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勝手に感じるITアーキテクトの2つのタイプ

ITアーキテクトって2つのタイプから成り立ってると感じる昨今。学究(学術)的と実質(実用)的の2つ。

そもそもITアーキテクトって何する人がと言われたら、「アーキテクチャを作る人」なんですが、「アーキテクチャ」が意味不明すぎます。

めでたいことに、これらは定義がなされています。IEEE1471では、アーキテクチャは仕組みだとして次の通り定めています。

システムの構成要素、それら相互や環境との関係性、及びその設計と発展をガイドする原則を包含するシステムの基本的組織化

Wikipedia - IEEE 1471

私がもっているEnterprise Architectとしての資格である "TOGAF" にも、次のように定められています。

「システムの形式記述、あるいはシステムのコンポーネントレベルの実装を補助する詳細な計画」または「コンポーネント群の構造、それらの関係、設計と改良を常に管理制御する原則とガイドライン」である

Wikipedia - The Open Group Architecture Framework

このように、何かのシステム(ITとは限らない)を実現するためのコンポーネントを構造化して表現されたもので、原理原則を持つものです。ここには明言されていませんが「抽象化」を強調する人も多いです。そのへんは私も同意の範疇です。具象化する能力も必要ですけどね。

ということで、ここで最後に付け加えられた「抽象化」と「具象化」能力でタイプが別れている気がするんです。

学究を重んじるアーキテクトは、伝統で格式高く、定義に細かい上、プロセスやフレームワークを重要視し、理想を掲げる傾向があるかなと感じています。なにか課題を解決する際にも、置かれた状況などを考慮・配慮せずに、実現すべき最高の構造を提示しようとします。より抽象化された、汎用性の高いアーキテクチャを作る傾向にあります。

実質を重んじるアーキテクトは、実用性たかく身の丈にあった構造を提示しようとします。フレームワークや伝統を軽視するわけではなく、課題を解決するための機能要求と非機能要求にあわせた構造を探求します。その結果、実現すべきではない構造を提示するケースも少なくありません。リスクが高まるケースがあります。より具象化された、再現性の高いアーキテクチャを作る傾向にあります。

いずれの場合も、アーキテクトとしての重要なポイントである「実現性」は必要条件です。「実現性」のないものを作るアーキテクトは趣味の範囲かもしれません。

どちらが良いかということではないんですが、いずれの要素も必要で、偏りすぎないことがポイントじゃないかなと考えながら、バランスの良いちょうどよいところを探っている日々です。

格式高いアーキテクトの人には怒られそうだな、とか思いながら遠くを見つめています。

#ITアーキテクト  #エンジニア

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