「仕事に謙虚であること」とは

昔、どこかの新聞で読んだ話。


ある地方の一軒家に住むお父さんは、大晦日の夜、門のところに置かれている新聞受けにメッセージを書いた紙を貼った。

「去年1年間、毎日、新聞を届けてくださって、どうもありがとうございました。今年も、よろしくお願いします。」

メッセージにはそう書いてあった。


元旦の朝、たまたま早く起きたお父さんが窓から外を見ていると、ちょうど、新聞配達のお兄さんが新聞を持って来たところだった。

新聞を入れようとして、新聞受けに貼ってあった紙に気付いたお兄さん。

メッセージを読んだ後、お兄さんは、かぶっていた帽子を脱いで、その新聞受けに深々と一礼をした。周りに誰もいない、冷えた、元旦の朝に。


そして、お兄さんは新聞を新聞受けに入れると、次の配達先に向かっていった。



年末年始になると、いつもこの話を思い出す。その度に、「プロとは何か」、「仕事に謙虚であることとは何か」を考える。

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