読む人流ポケモンWordle攻略法〜ポケモンに学ぶ名づけのテクニック
お久しぶりです。
「ポケモンユナイト」と「ポケモンレジェンズ アルセウス」そして「ポケモンカードゲーム」にかまけていたせいで、めっきりnoteを書かなくなりました。なにを隠そう私は初代からのポケモン直撃世代。おかげで楽しい毎日を過ごしています。
さて、突然ですがブラウザ上で遊べるミニゲーム「ポケモンWordle」をご存じでしょうか?
もともと「Wordle」は海外発の英単語当てワードパズルゲームだそうで、ニューヨーク・タイムズ社が買収したことでも話題になりました。
ポケモンWordleは、日本の有志エンジニアによる日本語版です。
https://www.famitsu.com/news/amp/202201/31249716.php
その名の通り、正解となるワードプールを5文字のポケモンの名前だけに限定し、解答チャンスは1問につき10回までという絶妙なバランス調整が施されています。これがまぁ面白い。ちょっとした暇つぶしに頭の体操がてら遊んでいます。
言葉を扱う職業人たるもの、せっかく遊ぶからには、自分なりの攻略法をガチで考えなければならない! ということで、数日かけて考えてみました。以下、現状でたどり着いた私なりの絞り込みのアプローチです。最も難易度の高い「出題範囲:ソード・シールドまで」を想定しています。ポケモンの名前の知識がないとちんぷんかんぷんかもしれませんが、あらかじめご了承ください。
読む人流ポケモンWordle攻略法
1.初手はこの3匹が安定
「アルセウス」
「カイオーガ」
「エレキッド」
ヒットの有無にかかわらず、私は初手に必ずこの3匹の名前を入れています。
いわばポケモンWordleにおける初期ポケモン御三家、「ヒトカゲ」「ゼニガメ」「フシギダネ」みたいなものです。
もちろんワードプールを解析して、傾斜配分にしたがって最もヒット率の高い初手を打つという考えかたもあろうかと思います。実際、Twitterで検索すると、そのようなアプローチで考察している方もおられる。
しかしそのアプローチだと、次に掘るべき音域群が漠然としすぎていて、感覚に頼る部分が多くなってしまう気がするんですよね。思考の筋道を立てづらいというか。
その点、この3匹であれば、固有名詞の内でも重要な役割を担う「母音」「長音(オンビキ)」「促音(小さいツ)」をカバーできています。
母音は言わずもがな、すべての言葉の基礎となる音です。赤ちゃんでも誰でも発語しやすい、最も自然な形。まぁポケモンには「ウッウ」とかいう、やたらと発音しづらいやつもいるんですけどさ。ユナイトで通話するとき地味に困るんだ、ウッウは。良い子は促音と母音を続けちゃダメ、絶対。
長音は、単語を流して回すのに必要な潤滑油です。これがないと単語群は途端に寸詰まりで地味になる。音楽において四分音符だけの繰り返しではつまらないのと一緒。符点、二分音符、全音符といった長い音が組み合わさり、それらがスラーなどによって途切れなくつながることで、初めて音楽としての興趣が生まれます。
逆に促音は、流れをいったん止める役割。休符のない音楽は音楽ではありませんし、スタッカートが粋でおしゃれなリズムを演出します。
2.4匹目でサーチしたいのは撥音「ン」
最初の3匹で得られたヒントを基に、次にサーチしたいのは撥音の「ン」です。
文字のみ一致(黄色)のカナがあれば必ず位置を変え、場所一致(緑色)のカナがあれば固定で埋めていきます。また、外れになることを承知で、すでに黒枠で塗り潰された不要の文字(ア〜キ、スセ、ルレ、ー、ガ、ド)を入れることは強くオススメしません。このゲームの解答枠10というのは意外と少ないので、なるべく無駄撃ちはしたくない。そのぶん着想までに時間はかかるかと思いますが、必ず答えは存在するので、根気よく考えるほうが近道です(この辺り、ポケモンの知識の多寡が問われる部分ではありますが)。
どうしても上記ルールにおいて「ン」の入るポケモンの名前を思いつかない場合のみ、次のステップに進みます。
3.5匹目以降に攻めたいのは「ラ行」
じつは最初の3匹に「アルセウス」と「エレキッド」を選んだのには、もうひとつ理由があります。
それは「ラ行」の「ル」と「レ」をサーチできること。
このゲームを遊んでみての体感として「ラ行」の音は、ポケモンの名前において重要な結節点を担っていることが多いように思われました。
そこで、5匹目以降には4匹目と同様に文字のみ一致(黄色)のカナがあれば必ず位置を変え、場所一致(緑色)のカナがあれば基本的につねに固定で埋めて、まだ空いていない「ラ行」を掘っていきます。
ちなみに、前述したように文字分布を解析された方のTwitterでのリポートでも、頻出文字は長音、撥音に続いて「ル」が3位、「ラ」が4位のようでした。
感覚的な話になりますが、撥音「ン」や「ル」はトメの成分が強い、重めの結節点であり、5文字目の終着点にもなりやすいイメージがあります。
一方「ラ」「リ」「レ」「ロ」はもう一段階軽い結節点として、起点となったり、次へと音を回すような役割も多く果たします。長音と組み合わせて使われることもしばしばです(もちろん「ルナアーラ」や「ハスブレロ」のように「ラ」「ロ」がトメになるポケモンもいます)。
本当に根拠の薄い話ですが、破裂音である「ラ行」は、ポケモンの強さや素早さを表わすのに有用なのではないかと推測します。重火力というよりは、素早さや低コストを兼ね備える中火力といったイメージ。代表的な例が「レントラー」です。可愛らしい「コリンク」から「ルクシオ」そして「レントラー」へと着実に進化している印象が、文字面からだけでも伝わるのではないでしょうか。
そういえば「ドラゴンクエスト」の「メラ」「ギラ」なんかも、そんな感じですね。
4.濁音を組み合わせてレベルアップ
さらに重火力なイメージがあるのが濁音、とりわけ「ド」や「ズ」や「ガ」あたりです。極端な例は「ズガドーン」。まぁズガドーン自身の見た目は、重火力っぽくないんですけどね。
リザードン、グラードン、ドダイトスなどなど、濁音がイメージを引っ張っているポケモンはほかにもたくさんいます。
「ドラゴンクエスト」の呪文でも「メラゾーマ」「ベギラゴン」「ギガデイン」と、濁音はレベルアップした強さの証。
「ド」と「ガ」は最初の3匹でサーチ済みなので、それ以外の濁音を視野に入れながら、どこに重めの結節点が入るのかを推測していきます。
当然、清音の「サ行」〜「ヤ行」で構成された名前もいっぱいあるわけなんですが、この辺りはなんとも言い難く中途半端。「ラ行」や「濁音」は名前の結節点というか腰というか、印象に残りやすい部分になりやすい一方で、「サ行」〜「ヤ行」は音をつなげたり流したり少し曲げるだけだったり、多種多様な使われかたをされがちなので、なんとなく印象が散漫なんですよね。
なお「カ行」はまたリズムを整えやすくて便利なやつなので、初手で「カ」「キ」までをカバーしています。アドリブで必要に応じて「ク」「ケ」「コ」を組み込めると強いです。
5.可愛くて強い半濁音
荒々しくて重厚感があって強いだけがポケモンではありません。なかには、可愛い顔してぶん殴ってくるギャップ萌えなポケモンもいます。たとえば、シリーズ途中から追加されたフェアリータイプのような。ピッピ、ピクシー、プリン、プクリン、ペロッパフ、ペロリーム、マホイップなどなど。
これらは、濁音に比べると優先度は低いものの、清音の「サ行」〜「ヤ行」よりかは結節点になりやすく、印象に残りやすいので、果敢にサーチしていきたい音です。
試しにここで、私が所属する「ポケモンユナイト」のチーム内通話で使われている各ポケモンの略称の一部を並べてみましょう。
ゲーム内通話は一瞬の勝敗を分ける情報伝達なので、自然発生的に効率化され洗練されていきます。
一部例外はあるものの、基本的には濁音、半濁音、次いでラ行が抜き出されやすいような印象があります。リスは見た目がリスなので、バリスにはならないようですが。全体的に野良の味方に来てほしくない、地雷率の高いサーナイトやオーロットは弱そうですね。木って。見たまんまそうだけどさ。
あくまでも私の所属する小さなコミュニティーで生まれた略称であり、別の呼ばれかたもあると思います。とくにワタシラガさん。ワタとかワタゲとか呼ぶYouTuberの方もいました。それにしたってワタゲの「ゲ」は自然発生的に生まれてきた濁音なわけで、これがあるほうが締まりがいいから付け足されているわけですよ。
かように、半濁音は濁音に次いで結節点になりやすい音です。
6.名前の長さは強さの証
とはいえ、半濁音よりは濁音のほうが優先度は高めです。
なぜか。
それは、このポケモンWordleというゲームが「5文字のポケモンの名前を当てよ」というものだから。
ポケモンには進化というシステムがあって、レベルアップを重ねるごとに姿形が変わり、名前が変わって強くなっていきます。このとき全体的な傾向として、幼いポケモンほど文字数が少なく、進化後の強いポケモンほど文字数が多くなります。
わかりやすいところでいえば「ギアル→ギギアル→ギギギアル」なんかが、まさにそう。濁音が増えるごとに強くなっていく感じ、しませんか? 最近では6文字のポケモンまで登場し、「モクロー→フクスロー→ジュナイパー」と、さらに長くなりました。
例外はあるものの、あくまで全体の傾向として、5文字のポケモンを探すには進化後の比較的強いポケモンから順に頭に思い浮かべていくことになります。任意の文字をサーチしたいからといって3文字や4文字の名前を入力するのは基本的には悪手です。なにせ、絶対に外れとなることが確定しているうえ、サーチに使用できる文字の枠を無駄にしてしまうわけですから。「ピィ」とか「ピッピ」とか入れる人は、まずいないはずです。
ゆえに、思考の順番の優先度は「濁音>半濁音」となります。清音だけで構成されたポケモンの名前も大量にあるわけで、その場合は余計に時間がかかってしまうかもしれませんが、いずれは勘と経験で補っていくことになるでしょう。
7.実際の例
以下、実際に私が辿った思考の過程をひとつトレースしてみます。
「バクフーン」で撥音をサーチし、ヒットせず。4文字め長音からの5文字めのトメはバリエーションが意外と限られるもので、撥音や「ド」「ル」あたりがすでに消えているとなると、ほかに特徴的なトメがなかったかなぁ? と考えて浮かんだのがチラチーノ。ラがヒットしたので、ラグラージに辿りつきました。
だいたいこんな感じで回していくと、ポケモンの名前の知識さえあれば、6手目7手目にはけっこうな確率で正解に辿り着けているかと思います。
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