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綿谷りさ原作映画の2本立て

夏期休暇を大雨と自粛で持て余したので『勝手にふるえてろ』と『私をくいとめて』の2本立て。

『勝手にふるえてろ』
 24歳という若い年齢設定なので、自分で作り上げた偶像に対する恋愛感情、何者にもなれない自分への焦燥感、他人に一歩踏み込まれることに対する恐れなど、純粋なパワーが溢れており、最後のシーンで大爆発するのが良かった。高まった感情のぶつかり合い、みたいなベタな演出が好きだからさ・・・。

 ニの「知らないから知りたいと思って自ら働きかける」「恋愛だからと言って相手に過度な要求するのは不健全」という非常に地に足のついた考えを持つ人と一緒にいると安定するだろうけど、現実社会では最初のデートのズレで先に進まないとか、どんくさいところを可愛いと思えず恋愛に発展しなさそう、と思いながら観ていました。

『私をくいとめて』
 比べてこちらは主人公たちがアラサーなので、対人における感情表現は控えめ。仕事が出来るほうではないけど、経験値でカバーできるようになってきたと同時に、自分の限界や、社会的な存在の軽さも見えてくるので不安になる気持ちは非常に共感できる。なんとなく上手くやっていくことでは確固たる自信は生まれないので・・。
「何者にもなれないかもしれない」という焦燥感がなくなる代わりに、向こう見ずさも失うので、恋愛のハードルが急に上がるのはリアリティあったな。

唯一突っ込みたいのはラストのホテルのシーン。そのシチュエーションで寝ないってのはない。

あと大瀧詠一のアルバムなら40分強で2時間の恋愛映画を観たあとのトキメキと同等の感情に浸れるんじゃないかと思ってきました。

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