本を速く読む人生

15才の時、ある本に出会った。
「決定版!速読トレーニング」というタイトルの本だった。
「速読トレーニングをすれば読書スピードが10倍になる」という内容のその本は、少年だった僕の心を打ち抜いた。
そこからすべてが始まった。
本に書いてある通りに、毎日速読の練習した。
また別の日、本屋に行くと、今度は別の人の書いた速読の本があった。
その本にはまたちょっと別のトレーニング法が書いてあった。
読み比べてみると、面白かった。
そうこうするうちに、本屋に行くたびに、速読の本を探すようになった。
高校三年間は、ひたすら速読のトレーニングをした。
大学受験に失敗し、上京した。速読にのめり込み過ぎたせいで失敗したのかもしれない。
浪人で東京に来て、神田の古書店街や、紀伊国屋書店でも速読の本を探した。
誰とも口をきかずに速読の練習ばかりしていたので、言語障害になりかけた。
それでも速読のトレーニングはやめなかった。
速読のおかげで現代文で満点を取り、大学に入学した。
大学に入ってからも、速読の本を探し続けた。近所のブックオフに毎日通った。
速読をやり過ぎて、「超能力」とか「波動」とか怪しいことを言い始めるようになった。
ギリギリのとこで、何とか引き返すことができた。
大学を卒業して、芸人になってからも、速読の練習はやめなかった。
芸人になってから「特技披露」のオーディションで速読をやったが、よく失敗して上手く伝わらなかった。
バカにされたこともあったが、速読をやめることはなかった。

僕の人生には、いつも速読があった。
速読こそが、人生だ。

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ルサンチマン浅川と申します。