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時間は解決しない、不都合な真実と人生を変容させる主体性の使い方

昨日のノートでは、未来に起こることを真摯に見に行き、鮮明なイメージを持つことで、リスクから逃れたり、思うような成果を手に入れたりすることができる。いわば未来を予知する能力を誰しもが持っていると書きました。しかし、実はそんな事は、誰もが知っているにも関わらず、その上で起こりうることのイメージを観に行かない選択を繰り返す人が圧倒的に多いと私は思っています。なぜ少し考えれば誰にでもわかることを考えようとしないのか、見に行けば、慮れば、人の心の在処はわかるのに、それを見に行かないのか。その理由はいくつかありますが、大きなのものに「時間が解決してくれる」との大きな誤解があるのではないかと推察しています。

人は忘れる

人の脳はよくも悪くも物事を忘れるように出来ています。人生に起こる悲しい出来事や苦しみを全て背負って積み重ねて生きると気が狂ってしまうのは想像に難くなく、その意味では忘却できるのは人が生きるために兼ね備えた一種の能力と言っても過言ではないかもしれません。一方で、子供の頃、学校で忘れ物を繰り返しているとだめな子呼ばわりされるように、忘れる事は悪いことだと教えこまれています。根本的には、人は誰しも忘れる習性を持っているが、ルールや規則に沿わないとか、人との約束を破るとか、忘れることで人との関係性において影響が出る際に罪になるのが今の人間社会です。

忘れる快感

エビングハウスの忘却曲線は有名ですが、人は圧倒的なスピードで忘れます。特に、嫌な出来事、辛い体験ほどすぐに忘れてしまいたい衝動に駆られるのは誰しもでは無いでしょうか。そして、忘却は心にストレスをかける事なく気持ち良く厳しい現実を無かった事にしてくれます。この快感を人は幼い頃から繰り返し積み重ねて、もし、近い未来に嫌なことが起こったとしても、直ぐに忘れ去って何事も無かったかの如く過ごせるのを無意識下で知っており、その方が楽だと感じているのでは無いかと思うのです。そして、忘れることを時間が解決してくれたと勘違いしてしまうのでは無いかと思うのです。

人として生きる意味と意義

どんな大きな失敗やトラブルが起こっても、すかさず無かったことに出来るなら、懸命に意識を集中して人の心の在処を観に行ったり、失敗しない様に明日の行動のシミュレーションを念入りに繰り返さなくても良いことになります。だから、人はせっかく生まれ持ってきた予知能力を使う事なく、成り行き任せになってしまうのでは無いかと思うのです。
ただ、せっかく天から授かった一回切りの人生、全く主体性を持つ事なく、何のコントロールもせずに流されるがままに過ごしてしまうのは流石に残念過ぎます。万物の霊長たる人間なら、自分の人生を主体性を持って経営し、目的を達して生きることに意義と意味を見出せるようにしてもらいたいものです。

主体的な生き方とは未来を創ること

主体性を発揮するとは自分から考え、行動を起こし、未来を創ること。当然、未来を想像し、詳細なイメージを持つことがセットです。脳みそを振り絞り、これから起こる未来を考え、自分の行動によって変化、変容させられるのは何かと計画を練ります。そこに真剣に向き合うほど、細かく未来を見に行く必要があり、関わる人の心の在処を探らねばなりません。そして観に行けば、それは見えたり感じたりできます。主体性的に生きるとは、未来を想像し、創造する所業に他なりません。

実在的変容の鍵

私は長年、職人育成の事業に取り組んできた中で、塾生達に主体性を発揮してもらいたい。とずっと思ってきたし、伝え続けて来ました。主体性という簡単な言葉で誰もが意味を分かった気になっていると思いますが、実は意外に奥が深く、本当に理解するのは簡単ではありません。未来を観に行く能力を使うのは実は体力も気力も使いますし、詳細な計画を練り上げるのは莫大なエネルギーを費やします。そんなストレスを引き受けず、成り行き任せで過ごしていても失敗や目標の未達など嫌なことは忘れられる能力を人は誰もが持っています。その忘却の誘惑を乗り越えて主体性を発揮するのは、並大抵の決意ではできないと思うのです。世界で最も読まれた、自己啓発本、7つの習慣の初めにいたのがこの主体性を発揮するでした。人生を変容させる鍵がここにあります。また、企業が求める人材の条件の上にも、常に主体性が入っていることを考えれば、若者たちは是非ともここに向き合ってもらいたいと思うのです。

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表面を上、滑りする薄っぺらい、思考を捨てて、本質に向き合う研修を行っています。




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