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助け合いと負い目について | 中村哲の経験 喜捨(ザカート)の真意


新型コロナの感染拡大をとめるため緊急事態宣言が発令されると、休業要請がさまざまな業種を対象に出されます。しかし生活必需品の買い物を政府や自治体が制限することはありません。このような生活必需品の調達を、現代社会の私たちは「交換(商品とお金の)」を通して行っています。

他方例えば、結婚式の祝儀や葬式の香典のように暗黙の「お返し」がそれに伴うため、結果として商品が流通する現象、「互酬」も現代にはあります。贈与が「互酬」の代表格です。

贈与が、「交換」によらない商品流通を実現するのは「負い目」を感じるから、です。この「負い目」はふたつに因数分解されます。

すなわち、有形無形にかかわらず、

イ.それを受取ったら、渡した相手にその返礼をしなければならない
ロ.同じ程度のものを返さなければならない

のふたつです。

同じ程度の贈与をすることで負い目を消去、「我々は対等である」ということを確認し合い、「平等」が社会に担保されます。

友だちに1000円の誕生日プレゼントをもらったら、相手の誕生日に同等のものを返す。しかしそこで、1万円のものを返すとちょっとお互いの人間関係に微妙な亀裂が生じかねません。これは「負い目」が残ってしまうからです。

贈与をはじめ、本来困ったときにお互いに助け合うのが人間関係や社会の基本です。ところが少しでも負い目のバランスが崩れるとうまくいかなくなる。かえって社会秩序の不安定化要因になりえます。

※続きはコチラから
https://society-zero.com/chienotane/archives/9403


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