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チューハイのギザギザ

みなさんご存知ビールなどの缶に
ダイヤが連なった構造をしているのを
見たことがあるでしょう!
これは一体なぜこんな形をしているのか
疑問に思ったことはありませんか?


キリンのチューハイ

この特徴的なデザイン、
実は単なる見た目のためではないんです。

面白いことに、このデザインはちゃんとした
科学的な研究に基づいています。

このダイヤ構造はもともと宇宙開発を
引っ張るNASAで研究をしていた
東京大学工学部三浦公亮名誉教授の研究を
ヒントに東洋製缶株式会社によって
アルミ缶の設計に応用されました。

三浦教授の研究は、ロケットや飛行機などの
構造物の強度に関するもので、
この研究が「ミウラ折り」という形で
アルミ缶に応用されました。

ミウラ折りは、元々は衛星の
太陽電池パネルを効率的に展開するために
考案された折りたたみ技術です。

この技術をアルミ缶に応用することで、
ダイヤカット缶と呼ばれる、ギザギザの形状や
トラス状の三角形をした細工を施すことが可能になりました。

このダイヤ形状の構造は、
缶の強度を高めることや

通常の平滑な表面の缶に比べて
凹凸のある構造は、
缶の耐圧力を向上させます。
つまり、押されても強いのです!

これにより、
中身がガス圧を持つ炭酸飲料である
ビールやソフトドリンクなどを、
缶が破裂することなく
安全に保持することができるのです。

また、この凹凸デザインは、
缶を握った際の滑りにくさも向上させます。
つまり、手に取ったときの
グリップ感が良くなるわけですね。

さらに、凹凸があることで光の反射が変わり、
缶の見た目に独特の美しさをもたらしています。

最初は拒否られた

東洋製缶株式会社は
このミウラ折りを利用した缶を
コーヒー缶のメーカーに営業したたものの、
受け入れらませんでした。

しかし、廃棄される缶を開いたときに
ギザギザのダイヤが膨らんで面白い
というデザイン性が評価され、

結局はビール会社である
キリンに採用されたという経緯があります。
これは、技術の応用としてはもちろん、
デザインとしての価値も見出された例です。

このように、科学的な研究が実際の製品設計に応用される事例は、
技術革新と市場への影響の素晴らしい事例です。

科学的な知見も重要ですが、
偶然にも誕生するデザインやアイデアの
受け入れやすさなどは今後
革新的な製品やサービスを生み出すうえで
大事なテーマになってきそうですね!

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