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【ひとりドラフト】戦力編成・指名方針の考察【中日編】

どうもどうも。ついに3回目を迎えた連載ですが、筆者、ドラフト会議の日付を1週間勘違いしていました。どおりで志望届の締め切りが早いわけだ。カイシャの都合で1位指名までに帰れない予定でしたが、これで生で見れます。やったぜ。もちろんこれの連載を1週間早く仕上げないといけなくなりますが。頑張っていきます()今回は中日編です。

現有戦力の分析

先発投手
大野雄大
の復活が非常に大きかったです。2年ぶりに規定投球回に到達し、防御率はリーグ3位(9月17日現在)。4年ぶりの2桁勝利も目の前です。柳裕也は初の規定と10勝を達成し、遂に覚醒しました。これが俺たちの夢見た柳。ロメロは昨年のガルシアと比べれば物足りませんでしたが、20先発100イニングを投げ8勝あげているので許容範囲でしょう。と言うよりも、それ以下の先発陣が非常に厳しい。イニング4人目に挙がるのが40歳の山井大介ではいかんでしょう。開幕投手を務めた笠原祥太郎は病気もあって低調に終わりました。小笠原慎之介は復帰後に快投を見せた者の、怪我での出遅れは痛かったです。来年は万全の状態で投げてほしいです。このように、貢献度の低さが取り沙汰される中日の先発投手ですが、明るい話題もありました。高卒2年目の山本拓実清水達也、ルーキーの勝野昌慶梅津晃大が初勝利をあげ、その後も数試合1軍での登板を経験しました。若手の伸びが期待でき、数年後の黄金時代を予感させます。一方で、彼らが来年バリバリ働いてくれるのかというと、1年間ローテーションを確実に回れるとは思えません。過度な期待は禁物でしょう。
2軍の投球イニングは松葉貴大が最多(2球団通算)、35歳の吉見一起が2位、4位には遂に中堅の年齢になってしまった阿知羅拓馬が入っています。ここまでだとヤクルト並にヤバい状態ですが、それ以外では上記の若手選手も多くのイニングを投げて経験を積んでいます。トータルで見ればまずまずといった先発陣でしょうか。

中継ぎ投手
リリーフ防御率はリーグ2位と優秀です。鈴木博志田島慎二という抑え・セットアップ候補が不調だったものの、ロドリゲスが60登板超えで防御率1点台、40近いホールドを記録する大活躍を見せたほか、球速が驚くほど上がったライデル・マルティネスは一時クローザーを任せられました。さらに、岡田俊哉福敬登藤嶋健人ら怪我からの復帰組が好投を重ねて良いポジションを任せられるようになりました。ただ、一度帰ってきたら怪我メーターがリセットされるゲームのような仕様ではないので、もうちょっとそのへんを考えて起用してほしいと思います。また、敗戦処理で祖父江大輔又吉克樹らも活躍。贅沢な敗戦処理ですね。はっきり言って5位のチームには勿体ないぐらいのリリーフです。
2軍の登板数上位は伊藤準規小熊凌祐、三ツ間卓也と、一軍を追われた中堅投手が並びます。伊藤は防御率0.30と圧倒。2軍ですべきことは残っていません。はよ上げて。小熊も怒りに任せた抹消以降ずっと2軍です。先発1/3回8失点で次回登板の時期が云々される人がいるのに、どうして我慢できないのか。こういう中堅がチャンスすら与えられず報われないのは辛いことです。先発で育てている選手が多いので悪くはありませんが、中継ぎで育てている若手がいないのは少し引っかかるポイントです。

捕手
強肩でチヤホヤされた加藤匠馬が重用されましたが、肩以外の守備力と打撃力がお察しレベル。OPS.500台が許されるのはオリックスだけです(許されるとは言っていない)。盗塁阻止率7割かつ暴投・捕逸0でも足りません。そうかと言って、木下拓哉も大差ないOPSと批判の多い守備力でパッとせず、武山真吾大野奨太は「経験」で勝るのみ。どんぐりの背比べとはまさにこのことでしょう。一刻も早く手を打つべきです。2軍では石𣘺康太アリエル・マルティネス桂依央利の起用が多く、杉山翔大は打席数は同じぐらい与えられていますが捕手出場は少なそうです。やや出場機会が散ってしまっている印象ですが、打撃型の若手がいるとこんなものでしょうか。

内野手
一塁はビシエド、三塁は高橋周平で安泰でしょう。周平は首位打者争いもしました。怪我をした後、思っていたより早く帰ってきてそれ以降不調だったのは無理に早期復帰したからでしょうか。ビシエドはいつの間に高打率スタイルに。先発があれだけ被弾するのであれば、同じ球場ですしもうちょっとホームランが増えてもいいかなとは思いますが、十分な攻撃力と言えるでしょう。両ポジションのサブとしては福田永将も控えます。
2軍は石川駿が変わらず活躍していますが1軍に上げてもらえません。まあこのメンツなら無理もありませんが。せめて二遊間が許せるレベルで守れてくれれば。どの程度できるのか知りませんが。石垣雅海は2軍成績を徐々に上げてきており、今年は1軍での出場機会も得て初安打と初打点も記録しました。外野転向説もありますが、打撃に専念させるのであればそのほうが良いかもしれません。そういう意味で、この一三塁のポジションで次世代の主軸候補を指名してほしいなと思います。

周平のコンバートで空いたセカンドのポジションには”マスター”こと阿部寿樹が定着しました。ようやっとる。指名直後に京セラドームで「あんなやつ指名して、フロントの責任問題やで」と評されていた選手と同一人物とは思えません。ショートは京田陽太で安泰です。淡白でOPSが伸びない打撃をどうにかしてほしいとは思いますが、守備での貢献度は非常に高く、下位に置けるチーム作りができれば弱点にはなりません。脚が速いというだけで上位に置いていいような打撃ではありません。堂上直倫も控えとしては優秀な成績を収めています。
2軍のショートはみんな大好き根尾昂です。しかし彼を使うのは結構ですが、「育成」する気はありますか? 各種数字が悪すぎます。使えば育つと思っているのでしょうか? プレイヤーをしたことがないので技術論は分かりませんが、基礎的な部分がプロレベルに達していないのではないかと感じています。まあガッツ監督を信じるしかありませんが。1年目はいじらない方針かもしれませんし。その他では高松渡溝脇隼人三ツ俣大樹が出場機会を得ています。高松は打率こそまずまずで超がつく俊足が武器ですが、IsoP.030はノーパワーが過ぎます。中堅の溝脇や三ツ俣にやたらに打席を与えても…なところもありますし、根尾の成績がいくら酷かろうが使わないと仕方ない環境があったのかなと。

外野手
大島洋平平田良介に頼る体制をいい加減やめましょう、とここ数年主張しているのですが全く手が打たれていません。それで何事も無く活躍している大島と平田はすごいと思いますが。また、アルモンテが不振で2軍にいる期間が長くありましたが、そのレフトに福田永将がハマり、ほぼ自己最高の打撃成績を残しています。喜ばしいことですが、これではまた改革が遅れてしまいます。4番手として優秀だった藤井淳志も戦力見極めのためか出場が少なくなり(結局終盤には戦力になっていましたが)、控えまで含めて外野手の転換期にきているとは思うのですが。
2軍の外野手では伊藤康祐が最多の打席を与えられています。特に長打率の点で成長が見え、OPSも.600台に乗せてきました。1軍初ヒットも放つなど、来年に期待が持てます。渡辺勝は1・2軍を行き来させられましたが、2軍では打率3割にOPS.800超えと着実に成長しています。もう少しチャンスをあげても。滝野要も200打席を超えていますが、筆者はそんなに評価していません。でも頑張って。常々指摘しているのが大島の代わりに1軍のセンターを守れる選手を用意することですが、これが少なく、近藤弘基友永翔太も切るに切れない状態。武田健吾は割とドンピシャなトレードでした。

補強ポイントの整理

ひとりドラフト年齢中日

一部のローテ投手以外が若手ばかりであることは既に指摘しましたが、本来であれば適宜即戦力の選手を取って(それをきちんと戦力にし)、こういう歪な編成にならないようにすべきです。にも関わらず、”即戦力外ドラフト”で叩かれたのをきっかけに極端な素材型ドラフトに舵を切ってしまったのが原因で、今の時期にローテーションを支えていてほしい層が薄くなっています。体質が古い、ファンの方を見て運営している。ただ、そのおかげで2軍は潤いました。せっかく若手のローテ候補投手が多いので、焦らずに育成できるよう、まずは1軍に蓋をしたいです。運用を邪魔しないよう、少数精鋭で。理想は昨年のDeNAの上茶谷・大貫みたいな指名です。
リリーフは田島や鈴木博志が復活してくれれば何の問題もありませんが、不安定なこの人たちにどの程度期待していいものやら。シーズン終盤のクローザー岡田を続けるのも苦しいですし。リリーフも少数精鋭で。
期待の若手先発たちが1軍での出番を増やし、2軍のイニングに余裕が出るような運用を想定した場合、有望な高校生も少し指名してもいいでしょう。
また、大野・柳・ロメロら主力投手ですら、あの本拠地でありながら被本塁打が多い点が気になります。その詳しい理由は分かりませんが、パワータイプの投手が必要かもしれません。またまた、1軍戦力は多いものの支配下が9人しかいない左投手も層を厚くしておきたいところです。
セ・リーグはDHが無く投手が打席に入るので、自動アウトが2人以上打線にいるのはよくありません。そうでなくても物足りない1軍捕手陣ですから、ここは即戦力を獲得して革命を起こしましょう。2軍には石𣘺がいるので、まずは1軍を強化するのに集中しましょう。支配下で石𣘺とその次に若い加藤の年齢差がけっこうあるのは気になりますが。
内野の1軍レギュラーはセカンド以外固いので、基本は素材型でかまいません。スラッガー系の一三塁と、根尾らの危機感を煽れる二遊間の両方が欲しいです。また、二遊間を守れて、阿部・京田にハッパかけれる実力者も欲しいです。特に阿部のBABIPは.350近くあり来年の揺り戻しが怖いので。
外野はまず使われていない中堅にチャンスを与えてほしいと思います。ただ、やはりセンター候補は即戦力で欲しいところ。大島が怪我で消えたらどうするつもりなの。二軍の外野も弱いです。センター候補もさることながら、ポスト平田的な選手も育てたいところ。石垣を本格的に外野に回すのもアリでしょう。

補強ポイントのまとめ
・先発にも中継ぎにも、”少数精鋭”を。
・いい流れに乗って高校生投手もアリ。
・捕手に革命を
・内外野ともに将来の主軸候補を。ただしセンターラインは即控えレベルも。
・チームが弱く、編成が無茶苦茶なので補強すべきポイントが多すぎる。

指名方針

ひとりドラフト5年指名中日

14年・15年は社会人の指名が多く、このあたりがきちんと戦力になっていたらバランス良かったのですが。以降は大学生や社会人でも素材型ばかりになりました。また、今年は5,6人の指名を予定しているようです。
先発”タイプ”ならまだしも、”精鋭”となるとごく一部なので、上位を惜しみなく使いましょう。となれば森下暢仁(明治大)が筆頭候補でしょう。大学の先輩であり同じエース兼主将だった柳もいますし。しかし、素材型大好きなこの球団なので、準地元選手でもある奥川恭伸(星稜)を指名するような気がします。まあ補強ポイント外してるわけではありませんが。というか弱いと全部が補強ポイントなので誰とってもポイントに合致してしまうのでちょっとずるいなと感じたり。
外れ1位候補には北山比呂吉田大喜の日体大コンビを挙げます。日体大の投手コーチには中日OBの辻孟彦さんがいる縁もあります。立野和明(東海理化)は今年やや不調でしたが、それでも上位級の評価を受けているようです。
即戦力の捕手も希少価値が高いので早めに指名したいところ。打力を考えれば佐藤都志也(東洋大)が筆頭。もしくは地元のスラッガー・石川昂弥(東邦)もアリでしょう。1位で欲しい選手が多いですね… ここだけ3人ぐらい1位指名します?
その他の即戦力投手としては右の大西広樹、左の橋本侑樹の大商大コンビに指名の可能性があります。中日は何故か大商大とパイプがあるようで。2人とも総合力の高い投手です。リリーフなら「和製シャーザー」(筆者談)こと伊勢大夢(明治大)も面白い存在。
内野は、高校生の二遊間なら最高峰は韮澤雄也(花咲徳栄)でしょう。即戦力の二遊間は小深田大翔(大阪ガス)なんか丁度いいんではないでしょうか。少々京田とキャラ被りしますが。個人的に密かに推してるのはSUBARUの遠藤康平です。守備は良いものの打撃が課題とされていましたが、最近は3番を打っているようです。スラッガー系で言うと石川の他には紅林弘太郎(駿河総合)が挙がります。左の大砲でありU18の一次候補でもあった上田希由翔(愛産大三河)は個人的な推しですが、どこ守れるんでしょうか…
外野は佐藤直樹(JR西日本)が高評価。抜群の肩とパンチ力のある打撃はセンターを守れる平田良介(期待値の平田ではなくプロの姿)といったところです。野本圭スカウトも絶賛しています。もしくは大学生なら柳町達が打力もあって良いような気もしますが、走攻守に中途半端なタイプよりも舩曳海(法政大)のような守備走塁が確実に計算できる選手のほうが評価されるかもしれません。と言うか舩曳は指名されて。独立リーグで今季大活躍だった加藤壮太(BCL埼玉武蔵)は岐阜中京出身の準地元選手でもあり、本指名が期待されます。
また、中下位指名ぐらいの素材型投手で、あえて東海・北陸の候補を紹介しておきます。前佑囲斗(津田学園)は代表にも選ばれた好投手。岡林勇希(菰野の兄は広島育成の飛翔。栗田和斗(知徳)、藤田凌(岐阜各務野)は知る人ぞ知る好素材。玉村昇悟(丹生)は高校生左腕ではトップクラスの評価。伊藤健太(中京学院大)は150キロ右腕。名古屋大の松田亘哲は地元だから育成で指名があるという程度かと思っていましたが想像以上に評価が高いようです。

いかがでしたでしょうか。贔屓でもないのにやたらと字数が多くなってしまいました。ツッコミどころが多いからね、仕方ないね。それと、筆者は大学生や社会人が好きなので、高校生の特に右投手をオススメすることは多くありません。なので触れられる時にガっと紹介しておいてやろうと。
この調子でいくとドラフト本番までに終わりそうにないので、以降は自重気味でいきます。たぶん。

それでは次回の投稿でお会いしましょう!

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