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【特急湘南26号 Vol.12】どっちかの夜は昼間というわけではないけれどポッドキャストを聴いているわけで

いつものように、午前8時11分藤沢駅発の特急湘南26号に乗って、渋谷へと向かう。僕の居場所は相変わらず3号車8番のA席。車内のいつメンたちとともに過ごしているのだが、知らないヒトたちなので今のところ交流は一切ない。

席での楽しみ方の定番として音声コンテンツがある。僕はSpotifyでポッドキャストをよく聴いている。ここに詳しく載っているが、今年は『霜降り明星のANN』で粗品が一人二役で放送していたのが衝撃的だった。

リアルタイムで自宅で聴き、アーカイブは特急湘南で聴くのが僕の定番スタイル。『佐久間宣行のANN ZERO』『マユリカのうなげろりん!!』『空気階段の踊り場』『山里亮太の不毛な議論』『川島明のねごと』など挙げればキリがない。

芸人お試しラジオ「デドコロ」の永野さんの回は冗談抜きで1,000回以上リピートして聴いた。寝る前もドライブ中もずーっと聴いていて、今日も聴いている。

『永野とミッキーのLIVE BUZZ』は音楽と芸人トークの両方を満たしてくれるコンテンツなのでこれもかなりリピートしている。あと、僕は芸人のニューヨークが好きなのでSpotifyでも「ニューヨーク」と検索して、彼らがゲストの回などがあると欠かさず聴いているのだが、最近は検索で『上出遼平 NY御馳走帖』という番組が引っかかる。これはこれで僕は上出さんが好きで書籍も持っているので結果オーライということで聴いている。

そんなポッドキャストばかり聴いている僕でもたまに音楽を楽しみたい時がある。そういえばあの曲って入ってるのかなと思いながら検索していると意外な発見があるのだ。

この曲を発見したときはびっくりした。1998年に発売したトーコのデビュー曲である。前年の1997年はハイスタの『ANGRY FIST』とOASISの『Be Here Now』を死ぬほど聴いていたのだが、1998年は『BAD LUCK ON LOVE~BLUES ON LIFE~』の年だったと記憶している。翌年の1999年はレッチリの『Californication』が世界中を席巻していた年だったが、1998年はどう考えても『BAD LUCK ON LOVE~BLUES ON LIFE~』だ。4つキーを下げれば男子もカラオケでギリ歌えた。懐かしい。

そんなどうでもいいことを考えながらSpotifyで曲をディグるのだ。車両内のいつメンを見て連想することも多々ある。今日は3号車の前から3番目に座っている男性がやたらとカラフルな格好をしていた。あまりにも印象的だったので、気づけば僕はSpotifyでDA PUMPの『U.S.A.』を聴いていた。

Spotifyのいいところは歌詞が出てくるところだ。『U.S.A.』は歌詞が神がかっていて、『C'mon,babyアメリカ どっちかの夜は昼間』という歌詞は2000年代の日本における最強のパンチラインだと思っている。日本とアメリカ、どっちかの夜は昼間だと改めて教えてくれる人が僕の周りにいただろうか。あなたのまわりにいただろうか。当たり前のように認識していた時差。その距離感を『どっちかの夜は昼間』と表現するのはアイラブユーを『月が綺麗ですね』と言い換えるよりも美しい。よく考えるとロサンゼルスが昼の12時だったら日本は翌日の朝5時なので、時差が17時間だと『どっちかの夜は昼間』というわけでもないのだが、そんなことはもうどうでもいいのだ。

気づけば渋谷駅に到着。降りるとき、あのカラフルな男性に凝視された。なぜだろう……。あ、イヤホンのBluetoothが繋がっていなかったみたいだ。まあ仕方ない。『僕らは地球人 おんなじ星(ふね)の旅人さ』だ。星と書いてふねと読むが、特急湘南26号と書いてもふねって読んでもいいよね。こうして僕は明日も知らないヒトたちと一緒に渋谷を目指し、夜になると藤沢に帰るのだ。


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