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XOps(「改善」者)からBizOps(「改革」者)へーまずは「改善」者になろうー

前回の記事では、「改善」と「改革」の考え方や思考の違いについてご紹介しました。

今回は
「改革」を行うために、まずはとにかく「改善」をぶん回せ!
ということで「改善」者として現場に溶け込むプロセスについて書いてみようと思います。

前回の記事はこちら:

大前提として押さえておきたいこととして、BizOpsは何よりもコミュニケーションが重要です。

いざ「改善」に取り組もう、「改革」に乗り出そうとしたところで、論理的に正しいことをコンサルタントのように説明しても、様々な事情により現場やステークホルダーはその通りに動かないもの。

ではどうコミュニケーションをとり、動いていくのがいいでしょうか?


「改善」するための動き方

自席を捨て、現場に溶けこめ

とある有名な他社のCIOから以前にもらったアドバイスがあります。

「自部署にいるな。現場に行け。
しかし現場に行くだけでなく現場に溶け込め!」

というもの。

自分の席で課題や原因、解決策をうんうん唸っていても何も出てこないのです。

皆さんご存知、青島刑事も26年前にこう言ってます。

「事件は会議室で起きてるんじゃない! 現場で起きてるんだ‼️」
劇場版『踊る大捜査線』(THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間)より
(現在20代の半数以上がこの映画が公開されたとき生まれてもいないのかと思うと
書いててちょっと震えました…)


そう、解決すべき課題や解決の糸口は、現場に行かなければ見つかりません

そしてより多くのヒントを発見し、より深い情報を得るためには、そこにいるだけではなく、現場に溶け込んでいる必要がある。

じゃあ、どれくらい溶け込む必要があるのか?

現場部署に席を設けて座ってみたら良いのか
チームミーティングに参加してみれば良いのか
ランチに誘ってみたらいいのか



これらも当然やるべきことではありますが、足りません。

現場の方々との業務後に飲みに行く。
ここまでやります。

業務外の飲みの席では、砕けた場であることもあり、業務時間中には見えない本音が大いに見えてきます。

部署の内情や、部署内にいる社員の感情を知る絶好の機会なのです。

「あの人は新しいことには批判的で・・・」
「〇〇さんは新しいことをどんどんやってみたい人だよね」
なんて話が聞けたら大儲け。

部署内で誰が推進して、誰が批判して・・という人間関係まで把握できていれば、推進者と批判者を予め把握した状態で、物事を進めていけるわけです。

また、業務外でコミュニケーションを取る関係性が出来上がっていると、立ち話やら、自席に座ってなんとなくする会話やらで相談を受ける機会も増えます。

外の部署から、改善のために業務を見に来ているだけの人に、立ち話で気軽に相談したりはしませんよね。

「失礼します、今よろしいでしょうか?」
でも
「ちょっと相談時間ももらえますか?」
でもなく、

ちょっとすれ違ったときの
「そういえばあれってどうなんすかね?」
「今ちょっとしゃべっちゃっていいですか?」
が引き出せるのは現場に溶け込んでいるからこそなんです。

こうして立ち話から次なる改善のタネを入手し、現場の抱えている小さな課題を解決していくことで信頼を獲得し、さらに現場に溶け込んでいきます。

システムのTipsを現場に展開し、提案をする

そうはいっても、そんなに毎度飲みには行けない。
家庭の都合や懐事情だってあるんだ…
飲みに行けなきゃ現場に溶け込めないのか…

そんなことはありません。

もちろん飲みの席のような非公式で、砕けた場に行ければ一足飛びに距離を縮めることができます(し、私は割りと飲みの席が好きなので行きます笑)が、業務内で信頼を獲得し現場に溶け込むことはもちろん可能です。

現場と話をするための道具として、システムのUpdateや便利ツールをTipsをもって話に行くのも有効なコミュニケーションのひとつです。

いきなり改善の提案をもっていっても、抵抗感があったりイメージがつかなかったりして反発を受ける可能性がある。

だからこそ、日々の業務で困っていそうな些細な事柄を見つけ、それを解決できそうなシステムのUpdateや便利ツールの紹介をきっかけに入り込んでいく。

「ちょっと見てたんですけど、XXの業務ってちょっと面倒じゃないですか?これ使うと結構楽になる気がします」
とラフな形で持ちかける。

人は基本的に理解され、共感されたい生き物。
自分の仕事の大変さを見て取ってくれ、より楽になるべく提案をしてくれる人には心を許しやすいものです。

「改善すべきだから改善しましょう」ではなく「あなたが楽になるからやってみませんか?」から踏み込んで、溶け込んでいくわけです。

現場を動かすChampionを探し、協力者を見つける

現場に溶け込んだところで、今度は二人三脚で一緒に走ってくれる協力者を探す必要があります。

味方につけるべき協力者は、現場を動かしている人
よくいう「Champion」です。

Championは次のいずれかである場合がほとんどです。

  • 実施しようとしている内容に対して結果を出しているリーダー格の人(背中をついてこい!タイプ)

  • 営業アシスタントとしてオペレーションを実施し、現場から感謝されている人

各PJにおいて、このChampionを協力者として味方につけておくことで、PJを計画・実行していく中で問題の発生を回避したり、問題を小さなものに抑えたり、速やかに問題を解決したりすることができます。
なぜならChampionは現場との太いパイプを持ち、現場メンバ-から圧倒的信頼を得ているから。

一つ注意しておきたいのは、Championが必ずしも部長やマネージャではないということです。

もちろん部長やマネージャの合意は必要なのですが、それは公の話。
運用においては、現場のオペレーションが肝となります。

全てのオペレーションを、部長やマネージャが把握することは難しく、また現場に溶け込んでいるとはいえ部外者であるBizOpsが把握することの困難さは言わずもがな。
なので現場でリーダーシップを取れる人と協力して進めることで、問題を最小化して、運用に乗せ、結果を出していくことができます。

「協力する」といって動かない人への対処

論理的に正しく、会議や口頭で合意をしても動いてくれない人、いますよね。

「いいっすね!やりましょう!」」とすごく前向きそうなリアクションをしてくれたのに、実際は全然やってくれない。

そう、例えばSFAの入力とか。

あるあるだと思います。

そんな時の対処法。

正攻法としては
「上司から伝えてもらう」
「会議などの公の場で指摘して直してもらう」
なんてことが定石だと思いますが、


これでやりますか?


これぶっちゃけイラッときませんか?


定石とも言えるこの対処、相手の感情を逆なでするばかりです。


そこで私がお勧めしたいのは、張り付き戦法

SFAの入力をしてくれない人がいるときに、横に張り付き「お忙しいですよね!代わりに入力するので口頭で教えてください!」と毎日続ける

毎日やってると、相手も「またか・・」となってくるし、私の顔を見ただけで気まずい顔をしてくる。
そして最終的にこっちが言う前に入力してくれるようになる。

要するに根性比べで勝ちに行くわけです。

重要なのは、ニコニコしながら実施すること。決して嫌な顔をしない。
情報を出してくれてありがとうございます!としっかりお礼をする。

泥臭い戦法でも、相手がやってくれるまで嫌味なく実施し続けると、何事も定着していきます。

ここまで実施すると課題が現場からやってきます

やってきた課題について議論し、あるべき姿と原因を洞察しながら、実現可能な案として落とし込み、どんどん「改善」をし続けましょう。

そして「改革」へ

前回のnoteで記載しましたが、改革を実施する目安は下記の通りです。

・システム減価償却である3年~5年を超えた
・部署を跨ぐ内容が増えて、コミュニケーションコストが増えた
・各部署からの悲鳴が多くなる
 (通常運用が滞るような、即対処が必要な案件が増加)
・バグや設計漏れが頻出し、対応に追われる
・何かしら要望を受けて変更を加えるときの影響度合いがわからなくなる

仕組みやシステムがぐちゃぐちゃになってきてイライラするから、一旦ゼロクリアにして、改革をする!
なんて話もたまに耳にしますが、

ダメです。
そうじゃありません。


現場はそのITシステムを利用し続けており、売上を作っているんです。
ゼロリセットの「改革」案を出したところで、面倒だと思われ見向きもされないでしょう。(だって今のままでも十分使えてるじゃん!)

なので、まずは「改善」をし続け、現場の信用を得るというところから話が始まります。

現場の方から相談が立て続けに来たり、「XXといえばソガワだな」といった具合に評判が定着したら、ようやく「改革」者への第一歩を踏み出すことが可能となるでしょう。

さあ…「改革」に乗り出すOpsになろう

ではOpsとして、「改善」者として信用を得た後、どうすればその先へ進めるのか。
どのように「改革」の着想を実行に移し、どのように個人としての打撃を最小限にとどめる受け身を取っていくのか…

このあたりを次回記事にしていきたいと思います。

次回は「事業会社におけるXOps(改善者)からBizOps(改革者)へ~改革編~」をテーマに記事を書く予定です。

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