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【詩】ぎゃーまた

ぎゃーまた生きてる生きてる今日も
昨日をまたいで今日にやってきた
生きてる限り伸び続ける爪を
切り続ける日々何かの罪か

喉はカラカラで目は開かないし
鼻くそたまって息がしづらくて
背丈に合ってない台所には
昨日のお皿お皿コップ

明日のために米を炊ける夜と
涅槃は近いと思う夜がある
もうこれ以上なにも食べなくても
生きていけそうな気さえしてくる

どうせこれ以上何も食べないなら
あの子がみせてくれた青い石を
口に含んで持ち歩きたいな
誰にも内緒でこっそりと口に

やがて体がぷくぷく膨れて
青く重たい地球になったら
ギロチン台を首からぶら下げた
鍵っ子たちが集まる公園を

腕を組んで見守ってあげる
でもこんな頼りないやつはきっと
地球には向いてないだろうから
求人情報をぐしゃっとまるめて
2度目寝でもしようかもう今日は

ぎゃーまた生きてる生きている今日も
この布団だけ重力がゼロで
まぶたの裏に散る緑とか
赤とか紫色の火花

突然あらわれたカーテン朝日に
鳥の声でもきこえてくれたら
布団に解けた自分を集めて
ぎゃーまた今日もにんげんになりたいよ

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