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アテガイブチをぶっ飛ばせ!〜職人の未来創造〜

一般社団法人職人起業塾ではこの度、コロナ禍を機に止まってしまっていた東京での研修事業を再開しました。3年ぶりとなる東京、水道橋のSHIP社のセミナー室での研修には再受講の塾生も参加しており、馴染みある顔ぶれもいてアットホームな雰囲気からのスタートになりました。

起業家精神を宿す研修

再受講の塾生も少し驚いていた様ですが、この研修はコロナ禍を経て内容が大きく刷新しています。今回は新たに参画された企業も多くおられますが、その経営者の動機も実は以前とは大きく変わっています。
変化したのは研修を通して提供する価値のレイヤーです。職人起業塾は現場実務者にアントレプレナーシップを体得して貰い、現場で新たな価値創造を促す研修です。以前は原理原則系のマーケティング理論を主軸にして、信頼をベースにした文字通り自社独自のマーケットを創り、未来の収益構造を構築するのを目指しておりました。現在は、そこから一歩踏み込んで、収益性を高めることももちろんですが、社内や業界、地域での根本的課題解決を行える人材の輩出と、CSVモデルと言われる社会課題解決型の事業モデルの担い手の輩出を目指しています。起業塾と言いながら、決して起業を進める研修ではありません、念の為。

職人は教育者たれ

もう一つの大きな変化は、この研修が、将来的にキャリア教育の学校、マイスター高等学院の認定講師になる講師養成講座の役割を担うようになったことです。現在の学校教育に対してアンチテーゼを突きつけて、学校に通わなくなった児童は昨年、30万人を超えました。それ自体は大きな問題ではないと私は考えていますが、学歴社会の枠組みから外れた子供たちが社会に受け入れられない現状は大きな問題で、学歴に囚われることなく、誰もが社会でIKIGAIを持って活躍出来る社会になるべきだと思っています。その受け皿として、職業能力と人間力を身につけながら、高校卒業資格を取得できるキャリア教育の高等学校を設立して、現在、全国に展開しています。

そのマイスター高等学院の教師とは、現場で働く職人であり、事業所の先輩です。その育成担当のキャリアの一環として、半年に渡って自己の内面に向き合い、人間力を高め、コミュニケーションの本質を身につける職人起業塾の受講を強くお勧めしています。今回、東京で参画された事業所は全社、マイスター高渡欧学校を開校する予定の企業であり、塾生は全員、未来の教師候補生です。

天上天下唯我独尊

25年前に職人の社会的地位の向上を志に掲げて起業した私の持論は、職人が自助の精神を持つべきだ。との自分自身が大工として現場実務を行いながら体感し、身につけたインサイトです。職人は現場で決められた作業を行うだけではなく、もっと多くの役割を担えるし、担うべきだと考えて、自社の職人達には資格の取得を勧め、施工管理や営業、設計のスキルを身に付けて大きな活躍をしてもらっています。要するに、現場で作業するのが職人という枠組みを取っ払い、多くの役割を担うことで作業効率等というすぐに陳腐化する価値ではなく、唯一無二の人がそこにいるという効果性を最大限に高める価値創造を行ってきました。これが職人起業塾の研修の本質です。現在、それを更に高みに引き上げるべく、後進の育成を学校というフィールドでになってもらえる枠組みを構築しようとしています

日本のモノづくりを守り育てる

この度、東京で再開した研修に参加された塾生達は職人育成の高校、マイスター高等学院を開校する予定を大まか理解して参加されていました。講義の中のワークショップやディスカッション、アウトプットで今までの業務範囲の枠組みから外に一歩足を踏み出すのだと意気込みを語られる塾生が複数人おり、私の意図が伝わっているのだと非常に嬉しくなりました。
そんな頼もしい塾生達の姿を見ていて、私が中学校を卒業する際の寄せ書きに教師の一人が書いてくれた「アテガイブチをぶっ飛ばせ!」との言葉が脳裏に思い出されました。建築業界に蔓延ってきた職人を道具の様に扱う、古めかしい価値観、枠組みを叩き潰して、新たな価値を生み出し未来を創造する現場実務者を数多く輩出することで、日本のモノづくり文化の継承と発展に寄与したいと思います。面白くなってきた。(^^)

全ての地域企業は学校としての機能を付加すべき。との理念を掲げてマイスター高等学院の全国への普及活動を行っています。お気軽にお問い合わせください!

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