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「魚を食べる楽しさを伝えたい」佐々木蒼大くんインタビュー

100種類以上の魚を食べて「鯛の鯛」を集める 佐々木蒼大くん

 現在神奈川県横浜市の中学校に通う、中学1年生の佐々木蒼大くんは鯛などの骨の硬い魚(硬骨魚)の左右の胸びれの根元に1つずつある、魚のような形の骨=鯛の鯛を、小学校5年生の時から集めています。

 魚の種類によって形や大きさが違うので、コレクターも多く、蒼大くんも140種類以上の魚を食べて、その魚の鯛の鯛を集めてコレクションしています。

 今回、「少年写真ニュース」10月18日号にて取材させていただき、鯛の鯛に限らず、魚そのものが大好きな蒼大くんにお話を伺いました。

10月21日、22日は大阪で開催される「ホネホネサミット」に初出展

大好きな「魚」について

──魚が好きになったきっかけを教えてください。
「2歳の時に古本屋で買ってもらった図鑑の深海のページに載っていた『カイコウオオソコエビ』を見て、海の生き物に興味を持ちました。そこから魚が好きになっていきました」

──魚のどんなところが好きですか?
「見た目がカッコよかったり、可愛かったりするところや、生態が面白いです。釣ったり、つかまえたりするのも楽しくて、食べてもおいしいから大好きです」

──お気に入りの魚はいますか?
「見るならチョウチョウウオが可愛くて好きです。食べたこともあります! 食べるんだったらカマスかな。特に塩焼きが大好きです」

──今まででいちばんおいしいと思った魚や好きな魚料理を教えてください。
魚創竹波さん(神奈川県藤沢市)で食べた、アコウダイのうしお煮がいちばんおいしかったです! 魚料理はマース煮(塩煮)が好きです。それぞれの魚のそのものの味をそのままいかせておいしいので大好きです」

鯛の鯛について

──鯛の鯛を集めたきっかけは?
「3つあります! 1つ目はおばあちゃんが縁起がいいからという理由で、『金目鯛の金目鯛』を飾っていて、『これはどんな魚にもあるのかな?』って思ったから。2つ目はさかなクンのトークショーに行った時に、さかなクンが『どんな魚にも鯛の鯛があります』と言っていて、気になったからです。そして、3つ目。大好きな魚をきれいに食べたいから!」

──集めているコレクションは今、いくつになりましたか?
「約140です」(2023年10月上旬時点)

先日お伺いしたところ、コレクションはさらに増加中とのこと

──コレクションになっている魚はすべて食べたのですか?
「鯛の鯛のコレクションになっている魚は、すべて調理して食べたものです。魚をさばいたり、調理してから、食べる前に探します」

──お気に入りの鯛の鯛はありますか?
「ホウボウです。2つの骨のくっついているところが細くて変わった形をしています。あとは、キアンコウ。頭の部分が丸くなっていて、処理をするとしぼみます」

──魚の骨の標本も作っていますが、その面白さとは、ズバリ。
「一部の魚は骨が面白い形をしていて、標本にすれば、ずっと保存できるようになります。そして、いつでも見られる!」

魚に関する活動について

──魚や海に関して、どんな活動をされていますか?
「自分で食べて集めた鯛の鯛をまとめた鯛の鯛図鑑の制作です。食べた魚のイラストを描いて、鯛の鯛の骨格の標本を作ったり、魚や骨の撮影をしたり、説明を書いたりして、ファイルにまとめています。あとはボランティア活動です。観音崎自然博物館(神奈川県横須賀市)では展示している生き物の世話をしたり、神奈川県立生命の星・地球博物館(神奈川県小田原市)では、魚の標本を作るお手伝いをしています。生き物や魚の飼い方、標本の作り方を教えてもらえるので、そこから勉強することができますし、ふだんなかなか見ることができない魚も見ることができるので、とても楽しいです。日本財団さんの『海と日本PROJECT』の活動で、『全国子ども熱源サミット』や、『深海研究スーパーキッズ育成プロジェクト』に参加しました。同世代で、ぼくと同じ趣味の、海や魚が好きな友だちが日本中にできました。この出会いは宝物です」

手書きで丁寧に描かれ、きちんとまとめられた鯛の鯛図鑑は現在第4巻まで作成しています

──魚釣りも最近始めたそうですが、どんな場所で釣っていますか?
「油壺(三浦半島)の磯で小物を釣っています」

──ちなみに蒼大くんは中学で好きな教科はなんですか?
「理科と社会、美術が好きです。数学は苦手です」

魚のイラストについて


──図鑑にある魚のイラストはいつ頃から描き始めたのですか? 巻が進むにつれて、蒼大くんの成長もうかがえます。
「覚えているところで、小学2年生の時からかな? スケッチブックに絵を描き始めました。本格的になったのは、小学5年生。夏休みの自由研究で、鯛の鯛図鑑を作り始めてからです」

──どんなふうに描くのですか?
「図鑑などの写真を見ながら、まず、鉛筆で輪郭を描いてから、色鉛筆で体色などを塗っていきます。より本物みたいに見えるように、ウロコ1枚1枚も丁寧に描いて、色もできるだけ忠実に再現できるように、細かく塗っていきます」

──そのイラストも入っている鯛の鯛図鑑は自費で印刷して冊子にもなっています。
「みんなにも鯛の鯛のおもしろさを知ってもらいたいので、冊子も作っています。そしてみんなに魚を好きになって欲しいです!」

お気にりの場所や宝物、大好きなものについて


──魚関係でお気に入りの場所はありますか?
「水族館なら、新江ノ島水族館(神奈川県藤沢市)は、ぼくの地元、相模湾の生き物をたくさん見ることができます。葛西臨海水族園(東京都江戸川区)は、世界中の生き物も見られるし、泳いでいるクロマグロを見れるんでおすすめです! 魚屋さんだったら、いつもお世話になっている小田原魚國さん(神奈川県小田原市)。小田原の新鮮なお魚を売っていて、買って楽しい、食べておいしい大好きなお店です。sakana baccaさん(東京都目黒区)も珍しい魚を売っていて楽しいです! あと本屋さんなら、SAKANA BOOKSさん(東京都新宿区)。魚や海に関する本をたくさん扱っていて、見ているだけで楽しくなります!」

──蒼大くんの宝物はなんですか?
「トークショーでいただいたさかなクンの絵! あとは家にあるたくさんの本や図鑑です」

──魚の本でおすすめがあれば教えてください。
「『くらべる図鑑』(小学館)は魚を好きになるきっかけになりました」

──鯛の鯛だけでなく、魚グッズもたくさん集めているんですよね。特にお気に入りのものがあれば教えてください。
「魚のぬいぐるみたち、記念のメダルかな。あとは魚の本や図鑑です」

──これから行ってみたい場所はありますか?
「日本全国のまだ行ったことがない水族館や魚屋さんに行きたいです。海外の水族館にも行ってみたいです!」

憧れている人たちや将来の夢について

──さかなクンはやはり憧れの人ですか?
「そうです!最近たまたまですが、テレビ番組でいっしょに出させていただく機会がありました。さかなクンは本当に憧れの人で、影響もたくさん受けました。あと出会えて嬉しかったのは、神奈川県立生命の星・地球博物館の瀬能宏先生、観音崎自然博物館の山田和彦先生、幼魚水族館の鈴木香里武さん。同世代で、福岡で活躍されている、伊藤柚貴くんも憧れかな。さかな芸人ハットリさんも仲良くしていただいていて、一緒に釣りに行ったりもします」

──将来の夢はなんですか?
「東京海洋大学に入学すること、そして東京海洋大学で魚の教授になって、いろんな人に魚の面白さを伝えたいです」

──大活躍の蒼大くんですが、支えてくれるご家族の皆さんにも感謝ですね!
「いつも僕に情報を教えてくれたり、手伝ってくれたり、本当にありがとう! これからもよろしくお願いします!」

皆さんへのメッセージ

──最後にこのインタビューを読んでいただいた皆さんへメッセージをお願いします。
「これを読んでいる皆さんにも魚を食べる時に、鯛の鯛を見つけて欲しいです!」■

取材場所としてお借りした、豊洲市場にある銀鱗文庫にてこの色紙を見ることができるはず!

佐々木蒼大(ささき そうた)くん プロフィール
神奈川県横浜市在住。中学1年生。2歳の頃に魚に興味を持つようになり、小学5年生の夏休みの自由研究課題で「鯛の鯛」を調べたことをきっかけに集めるように。
2020年 小さかなクンコンクール『海と日本プロジェクト賞』受賞
2021年 日本さかな検定(ととけん)3級合格
2022年 深海研究スーパーキッズ育成プロジェクト
      日本さかな検定(ととけん)2級合格
2023年 タウンユース港南・栄版掲載
      全国子ども熱源サミットハ関東ブロック代表
     BSよしもと『ワシんとこ・ポスト』出演
     tvk『あっぱれ!KANAGAWA大行進』出演
    『子共の科学』(誠文堂新光社)8月号掲載
       テレビ東京『長野クンさかなクン港はしご旅』出演
       海のキッズサポーター
             水産庁「さかなの日」賛同メンバー
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