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20240118 仕事について

旅する仕事

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私はいくつか仕事をしていますが、メインの仕事は「再生可能エネルギーの事業会社」で事業やプロジェクトの開発の仕事をしています。

「開発」の仕事ってなに?

IT、特にソフトウェア産業にいる方からすれば「開発」ってソフトウェアを作ることだと思いますが、再生可能エネルギーの事業においても同じです。

我々の場合はソフトではなくハードになりますから、事業で作り上げるモノ、つまり発電所(太陽光や風力など)であったり、蓄電池ステーションであったり、その他関連設備(電線、鉄塔であったり)といったものになりますが、それらを建設して設置するために必要なことを確保していく業務を「開発」と言います。

具体的には、
・設備を設置する場所の土地の使用する権利を確保する。
 (土地を買ったり借りたり)
・設備工事をするために必要な許可を取得する。
 (国や地方自治体に許可申請や届出を出す)
・設備で作った電気を送電するために、電力会社と契約する
 (正確には、送配電会社。ex.>東京電力パワーグリッド株式会社)
・設置する設備の周辺の住民や自治会に事業説明する。

こんな感じです。

なのでよく勘違いされるのは、建設の現場監督とかなのですが、私はその人たちが活躍する前の段取りをする仕事なのです。なので、営業とか、技術職とかと違って開発って仕事って説明するのが難しいのですが、世の中の仕事を表す言葉で近しいところで言えば、プロジェクトマネージャー(プロマネ、PMとか)に近いような気もしますね。

プロジェクトは全国にある

一般的な会社は経営資源(人とかお金とか時間とか)の効率化をするために地域ごとに支店とかあって、その支店が管轄する地域を専門的に担当するのが一般的だと思います。
しかし、私の所属する会社は「移動柔軟性」の需要性を謳っている会社なので担当するプロジェクトはあまり地域にこだわらず担当します。

その証拠に、過去に私が担当した主なプロジェクトの地域を上げると
・大分県国東市
・愛知県犬山市
・石川県七尾市
・富山県高岡市
・長野県王滝村
・島根県雲南市
・栃木県市貝町
・三重県菰野町
・兵庫県川西市
・滋賀県日野町
・和歌山県和歌山市
・埼玉県本庄市
・鹿児島県薩摩川内市

という感じで、主に関東から九州までの案件を担当してきましたが、実は書いていない県や東北も北海道も沖縄もプロジェクトができるかどうか初期の検討段階で訪問したことがあります。

振り返れば、仕事を通じてたくさんの地域に行かせてもらってるのは貴重な経験になっているな、という感じです。

人と仲良くする業務

事業に必要なものが揃っても・・・

事業をやるために必要なものを揃えていくのが「開発」の仕事ですから、事業をやる地域に入ってからは、土地のオーナーとの交渉や許認可の申請を進めていきます。

上述した必要なものが揃ってくるとそろそろ工事に向けた準備を始めていこうか、となりそうなところですが簡単にはそうはならないケースが多いのです。

事業がその地域にもたらすものは何か

地域で事業をやろうと思うと、大体このような方と繋がりになります。

・土地所有者(買うにしても借りるにしても)
・自治体(市町村や都道府県)
・地元建設会社
・地方議員(市町村議、都道府県議)

ただ、この人たちと事業の合意や許可が取れて、いざ「事業やろう」となった時に、大体いつもこのようなリクエストが来ます。

「貴方のことと、この事業のことをよく知らないので教えて欲しい」

そう。事業のステークホルダー(関係者)の近くにいるけど、直接的には利害関係がない地域の住民や自治会からこう言われるのです。

よく考えれば当然です。
自分の住んでいる地域に、
「誰がやっているかわからない事業の謎の構造物」
ができるような噂を聞くわけです。

「悪意ある事業者だったらどうしよう」
「外国の企業だったらトラブルが起きたらどうやってクレームするか」
「健康被害があるような有害なものを出す構造物だったらどうしよう」

自分の地域に事業が及ぼす影響は何か?をきちんと知りたいと思うのは当然です。

この人たちに事業の説明をして受け入れてもらうことが、とても大切なのです。

地元の人とどうやって関係性をつくるか

ヨソ者として、どうやって地元の人たちと関係性を作るか。
これはとても大切な部分ではありますが、決まった方法などはなくて、
仲良くしたい地域の文化や、地元の人、そして私たちよそ者のタイプによっても大きく異なると思います。

ただ、手法は違えど、必ず経なければならないプロセスはあります。

・地域の風習や文化、地理条件を理解する
・地域の人の歴史を理解する
・こちらの愛と熱意を伝える

これを一つでもやらずして事業を進めると大体地域と揉めることになります。

この3つの要素をどう伝えるか、これがこの仕事で最もタフで、最もやりがいがあって、かつ、大事な要素になります。

なので、ビジネススキル云々の話ではなく、
人間としてどれだけ魅力的か、役に立つか、優しいか、がとっても大事な仕事なのです。

(次回に続く)

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