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報・連・相を洗練する3つのポイント

■はじめに

色々な方が,あちこちで既に指摘されていることですが,まだご存じない新人の方もいらっしゃると思いますので,屋上屋を架してみます。


今回の3つのポイントに通底する事項は,「人は,あまり思考せずに(=エネルギーを使わずに)物事を理解したい」ということです。



■1.報告や相談をするときは「大きなテーマ」⇒「小さいテーマ」の順に簡潔に話す。

あなたは,その報告事項や相談事項について,色々とお悩みになったり,考えたりされていますから,その事項の細部まで十分に分かっていると思います。

しかし,報告相手や相談相手は,その事について,そこまで分かってはいません。

ですから,あなたが,いきなり詳細な情報をたくさん説明しても,相手は戸惑ってしまいますし,スムースに理解することができません。

まずは,

「●●の件について,ご報告したいことがあります」

「●●についてご相談したいことがあります」

というように,あなたが今から話されることについて簡単に説明してください。


よくあるダメな例は,この「●●」の部分について,細かく話したり,時系列に沿って話したりしてしまう例です。

【ダメな例】
「今日,14時から,新宿のA社のBさんに会って,▲▲について打ち合わせたんですが,Bさんから◎◎について相談されて……」

これだと,相手方は,どこに注意を払って物事を考えれば良いか分かりません。「大きなテーマ」⇒「小さなテーマ」という視点で言い換えると,次のような話し方になります。

【例】
「新宿のA社に対する商品Zの納期についてご相談したいことがあります。納期を▼月▼日にすることは可能でしょうか? A社のBさんから依頼を受けています。」



■2.質問に回答するときは結論から話す。報告のときは,大きなテーマを話した直後に結論を話す。

質問者は,結論を1番知りたがっています。

もちろん,質問者は,その結論に至る理由や論理も知りたがっているとは思います。

しかし,理由や論理から話し始めると,質問者は「この理由や論理は,最終的に,どういった結論に繋がるのだろう。Yesなのか,Noなのか……」などというように考えざるを得ません。

そうすると,質問者は,思考にエネルギーを注がなくてはならず,どうしても,負担やストレスを感じてしまうのです。

これは,あなたが上司や先輩,取引先に報告するときも同じです。

【例】
「お問合せいただいた納期の件ですが,結論から申し上げますと,▼月▼日に納入することは残念ながらできない状況です。と申しますのは……。」



■3.想定問答をあらかじめ考えておく。ただし,質問された場合に初めて「結論から」答える。

あたなが報告,連絡,相談のいずれをするにせよ,話を聞いた上司・先輩・取引先から質問を受けることもあると思います。

特に,報告や連絡の場合は,上司・先輩・取引先から聞かれるであろうことについて,すぐに回答できるように準備しておきましょう。必要であれば資料も用意しておきます。

あなたが,上司・先輩・取引先からの質問に対して即座に回答できれば,上司・先輩・取引先は短時間のうちに,集中的に物事を考えることができます。思考エネルギーを効率的に費やすことができるのです。

また,このような即座の回答は,「物事を考えた上で報告・連絡・相談をする思慮深い人間だ。」という印象を上司・先輩・取引先に与えることもできます。


ただし,注意すべきは,「上司・先輩・取引先から質問されると予測できる事項であっても,必ずしも最初からそれを報告・連絡・相談する必要はない」ということです。

なぜならば,最初から全てを報告・連絡・相談していると,情報過多になりすぎ,上司・先輩・取引先に,多くの思考エネルギーを使わせることになってしまうからです。

また,上司・先輩・取引先の能力,性格,興味はそれぞれ異なります。
上司・先輩・取引先が,質問されると予測できる事項のうち,どの部分について質問をするかは分かりません。

言い換えれば,上司・先輩・取引先が質問をしなかった部分は,必要のない情報 or 関心の無い情報である可能性があるのです。



■最後に

これらの事項は,いわゆる「仕事ができる人」の多くが実践していることです。

中でも,特にキャリア官僚の方々は,若いうちにこれらのトレーニングを重点的に受ける上に,決裁権者や政治家の方に対するレクを日常的に行っていることもあり,非常に巧みに報告・連絡・相談を行います。

もし,身近にキャリア官僚の方がおられたら,是非,「観察」してみてください(笑)。

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