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26歳福祉事業起業家へのエールと期待

昨年末に神奈川県の溝口にて設計・施工させて頂いた鶏焼肉のお店のオープンに合わせてお祝いがてら足を運びました。今まで何度も店舗工事をご依頼頂いているオーナーからはこれまで最速最短での工期での工事完了を喜んで頂き、スタッフの方たちからはオペレーションに全く不具合は無い満足していると、品質とスピードの両面で評価を頂き一安心。ホッと胸を撫で下ろしました。今回も厳しい工期をやり切った担当大工の頑張りに感謝することしきりです。

関東新規メンバーとの懇親会

せっかく関東でオープンのお店に行くからと神奈川界隈の友人に声をかけて集まって貰いました。ちょうど、年末年始に私が世話人を務めている経営実践研究会に新規入会された方々との懇親を深めるのに良いのではと、東京のリーダーの窪田さんが数名の新規メンバー声をかけられて、私から研究会の目的や意義、そして効果的な活用の仕方を伝える機会とさせて貰いました。
私が実際にこの研究会に入会して、CSV経営(共有価値創造=社会課題解決型モデル)を学び、実践している内容や、ヒューマンインフラと呼んでいる志の高いメンバーや各分野のトップランナーのアドバイザーとの関わり合いの中で視野が広がり、視座が高くなったことをきっかけに事業の転換を行なった事例なども共有させてもらいました。入会したての右も左もよく分からないメンバーにとっては理解を深めて貰えたのではないかと思います。

26歳の福祉事業起業家の志

そんな同じ研究会に所属するメンバーに混じって、一人の若者がなんの集まりかよく分からないまま参加されておられました。その人は弱冠26歳で障害者への就労支援施設の事業所を2ヵ所運営されており、この度、新たに就労支援施設向けに自治体や企業から業務依頼を集めてくる事業を立ち上げておられました。しかも、これまで問題視されてきた就労支援事業所の利用者の賃金の低さの解決と、企業側も社会に埋もれた人材を活かせる三方よしの事業モデルを標榜されています。
何かしらのきっかけやタイミングがあったのでしょうが、若くして社会課題解決への意識を持って起業されて、社員を雇用して業界の課題を解決するためにアグレッシブに事業展開をされておられるのには私としては驚きを隠せませんでした。まだ、大工の見習いをしていた私の26歳の頃と比べたら月と鼈、雲泥の差とはこのことだと思いました。

当たり前ではない世界

その彼に対して、自分の娘と大して年端も変わらない若者が熱心に私の話を聴いてくれるのが嬉しくなって、随分とあれこれと先輩ヅラして話し込みました。その中で私が偉そうに喋ったのは、当たり前のことについての再認識です。もちろん、当たり前のことばかりなので、新しい情報はこれといって無いのですが、ただ、当たり前のことが一般的に正確に認識されていない、もちろん計画も実行もされることも無いのは理解いただけたようでした。少しは新鮮な気づきを得て貰えたように思います。
具体的には事業は計画と実行が全てであり、計画の立案で未来が変わることと、今年の私の活動テーマでもある民主主義と経営者が民主化に取り組む必要性、その意味と意義についてです。

事業計画策定の時間軸への考え方

26歳という若手起業家の彼ももちろん、年度の初めに事業計画を立てて、年度末に決算を行なって計画の答え合わせ行っていると言われておられました。私が彼に伝えたのは事業は本来、計画と実行(実践)しかなくて、その結果が会社の存在意義を決めるのなら、究極、計画の精度に全てがかかっているとの原則です。そして、成果や結果はそれを生み出す状態の形成に由来することを鑑みて、状態とは即ちマンパワーの活用、人材開発、人材育成とその人が生み出す共通価値を基盤としたコミュニティー形成等の経営基盤を固めることだと考えれば、単年ごとでの事業計画は目標達成の指標にはなり得ても、本質的に事業をどのように育てたいか、どんな存在価値を生み出したいかまでの計画に繋がりにくいとの理論です。事業計画の時間軸をできるだけ長く持って計画立案に取り掛かってはどうか?と勧めました。未来有望な若者には是非とも、理想の社会、あるべき世界の実現に向けて進んで貰いたいと思ったのです。

民主化を行うべき理由

理想を実現する事業を推進して行くにあたり、同時に留意してもらいたいと伝えたのが事業所内の民主化です。物腰の柔らかい、落ち着いた雰囲気の彼は創業経営者と言っても決して偉そうに振る舞うタイプには見えませんでしたが、社内での意思決定は民主的に行われているか?との私の問いには自信なさそうに首を横に振られていました。日本は民主主義の国だと思っていても、実際に本当に民主的な組織は非常に少ないという私の持論に対しても共感してもらっていたようで、今後の運営に少し気をつけてみます。と答えられていました。
事業所の民主化を進めなければならない理由は数々ありますが、私が経営者に対して向き合ってもらいたいと思うのは人が誰しも逃れることができない3つの真実です。人は必ず死ぬ、それがいつか分からなない、そして今現在も確実にその時に向かっている。との真実に向き合った時、自分が人生をかけて行いたいことを継続させる、また、現在背負っている大きな責任や人との約束を守れなくなるのを回避するには同じ方向性を持った同志を育て、民主的な運営をしておくべきなのです。

人は人で磨かれる

経営実践研究会という本業で社会課題を解決したいと志す経営者ばかりが集う研究会に関わるようになって、今までとは違う世界に来たかのように、意識の高い、そして愛情溢れる人達ばかりと数多く出会うようになりました。特に若手の経営者が多いのには驚かされると共に、私たちの次の世代を背負って立つ頼もしい若者が確実に育っているのを感じています。
そんな若手経営者に対して、私がこれまでの20数年間に失敗と苦労を繰り返してきたような無駄な時間を全てショートカットして、いち早く理想的な事業モデルの構築と同時に社会課題の解決を推し進めてもらいたいと思っていて、世話人との立場を拝命していることもあり、老害にならないように気をつけながら、どちらかというと積極的に自分の方から関わろうとしています。そして、若い経営者さんたちに教えるつもりが教えられることの多さを痛感しています。人は人でしか磨かれないと言います。人と人の関わり合いの中で切磋琢磨できる状態を保っていきたいと思います。

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当たり前のことを当たり前に行うことで共有価値を生み出す研修を行っています。


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