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ゴッホと静物画

SOMPO美術館で開催中の『ゴッホと静物画 伝統から革新へ』展に行ってきました。 ゴッホといえば風景画や人物画がパッと思いつきます。静物画だとどんなものを描いていたのだろう??と思っていました。 なんだか西洋の絵で静物画というと、無常感漂うものを想像してしまっていたのですが、よく考えたら花の絵は静物画だったのでした。ひまわり!! 初期の作品から、ひまわり、そしてアイリスに至るまでの過程を見ることができました。 ゴッホが静物画を描いた理由は、モチーフにお金がかからないから。

    • 春陽会誕生100年

      東京ステーションギャラリーで開催中の『春陽会誕生100年 それぞれの闘い 岸田劉生、中川一政から岡鹿之助へ』展に行ってきました。 近代洋画は全く詳しくなくて、岸田劉生しか分からん……と思いながら入りましたが、見応えのある展覧会でした。 春陽会とは洋画家たちが集まって作った団体で、それぞれの画家の個性を尊重する「各人主義」を大事にしていたそうです。 油彩画だけでなく、版画や新聞連載の原画などもあって多彩。 個人的には、岡鹿之助と出会えたことが収穫でした。 最後の部屋に岡鹿之

      • 『メアリー・スーを殺して』乙一【小説】

        乙一、中田永一、山白朝子、越前魔太郎という4名の作家によるアンソロジー…に見せかけた全編乙一による短編集。 乙一以外のみなさんは乙一の別名義だそうです。解説もご本人という乙一欲張りセット。 乙一以外の名義の作品は初読みでした。 それぞれ色が違っていて面白かったです。 愛すべき猿の日記 (乙一) 父の遺品のインク瓶を受け取ったことから人生が動き出す話。 インク瓶を開けたところからアクセルベタ踏みの感。そこから最後まで段落が変わらないので、どんどん押し流されていくようです。

        • 『源氏物語 解剖図鑑』佐藤晃子【古典】

          源氏物語に興味があるけどどこから手を付けていいか分からない、という人にピッタリの本です。 主要な登場人物が、男君なら犬、女君なら猫として描かれてます。かわいいー! 各段のあらすじ、解説、エピソードにまつわる文化的な説明、と見開き1ページに内容がぎゅっと詰まってます。 この段はどういうお話なのか、とお手軽に把握できました。 イラストも豊富で、パラパラと図鑑みたいに眺めるだけでも楽しい本です。 イラストは可愛いだけでなく、登場人物の血縁関係がよく分かるようになっていました。

        ゴッホと静物画

          『烏百花 白百合の章』阿部智里 【小説】

          八咫烏シリーズの外伝2冊目。 あとがきによると発行順に読むのがよいとのことで、この本は第二部『楽園の烏』の次に読めばOK。 ほぼ第一部のころのお話なので、楽園の烏を読んでいる身としては懐かしいやら今後が怖いやら。 主要な登場人物の周辺を掘り下げつつ、第二部へのつながりも感じる一冊でした。 かれのおとない 茂丸の妹・みよしのお話。 みよしの目から語られる雪哉は、親しみやすい青年でした。 本編では雪哉視点で進むことが多かったので、外から見た雪哉はなんだか新鮮です。 第一部

          『烏百花 白百合の章』阿部智里 【小説】