心の中はいつだってキャリアウーマン
月に何度か訪れる休みの日。
友達と遊ぶでもないし、特に何かやるべきこともない日。
そんな日の前日は、いつも胸を踊らせながら僕は明日やりたいことを紙に書いて机の見える位置に置いておくことにしている(またはスマホにメモをしておく)。
ずっと見たかった映画を見たい🎞
今読んでる本を読み終わりたい📖
髪も長くなってきたから美容院にも行きたい💇♀️
そういえばあの調味料も切れてたからスーパーにも行きたいし、
夜になったら久しぶりに1人で銭湯にも行くか♨️
そうやってあれこれ明日やるであろうことを考えながら書いてるあの時間が何よりも愛おしいし、早く明日になんないかなと思いながらいつも僕は休みの前の日眠りについている。
しかしながら、僕が前日の夜に思い描いていた未来は決して訪れない。
1日の終わりにふとその紙を見て、目ん玉が飛び出そうになるし、
『何て幸せな頭してんだこの小僧は!!💢』と昨日の自分の事をぶっ飛ばしたくなる。
夜になってもまだ紙に書いてたことの1つくらいしか出来ていない。
いや、なんだったら何もやらずにベットの上に1日中いて眠る前にも関わらず万歩計がまだ数十歩しか記録されていないことが多々ある。
自分に嫌気がさす。
元々自分の事が嫌いだが、もう一段階嫌いになる。
自分だけは自分の味方でいてあげなさいと高校の時の担任に言われたが、そんなものは人生の歯車が上手いこと噛み合っている人の戯言だと改めて認識する。
思い描いていた未来と、今目の前で起こっている現実との違いに絶望すると同時に、自分はなぜこんなにも怠惰で実行力のない人間なのかと思いを馳せる。
毎回、毎休みなぜこの失敗をしてしまうのか?
原因を自分なりに考えてみた。
『僕は心の中にキャリアウーマンを飼っているのだ。』
というよりも、現れるの方が正しいかもしれない。
休みの前の日になると自分が怠惰な人間だなんて事も忘れて、高いハイヒールを履いているメイクもバッチリな女性が現れて、僕の体の中を隅々まで歩きながら明日の僕のタイムテーブルを一緒に決めようとしてくるのだ。
きっとそのキャリアウーマンは自分自身で決めた1日のタイムスケジュールをしっかりとこなし、寝る前には今日も充実したいい日だったと満足しながら眠りにつくのだろう。
しかしながら、僕は彼女とは真逆の人間なのだ。
働いている時はとにかくサボる方法を考えているし、
料理は基本チンで完結するものや、お湯を注げば出来るものばかり。
そんな人間がスケジュール通りに行動することが出来ないことなんて少し考えれば分かるはずなのに、いつも何処か期待してしまう自分がいるのも確かである。
過信、慢心、驕り、自惚れ、自分に対する客観視の欠如、浅はか、身の程知らず。
結局何も出来ずに終わろうとしている休日の最後に頭の中で自分に対して思うのは、いつだってこの言葉達だ。
そして何も体は休まらず、少し暗い気持ちでまた朝がやってくる。
これが僕の人生だ。
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