”障がい”ってなんだろう?

2ヶ月前くらいから、障がい者の人材紹介会社でインターンをしている。

障がい者の人材系の会社にいると、障がいが”軽度”とか”重度”とか、身体だとか精神だとか、そんな言葉がよく飛び交う。

そういう環境にいるとふと思う。

「障がいってなんだろう?」

お父さんのお話

半年前くらいに、ぼくのお父さんがカウンセリングに行ったらしい。そのカウンセラーによるとお父さんはどうやら、アスペルガーっぽいという。(病院で診断されたわけではないが)

確かに、お父さんは昔から空気が読めなかったりはした。物事の理解も多少遅く、ずれてたりもする。友達と遊びに行っている姿も見たことがないから、コミュニケーションも苦手なのかもしれない。


でもぼくはこのカウンセラーの診断に納得はいってない。

なぜなら、ぼくにとってお父さんのKYな感じとか、コミュニケーションが苦手な部分は特に障がいではなかったから。

自分の価値観が相手に伝わらないことは往々にしてあるし、日常的に使う曖昧な言葉の意味が通じなくても、まあそういうこともあるだろと思う。

でも、アスペルガー症候群の人は一般的に”障がい者”とされる。

障がいとは

では、アスペルガー症候群や他の障がいは何にとって”障がい”なのか。

コミュニケーションが上手く取れないことやこだわりが強すぎることは何が問題なのだろうか。

答えはきっと今の社会の作りにあると思う。

多分、資本主義の社会の最重要テーマである”生産性”とか”効率化”、それらを実現するための”コミュニケーション”に対して”障がい”なのだ。

一般的に精神障がいを持つ方は、理解が遅かったり、コミュニケーションの部分でトラブルが起きると思われている。

それに一つ一つ対処して解決できればいいが、それは生産性に反する時間の使い方になる。

身体障がいを持つ方も早く動けなかったり、重い荷物を持てなかったりする。指が欠損していたり、麻痺していたりするとパソコンが使えないこともある。

パソコンが使えないと効率化の障がいになる。

売り手は”軽度身体”

だから、ぼくがインターンをしている会社では”軽度身体”障がい者が売り手になる。

例えば、指を少し欠損した人とか、心臓機能障がいや腎移植をした内部障がいの人のことだ。

心臓機能障がいって重度じゃないの!?と思った人はいると思う。

間違いなく大変な病気だと思う。ペースメーカーをつけて生活する苦労と不安は想像を遥かに超えているだろう。

でも、軽度なのだ。

なぜなら、企業側の配慮が軽いから。キーボードも打てるし、コミュニケーションも取れる。

だから、”軽度身体”は障がい的には軽度じゃなくても、”軽度”で売り手なのだ。


こんな感じで2ヶ月間、障がい者の人材紹介会社でインターンをしてみて感じた違和感をパ〜っと書いてみた。

別に、障がいが「どういう社会に生きているかによって変わる相対的なもの」だと気づいても何かが変わるわけではないと思う。

でも、心から障がい者の方のことを理解しようとする姿勢だけは絶対に忘れたくない。口先の同情だけじゃなくて、寄り添う自分でありたいなぁと思う。

そうすれば、きっとその人たちの”障がい”はぼくにとって”障がい”ではなくなると思うから。


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