見出し画像

NFT PJのHR(ホルダー・リレーションズ)における2つの技法をWeb2.5的に解説

初めましての人は初めまして、もう既に、末永くVery Longにお世話になっている方は、お世話になっております。

TRUST SMITH 株式会社のCOOの安藤奨馬、改め"Very Long Cat"、改め"Very Long Fake Cat" でございます。ブォオオオオオオオオオ🐈

本日は、NFT PJの崩壊を防ぎ、ゴーイング・コンサーンで成長を継続させる上で、極めて重要な活動の一つであるホルダー・リレーションズ(以下、HR)について解説いたします。

<目次>
01. 筆者について
02. ホルダー・リレーションズ(HR)とは
03. 各HR手法のメリット
04. ①ウォーターフォール式HR
05. ②アジャイル式HR
06. 双方の手法における個人的考察

HRは、株式会社のIRの役割に相当するもので、NFT PJのバリュエーション(あるいは、NFTのフロアプライス)を適切にコントロールする機能を果たします。

本記事では、2種類のHRについて対比しながら、事例を交えつつweb2.5的に説明します。

「web2.5的に説明」というのは、ここでは、Defi、NFTのPJの構造を、株式会社の構造や、web2以前のシステム開発におけるプロジェクトマネジメント手法に準えながら説明するという意味を指します。

例えば、Astarさんが「TVL 〇〇億円突破!」とアピールすることは、スタートアップが「〇〇円の資金調達をしました!」のweb3版みたいな話だと捉えられます。

このようにweb3における概念の多くは、web2以前の何かしらの思想と1:1
対応させることで、web2.5的に理解を深めていくことができます。

01. 筆者について

私は現在、「HAGETAKA NFT CAPITAL」というNFTコレクションに投資を行うファンドを運営しております。

かつて日本のスタートアップ界隈では「M&Aは悪だ、IPOを目指せ」、「自分の事業に最後まで責任を持て」といった、株式売却に対する否定的な風潮がありました。

しかし近年、クラウドファンディング型株式投資や貸付ファンドのマーケットプレイス、ゼブラ投資など、コミュニティを基軸とした多種多様なエグジット手法が浸透し始めています。

我々は、スタートアップ界隈で起きたエグジットに対するこのパラダイムシフトが、このNFT領域でも起きることを確信しています。

当ファンドは、国内NFTの流動性を生むための触媒となり、NFTトランザクションの活性化、ひいては国内NFT市場の拡大に貢献いたします。


先日、ホワイトペーパーを公開致しましたので、ご興味のある方は是非こちらをご一読頂けましたら幸いです。


02. ホルダー・リレーションズ(HR)とは

HRとは、NFT PJにおいて「現在あるは未来のホルダー様に対して、コレクションの現状や今後の見通を広報する活動」を指します。

(私が勝手に呼称を付けました。今後、一般に使われるワードになるかも知れません。)

AMA  (Ask Me Anything)は、代表的なHR活動の事例の一つと言えます。

IR(Investor Relations:インベスター・リレーションズ)とは、「企業が株主や投資家向けに経営状態や財務状況、業績の実績、今後の見通しなどを広報するための活動」を指します。

トークンホルダーは、web2以前の世界における株主に相当しますので、HRとは、IRのweb3版と考えると、すんなり理解できるかと思います。

03. ①ウォーターフォール式HR

システム開発の世界では、プロジェクトマネジメントの手法として、「ウォーターフォール」と「アジャイル」の方式が存在します。HRでも同じように、「ウォーターフォール」と「アジャイル」に2分類が可能です。

「ウォーターフォール式HR」は、PJ発足段階から、中長期のロードマップを公開し、現在・未来のホルダーとの間で事前にコンセンサスを形成することで、期待値を醸成する方法です。

「将来の計画」こそがバリュエーション(NFTであれば、フロアプライス)を決定づけます。

事例としては、MIRAKOさん (@Sauce3D) のPJが挙げられます。MIRACOさんは、過酷な未来の地球で生きる女の子にスポットを当てたコレクションです。

リリース前から、

・ホワイトリストやオークション、価格設定を含めた販売戦略
・コラボ企画、メタバース化などの2022年以降の施策

などを既に公表しているのが、本コレクションにおけるHRの特徴です。

MIRAKOさんのPJは、Discordの運営などでも非常に緻密な設計が施されていることが垣間見れ、個人的には、国内で最も期待しているPJの一つです。

04. ②アジャイル式HR

「アジャイル式HR」は、将来の計画についてはfixさせず、常に市場を逐次ウォッチしながら、現在・未来のホルダーに対して予期せぬサプライズを生み出し続けていく方法です。

「過去の実績」こそがバリュエーション(NFTであれば、フロアプライス)を決定づけます。

事例としては、kawaさんの「Very Long Animals」 (@gdvonly)が挙げられます。PJ開始から2ヶ月足らずで、フロア価格1.0ETH以上、二次創作件数は50件以上を超えるバケモンNFT PJです。

・コミュニティから自然発生するネタをキャッチし、ゲリラ的に即日のイベントを開催
・リアルタイムで取引価格を凝視しながら、既存ホルダーと新規ホルダーの誰もが納得できるような最適なプライシング

などを、市場と対話しながら、柔軟に進めているのが特徴です。

05. 各HR手法のメリット

ホルダーとのリレーション構築において、ウォーターフォール式とアジャイル式のそれぞれのメリットは、下記の通りです。

●ウォーターフォール式
・予算/人員/納期の計画・管理がしやすい
・将来の青写真だけでフロアプライスを先行的に引き上げられる

●アジャイル式
・変化の激しいNFT PJにおいて常に最適な施策をとり続けられる
・計画遅延が起きた際にホルダーの期待を裏切るリスクがない

一方でデメリットは、それらの裏と捉えて頂けると良いです。

06. 双方の手法における個人的考察

NFT PJの特性を考慮すると、私個人の見解としては、「アジャイル式」にホルダー様とコミュニケーションを取ることが好ましいと考えています。

理由は、下記の2点です。

「失望とは過剰な期待から生まれるもの」であり、アジャイル型HRはホルダーをがっかりさせるリスクが極めて少ない

「蓋然性の低い未来ではなく、確定した過去」の評価が反映されたフロア価格は、現ホルダーの信頼の裏付けであり、底堅いものとなる

しかし、ホルダー様とのコミュニケーションにおいては、「ウォーターフォールorアジャイル論」は二者択一の話ではなく、グラデーション的に規定されていくべきものです。

例えば、「Very Long Animals」は

ウォーターフォール式:アジャイル式=8:2

程度の割合で進めている印象を受けます。

常にホルダーのテンションや、コレクションの値崩れリスクをケアしており、ファウンダーのkawaさんが併せ持つ極めて絶妙なバランス感覚に従って、丁寧にPJを進めているイメージです。

Very Long Animalsは、ふざけた顔をしながら、地に足のついた非常に堅実なNFT PJですね。

そんなVery Long Animalsは、現在、1.2ETHで販売中です。

本noteも、ホルダーである私による「ホルダー・リレーションズ」の一種な訳ですが、本記事を読んで、Very Long Animalsのコレクションのバリュエーションの維持・向上に寄与できましたら幸いです。

※NFTの購入の判断につきましては、くれぐれも自己責任でお願い致します!


バックナンバー

Very Long Animalsの成功要因9つをまとめました。Very Long Animalsが立ち上がって1週間ほどの時に書いたものです。

黎明期のVery Long Animalsの様子や、NFT PJの成功確度のあげ方に関心のある方は、是非ご一読頂けますと大変嬉しいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?