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2023年のUbie Global Team振り返り - USヘルスケア市場へ挑戦した1年と失敗からの学び


今日は「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」をミッションに、ヘルスケアプラットフォームを提供しているUbie株式会社のShokoとしての投稿です。 この記事は#Ubieアドベントカレンダー9日目にエントリーしています。

実はアドベントカレンダーやるのはじめて

前提:Ubie Global Teamとは

Ubieは創業当初からグローバル展開を目指すヘルスケアスタートアップであり、私が入社前からインドやシンガポールで様々な事業展開がなされていました。2022年後半からはターゲット市場をUSに1本化する決断をし(この詳細だけで1本のブログになるのでまたどこかで書きます)、現在はプロダクト開発をAPAC(🇯🇵🇮🇳🇸🇬)、マーケット開発をUS (NY)というチーム構成になっており、その中で私は主にProduct Managementを担っています。

チーム体制

USへのマーケットシフト時には本家Tech Crunchにも取り上げてもらいました👇


2023年Ubie Globalチームが達成した3つのこと

1️⃣US版プロダクトのローンチから1年で累計利用回数200万回達成

初期ローンチ時から圧倒的に滞在時間やエンゲージメント関連のメトリクスがよかったUS市場ですが、その後も順調にプロダクトを伸ばすことができました

日本市場と比べると競合も多い中で、1年でこれだけのユーザーに使ってもらえたのは今年一番のハイライトです。さらに数字の面だけでなく、実際に希少疾患や重篤な疾患の早期発見につながった事例も生まれており(詳細は下記プレス)、USヘルスケアにおける患者のペインの大きさとそれに対するソリューションとしてのUbieの相性のよさを再認識しました。

とはいえ(当然ながら)課題もやりたいことも山積しているので、来年はもっと攻めのプロダクトリリースを増やしていく予定です。
(US在住のお知り合いに体調不良の方がいればぜひ利用を勧めてあげてください🙏)

2️⃣US製薬企業や患者会とのコラボレーション

残念ながらまだ言えないことが多いので(そのうち出るであろう)未来のプレスリリースを参照してほしいのですが、「適切な医療に人々を案内する」ことを目指している我々にとって、医師・患者・製薬企業・医療機関といいたヘルスケアの各ステークホルダーとコラボレーションすることは必須です。

その中で日本以外でもその一歩が踏み出せたことは、チームにとっても会社としても大きな自信に繋がりました。(これは後述するUS現地メンバーの加入がとても大きいです)

3️⃣USドルによる売上発生

ビジョンの達成とサステイナブルなビジネスモデルはセットなわけですが、今年はじめてUbieとしてUSドルによる売上を計上することができました🎉
もちろん現在の日本での売上規模とは比べ物にならない額ですが、創業以来はじめて米ドルで売上を立てられたことは単純に嬉しかったです。

将来的には全社売上のX%がUSからの売上になる予定なので、そのときに振り返って「あの額で喜んでたよね〜」となれるように頑張りたいと思います!

10月には東京でオフサイトも実施しました

"もっと早くやっておけばよかった"3つの反省と学び

達成したことに誇らしく感じる一方で、色々と有効な打ち手が後手後手になってしまった反省も多い1年でした。US進出をしている/考えている日本のスタートアップには共通する点も多いかと思い、(元コンサルらしくw) 我々の失敗と反省を3つにまとめてシェアします。

1️⃣もっと早く現地にSales & Marketingチームを構築すべきだった

USでのプロダクトローンチ後、いきなり現地法人を立てたり、セールスを雇うのはコストが高いのではという危惧があり、数ヶ月はAPACからBiz Devメンバーが現地時間に併せて事業開発をしていました。

が、その結果わかったのはBtoBかつエンプラ向けのSales&Marketingをやるのであれば
・物理ミーティングによるエンゲージメントやインサイトのROIはかなり高い
(逆にいうと一見効率よく見えるリモート営業は非常にROIが悪い)
・(Diversity & Inclusionなども進んでいて一見誰でもアクセスできるように見えるが)US Native Speaker以外がUSの大企業とDeal Makingするのはかなり厳しい
ということでした。

これらに気づいた後、US現地での採用活動に力を入れ、4月に2名がアメリカ法人にBiz Devとして入社してくれました。その後のマーケットから上がってくるインサイトの質と量はすさまじく、事業もプロダクトも圧倒的に前進しました。

一方で当初心配していた時差によるコミュニケーションの難しさについては下記のような取り組みを実施することで今のところ乗り越えられています
①元々全員がフレキシブルに働いていること(コアタイムなしの完全フレックス)
②コミュニケーションガイドラインを整備してどこかの国や地域のメンバーにだけ負荷がかからないようにする
③Culture Mapなどを通してお互いのコミュニケーションの特徴を理解しあう


リーンスタートアップの原則として「まずは小さく検証しよう」というのがありますが、もしUS進出するならS&M機能はDay1からUSに設置することをおすすめします🥺(じゃないと検証自体が進まないというジレンマ)

コミュニケーションガイドライン
カルチャーマップ(参考書籍:異文化理解力


2️⃣もっと早く人材採用市場を広げるべきだった

初期ローンチ時のプロダクトメトリクスがよかったとはいえ、USでのユーザー調査においては、定性・定量の両方で我々のサービスは「アメリカっぽくないと感じる、使われている言葉に違和感がある」といったフィードバックをもらっており、真に刺さる体験を構築するにはUSネイティブスピーカーをデザイナーとして迎えることがMUSTでした。

そこで時差が現プロダクトチームと近しいアジア圏在住のUSネイティブスピーカーを探したのですが、あらゆるチャネル・手段を使ってもなかなか見つかりませんでした。そこで「US在住者に日本もしくはシンガポールへのリロケーションをサポートする」という方向に転換して求人を掲載したところ、一気に応募が集まり、USアクセンチュアで Design Directorを務めていた人材が入社してくれました🎉(日本の労働ビザ発行が意外と大変だったのですが、それはまたの機会に…)
下記は彼の入社エントリです。

またインドからのエンジニア採用は以前から行っていましたが、最近ではUbie JapanのSREをインドから採用するなどGlobal Teamだけでなく、日米横断で採用市場を広げていく&カルチャーを整備していくGlobalizationというプロジェクトも進んでいます。

ヘルスケアという人々へのインパクトの大きい事業領域×AIを使ったプロダクトのユニークさ×Ubieの組織の特徴とも言えるホラクラシーのかけ合わせはGlobal市場で見ても強い競合優位性になっており、この点にもっと早く気づいて採用ターゲット市場を拡大するべきでした。

3️⃣もっと早くコーポレート機能をGlobal化すべきだった

ヘルスケアという事業領域と多国籍チームという特性上、リーガルやセキュリティが非常に重要になのですが、私が入社した当初は「困ったら日本にヘルプを出す」くらいの感じで、基本的にはGlobal Teamのメンバーが外部弁護士などの各専門家とやりとりしながら進めていました。

が、今年のはじめからはUbie Japanのリーガルやセキュリティといった専門人材が国を横断で直接担当してくれるようになり、コーポレート職種でのバイリンガル人材の入社等もあって、労務・法務・セキュリティなどはそれまでの1/2~1/3のコストで2倍以上のスピードが出るようになりました。

とくに英語話者が直接担当者とやりとりできるメリットは非常に大きく、これは完全にもっと早くGlobalチームがヘルプ・相談すべきでした。「チームが小さいから」と自分たちですべてをやろうとしすぎてしまったのが要因です…🥹

さいごに:US市場の面白さ=スケールのでかさ

US市場でプロダクトや事業を展開する面白さはそのスケールにあるというのを改めて実感しました。マーケットが大きい分、トランザクションの規模や競合の数も桁違いに大きく、やりがいがあります

私はアメリカに住んでいたことはありますが事業展開をするのははじめての経験で、事業開発やセールスについてはBiz Devメンバーから多くを学ばせてもらい、毎日知的好奇心を刺激されています🧠

Ubie Global Teamは現在募集しているポジションがないですが、Ubieでは一緒に働くメンバーをまだまだ募集しているのでぜひ!(ポジションによってはGlobalチームとのやりとりも頻繁にあります🫶)

▽Ubie Japan採用サイト
https://recruit.ubie.life/
興味を持っていただけた方はカジュアル面談へどうぞ
▽カジュアル面談専用サイト
https://recruit.ubie.life/casual-meeting
▽もしくは私のTwitterに直接DMいただいても大丈夫です😊
https://twitter.com/shokosuzuki1991

【Ubieが提供するサービス一覧】
▽生活者向け 症状検索エンジン「ユビー」
日本版:https://ubie.app/
US版:https://ubiehealth.com
▽医療機関向け「ユビーメディカルナビ」
https://intro.dr-ubie.com/


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