都市に出没し、厄を祓って舞い歩きます。 これは獅子舞が生息(存在)していない土地にあえて赴くことで、都市の空間的な余白や人の寛容性など、獅子舞が生息しうるか?という視点によって土地の暮らしを可視化する取り組みです。この取り組みのことを「獅子舞生息可能性都市」と呼んでいます。 訪れた土地で獅子舞を手作りして舞い歩き、その土地の舞いや

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