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【日記】秋田5日目〜天災や人災を経てもなお、生きようとする人の治癒の力を信じること〜

ただ今、秋田に来ています。

秋田、5日目になりました。

今日は朝起きて、ゆったりしていると、お世話になっている家のSさんが「ちょっと出かけてくるね。朝ご飯、自由にどうぞ〜!」と呼びかけられました。居間に移動して、朝ご飯を頂きました。スープとパンとサラダでした。もはやSさんは秋田の母みたいな感じになっていますね。笑

ご飯を食べてからしばらく居間で過ごしていると、Sさんが家に帰ってきました。その流れでおしゃべり。パートナーさんとSさんが専門的な草木染めについての会話をしていて、私は少しばかりしかわかりませんでしたが、パートーが楽しそうでよかったです。Sさんはすごく経験豊富で、居間はもう60代ですが、20代の時にはネイティブアメリカンの方々と一緒に生活しながら草木染めをしていたこともあるようで、出てくる話がエキセントリックな話ばかり。話をしているうちに引き込まれて、海外に行きたくなりました。

会話をしているとあっという間に昼になり、もうそろそろ出発する時間になりました。荷物の片付けをパパッと済ませ、部屋に掃除機遠かけて、出発します。足が悪い旦那さんは玄関まで見送ってくれました。「また、いつでもどうぞ」という一声に嬉しくなります。Sさんは私たちを車で駅まで送ってくれました。車から見える景色は真っ白で、朝からの数時間でずいぶんと雪が積もっていました。とても寒くはありますが、白い雪たちに祝福されているような心地で、由利本荘を去る流れになりました。Sさんからも「また、いつでもどうぞ。私がいない時でも、旦那はいつでもいますから、きてもいいですよ」とのことでした。帰ってくる場所が一つ増えました。

今日はもう特に何かをするつもりはありません。まず由利本荘市から秋田市へ帰還しました。秋田駅に着いて、まずご飯を食べて、本屋へ。人類学の本でも買い足そうかな?と思い、大型本屋さんに行きました。人類学のコーナーに行き、奥野克巳さんの『一億年の森の思考法』を手に取ってレジへ。そのままカフェに向かいました。

立ち寄ったのは、赤居文庫です。

飲み物の量が多く、長いできるタイプのカフェでした。こちらで本を読み始めたのですが、おもむろに縫い物をしたい気持ちが湧いてきたので、数ページだけ読んでから、縫い物を始めました。秋田入りして初日はホテル泊でしたが、その後は別の方の家に泊まる流れで、しかも資料館にリサーチに行くという動き方をしていたので、縫うモードになっていなかったんですよね。でも、その環境から出発し、ふーと自分の時間が生まれた時に縫いたくなりました。

私の縫うことは頂く時の感覚と同期しています。泊めてもらうこと、食べ物を頂くこと。そういうやりとりが起こる中での実感が結晶化していくような感じです。4日目に大地の地層や鉱物のことを調べていましたが、それはつまり私たちの生活の背景について理解を深めていくことでもあります。図と地の関係というのかな。生活という地があって、創作という図が起こる。大地の運動という地があって、人間の生活という図がある。

そこからは塗ったり、本を読んだり、時々パートナーと話したり、という時間でした。ある程度の時間が経ったところで宿に向かいチェックイン。その後すぐにご飯を食べて、1日が終了です。

明日は、こちらのイベントに参加してこようと思います。全く自分でこのイベントがあることを意識していなかったのですが、こちらのイベントのテーマは天災。具体的には1月の能登地震が開催の引き金になっています。私が最近調べていたのも大地の隆起や火山活動などだったので、なんだかシンクロするような感覚を感じています。幸いにも私の身の回りの方々は震災で無事でしたが、多くの作家さん、生活している方々が被災されたことだと思います。そういう何かがあった後に、それでも作家が何かを作るとはどういうことなのか、何をつくるか、それを皆さんと一緒に考えたいなと思う次第です。

こういう話を書いていると、天災後に心の変化に向き合っていくか?という捉え方も大事だな〜と思いました。物理的な変化を受けて心が追いつかなくなったり、心のバランスを崩してしまうことってありますよね。

天災の後にどうしてもバランスを取り直す過程で作らざるを得なくなることもあります。それはそれで、大事だ。つくることは天災を乗り越えていく癒しになると思います。リラクゼーションのレベルよりももっと深い治癒のようなものがあるのではないでしょうか。

当事者となり、容易に言葉を発することができず、たくさんの葛藤を体験し、それでもなお、つくる。

そういう人間の力を、ただ信じたいと思いました。

それでは!

頂いたサポートは、生活と創作(本執筆)のために、ありがたく使わせて頂きます!