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わたしの好きなライブアルバム その4

●GENTLE GIANT / PLAYING THE FOOL

アナログでは2枚組だったジェントル・ジャイアントのライブ盤 (1978)です。プログレにしてはあまり情緒的ではなく、どこか大道芸人的な高度なアンサンブルが特徴の彼らでしたが、スタジオ盤ではそれが時にこじんまりと聴こえすぎてしまう部分もあるのも事実でした。しかし、このライブ盤は彼らの代表曲が収められたベストな選曲なうえに、スタジオ盤以上にダイナミックな演奏が素晴らしく、個人的にはジェントル・ジャイアントの最高傑作じゃないかと思っています。これほど高度なアンサンブルで演奏しながら、更にコーラス、おまけにメンバーがそれぞれ楽器を持ち変えるというマルチプレーヤーっぷり。初めて彼らを聴くならまずはこれ!


●GREATEFUL DEAD / ONE FROM THE VAULT

グレイトフル・デッドの場合ライブ盤も多いだけじゃなく「LIVE / DEAD」(1969)という決定的なアルバムもあるのですが、個人的に好きなライブ盤がこれ。ちょうど「ブルース・フォー・アラー」というアルバムを出した1975年のライブで、ショーを丸ごと完全収録した2CDです。まずオープニングMCで司会者がメンバー紹介ながら、徐々に楽器が被さっていくところだけでゾクゾクするような魅力に溢れています。加えてひさびさにパーカッションにミッキー・ハートが復帰しているのもポイントで、このためリズムセクションが非常に充実していて、全体的にうねうねとリズムが絡み合って、ダラダラと聴いていても実に心地良いのです。このライブ盤は自分にとって極上の、そして究極のリラクゼーション・アルバムですね。


●TALKING HEADS / STOP MAKING SENSE - SPECIAL NEW EDITION

アナログで出たサントラ盤の方は当時聴いたときはイマイチに感じたのですが、その後、あの有名な映像をビデオで観て完全に虜に。なのでまずは映像こそが本命ではあるのですが、映画公開15周年の1999年に出たこの「スペシャルエディション」は、以前のサントラ盤の物足りなさを払拭する素晴らしさで、これで音だけでも楽しめる必聴のライブ盤になりました。厳しいことをいうとCDの収録時間の問題で映画よりも数曲カットされているのですが、ほとんど問題なしです。この頃の彼らはサポートメンバーに黒人のアーティストを入れ、それゆえに「そんなのロックじゃない」みたいな某日本の評論家の批判もあったりしたのですが、いまあらためて聴いても、これはどう考えてもロックそのものですね。見事なアートロック。


●CARAVAN / LIVE AT THE FAIRFIELD HALLS,1974

キャラバンのライブというとオーケストラと共演した「キャラヴァン&ニューシンフォニア」が有名で、そちらももちろん素晴らしいのですが、自分が末長く愛聴しているのはこちらのCDです。もともとフランスだけで出ていたアルバムが完全版としてデジタルリマスターCD化されたもの。ちょうど「夜ごとに太る女のために」という大傑作アルバムを出した後で、オーケストラがないからといってスケールが小さくなったわけではなく、むしろこちらの方が伸び伸びとした演奏で躍動感があって好きです。ジャケもいいですし、これはアナログでも欲しいなぁと。シンフォニックでありながら、同時にものすごくポップなところが大好きなんです。


●CASIOPEA / THUNDER LIVE

これもKYLYNと同じく小学生の時に買ったアルバムで、これでフュージョン小僧だったことがバレバレになってしまいましたが、とにかくカシオペアですよ。彼らのメロディアスでありながらテクニカルな演奏はライブでも本物だったと思わせてくれた1980年の名作です。もちろん後に「MINT JAMS」など幾つものアライブアルバムを出す彼らですが、演奏の生々しさや盛り上がりからいっても、やはり初期を代表するこのアルバムに尽きます。なんといっても、当時小僧だった自分の心を捉えたのが神保彰のドラムテクニックです。ここでも伝説になった「ブラック・ジョーク」の長いドラムソロはもちろん、「アイム・ソーリー」や「ミッドナイト・ランデブー」のような跳ねるリズムパターンは、いったいどうやって叩いているのか未だに解析不能...。音の良さも特筆すべきで、リマスター盤CDが必聴です。

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