見出し画像

情報の与えすぎは子供の探究意欲を阻害する!

学習者に教師がどれだけの手助けをするか、ということを教育心理学ではScaffoldingといい、その質と量はよく議論されるところである。

【概要】
Gweon氏たちの研究では、インストラクションなどの情報を生徒に多く与える教師とあまり与えない教師を比較して、生徒の教員に対する評価と生徒自身の探求意欲を測った。

【実験内容】
実験は42人の6ー7歳児を対象に行われた。実験1では以下の図のような3つの対照群に分かれ、被験者(子供)のインストラクターに対する評価を数値化した。

上のグラフから読み取れるように4つの機能のあるおもちゃの1つの機能しか説明しなかった(情報不足の)インストラクターの評価は他の説明を十分にしたインストラクターより被験者による評価が低かった。

そして、実験2ではこの3群の被験者の探求的行動を比較した。結果、情報を十分に与えられなかった被験者は十分に与えられた被験者にくらべ、おもちゃをより幅広く自由に使用することが観測された。

【コメント】
実験1. 情報の不足は先生の評価をさげ、その先生に対する生徒の信用を下げるとの結論であったが、これは「情報をたくさんくれる人=信頼できる人」というステレオタイプが作用している可能性を考慮していない点と、情報不足はゴールに向かうプロセスに関したものでなく、どう価値の対象であった(説明さてた1/4とされなかった3/4の情報はどう価値)という点で、一概に情報の少なさが先生の印象をさげるという結論づけはできない。

実験2. 情報の不足した環境で子供たちは教師に頼らず自身で探求する姿勢を見せた。しかし、これはもしかすると単に情報が不足していただけでなく、インストラクターへの不信から動機付けされた可能性も捨てきれない。ただ、インストラクターが十分に情報を与えた際に子供が説明にしたがうことに集中し、他の使い方をあまり考慮しなかったことをみるに、生徒の自ら考える幅を狭めるインストラクション(情報)はクリエイティブな思考を妨げるであろう。

Reference
Gweon, H., Pelton, H., Konopka, J. A., & Schulz, L. E. (2014). Sins of omission: Children selectively explore when teachers are under-informative. Cognition, 132(3), 335-341. doi:10.1016/j.cognition.2014.04.013