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冬の北海道は寒い⑩ 登別、白老

もう一つのいきたい場所、それは登別の地獄谷です。
登別温泉というのは、なにやら歴史がかなり深いようで、温泉の存在自体は江戸時代から知られていたようです。そりゃ、こんな寒いところに温かい湯が出るところがあれば、すぐに知れ渡りましょう。
「地獄へ落ちろ」や「地獄やんこれ」などと使う時の「地獄」はほとんど嫌な時に使うものですが、地獄谷に限っては違いますよね。地獄のような景色が見たくて、ここまで車を走らせる魅力があるのですから。

残念ながら、温泉街を楽しみ、温泉に入る時間はありませんでした。が、地獄谷の手前の駐車場に車を停め、散策をすることはできました。
白の大地から煙がモクモクと湧き出て、夜が更ける色彩の変化も相まって、確かに地獄のような雰囲気がありました。
上の写真は、地獄谷入口のもので、ここからさらに奥へ奥へと歩いていくことができます。

こんな感じで、道が続き、地獄ツアーをすることができます。
しかし、地面が凍っています。これは要注意です。景色が綺麗だな、とボーっとしていると、すぐに転びます。何人もの人が転んでおり、安全とは程遠い道です。結局、僕たちも途中まで行って引き返すことにしました。僕が見た限りでは、奥にいってもたいした景色の変化はないので、転んで傷つきながら進むよりは、温泉街などを楽しんだ方が有効に時間を過ごせるのではないかと思います。

誰かが恐竜を作っていいました。
可愛いから一枚。

下の二枚は、僕の愛してやまない尾張旭という市のゆるキャラ「あさぴー」です。愛が転じて、地獄で雪に埋めてしまいました。可哀想で可愛らしいですね。

今宵の宿は、登別ではなく、白老まで車を走らせました。「東町ハウス」という個人が経営されているゲストハウスで、温かみがある店主さんとお部屋に心身共に癒されました。今回の旅は移動ばかりで大変だったのですが、本当にゲストハウスに助けられて、毎度回復して翌日を迎えることができました。
ゲストハウスには、アイヌの伝統的なアイテムや刺繍が数多く飾られています。というのも、ここ白老はアイヌ語で「虹の多いところ(シラウオイ)」が語源になっているそうで、詳しいことはわかりませんが、アイヌとゆかりの多い土地なんだそうです。「ウポポイ」という、アイヌ民族の伝統や文化を伝える施設があることでも有名とのこと。

部屋のリビングです。
温かくて、ついつい椅子でのんびり

白老の町を散策しました。ここの雰囲気は、我々カップル、とても気に入りました。月曜でお店の多くが休みだったこともあるのでしょうが、とてつもなく静かで、時間の流れが遅く感じられました。時間に追われて移動に移動を重ねたここ数日間が嘘のようで、改めて、二人で旅行をしていることの楽しさ、彼女への気持ちを再確認できました。寒さが苦手なのにも関わらず、移動もつらく、体調が優れない時もあったのにも関わらず、苦言を呈すことなく、楽しんで一緒にいてくれた彼女がとても大切だという自分の気持ちが、心の隅から隅までを埋め尽くしました。白老は、そういう心の温かい部分を引き出してくれる場所なのかもしれません。

晩ご飯はここ、「KINPENCAFE」ペンギン好きとして、いい名前すぎます。とはいえ、ペンギン料理を提供する場所ではありません(怖すぎます)。白老は、「白老牛」というブランド牛を育てており、その地元特産の牛を、ここ「KINPENCAFE」では嗜むことができるのです。

……まぁ、そんなことを知らずに、僕は食べたいポークチャップを食べたんですけどね……

油がたっぷりで重量感がありました
食後のカフェ。

先程も言ったように、この町の雰囲気が最高すぎます。
食べ終わった後も、二人で静かな雪町を歩きました。通りに人はほとんどおらず、この世界に自分たち二人しかいないような幸せな錯覚に陥った程です。彼女と出会ってからというのも、自分の不甲斐なさや性格の悪さと直面し、彼女にも申し訳ないし、自分自身を忌み嫌う瞬間が本当にたくさんあったのですが、この町を歩いてる時には、ただ二人でいる瞬間を純粋に楽しむことができて、前向きにこれからも成長していきたいと思えたんですよね。
魔法がかかっていますね、この町は。

五日間の旅も、あと一日となりました。
白老を出て、新千歳空港へと戻ります

                             続く

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