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天上のバレエ・地上のダンス(43)文化教室のバレエ発表会①

意気揚揚。まさにアゲアゲ気分でバレエを習う、わたしは中学2年生。次は全員参加の発表会です。あのころは若かった。


参加料は10000円

どこの世界の発表会でもそうですが、劇場使用料などが必要です。
タダでは舞台に立てません。常識です。


申し込み書には参加料10000円


高いか安いか?
半世紀まえ、文化教室バレエのクラスは、近畿一円に、たくさんありました。
こどもの数も教室も多い時代。
おもに幼稚園から小・中学校までの習い事でした。


クラシック音楽のしらべ。キレイな衣装で踊る少女たち。
バレエは情操教育の一環として人気がありました。


当時、文化教室では、そんなにお金はかからなかったようにおもいます。
本部に直接、入会した生徒さんは、その限りではありません。


それでも、中学三年のわたしには大金。
お年玉や小銭貯金をくずします。
1980年代。銀行・郵便局にハンコを窓口に持っていくだけでマイ通帳がつくれました。
身分証の提示も不要。じぶんひとりでお金の出し入れができたのです。



小銭まじりで申し込み

発表会申し込みの日。ほかのクラスメートは、聖徳太子1名が入った封筒を持ってきました。
先生が金額と用紙を確認して完了。

わたしは伊藤博文先生7名ほど。
岩倉具視先生も混ざっていたかも。
あとは銀貨・銅貨をジャラジャラビニール袋にいれて提出。

先生は笑ったりバカにしたりせず、静かに細かい硬貨を数えました。


ここで先生に「重たいわねぇ、お札なかったの?」とか言われたら、教室からバレエから逃げ帰ったかもしれない。

……かさばる参加料が受理された。
先生、ありがとうございます。
いまでもハッキリ覚えてます。
先生の思いやり、お人柄。
「はじめに習う先生がすべて」
これは、おとなになっても忘れないエピソードです。


わたし、父に発表会に出るからお金がほしいと言えばよかったのです。
もうなにも会話もない父と子でした。


恥ずかしげもない中学生のわたし。
いや小銭だって、りっぱなお金。
「でも、お金がないと、なんもできないな……」

お金のありがたみ。
すこしわかったところで、はじめての発表会の練習がはじまりした。


いま気づきました。
硬貨のデザインって、
ほぼ変わってないのですね……!



毎週木曜日は
「バレエ・ダンス」の日


いつも こころに うるおいを 水分補給も わすれずに


さいごまでお読みくださり、
ありがとうございます。

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