見出し画像

ビバ!モンテローザ

■今回のブログに出てくる魚民はモンテローザという系列の飲み屋さんなのだけれど、近所にモンテローザの鳥のジョージというカスすぎる安居酒屋ができた時にオープン記念でペラペラのトートバッグを配っていて、ぼくはそれを無駄に6枚持っている、何にも使い道はないけれど、捨てる気もおきない、いつかビンゴ大会の景品にしようかな。


————————閑話休題—————————


小林さんにバンドのメンバー探してきますね、と告げたものの、ぼくは迷っていた、なぜならバンドのメンバー集めって、普通にめちゃムズいからだ。


バンドを新しく組む、一言といっても、そのパターンはいくつかある、ぼく目線なのであるあるではないと思うけど、いくつか紹介するね。


①シンプルにうまいメンバーを集める
これは玄人になったバンドマンがよくやる技で、ある程度のクオリティが最初から担保されているのでバンドとして事故りづらい反面、それぞれがもうこだわりを持っている場合が多いのでそれの折り合いが難しい。


ぼくはこれはないと思った、なぜならぼくは圧倒的に友達が少なかったし、すごくうまい見知らぬ人に自分から声をかける自信なんかなかったからだ。楽曲が俺に追いついてねえ、みたいなこと言われたら折れちゃうもん、心。


②小林さんに任せる
実際、その頃はコロナ禍だったので解散や活休をしてしまうバンドが相次いでいた、小林さんはとにかく知り合いが多いので、紹介しようか?とも言ってくれたのだけれど、一旦断った、ぼくは人生を賭ける覚悟はしていたけれど、自信は別になかったからだ。あいつには断られたよ、とか後から小林さんに言われようもんなら、気まずくなっちゃうよ。


③自分で探す
これは①②と比べるとリスクが大きかった、この場合、ほぼ声をかけるであろうメンバーは自分の中で決まっていたけれど、そいつらはまあまあ生活をやっていたし、普通に考えて、わざわざバンドなんかやらない方がいいからだ。


と、いくつかあるが、ぼくは正直③でもう決まっていた。だけど、不可逆じゃん、バンドって。なので結構うじうじ悩んだ。そしてその最中、コロナ禍なんだから絶対飲みに行くなよ、という職場の風潮を裏切り、バイト先の同僚だった石栗と二人で魚民に飲みに行くことになる。


石栗って結構すごいスピードでビールを飲み続けれるタイプなのね、ぼくもやろうと思えばそうだったので、同じペースでビールを飲み続け、飲み放題が終わる頃には完全にぼくらは出来上がっていた。


飲み会もたけなわとなった頃、ベロベロの石栗が真面目な顔で放った言葉からぼくのメンバー集めが本格的に始まることになる。


「俺さあ、なんかお前と面白いことする気がするんだよね」


・・・そう、石栗はツーブロックで元体育会系でピチピチなスーツを着ている怪しい奴みたいな事を言ったのだ、でもこれは運命なのかもしれない、と思った。なぜかと言えば、割とぼくもそう思っていたし、ぼくらがやれる面白いことなんか、バンドぐらいしかないからだ。


そこでちょうどバンド結成の話が出ていること、他にも誘いたいメンバーがいて、石栗とも絶対仲良くなれる、ということ、音楽論なんかを店員さんに追い出されるまで話して、石栗がバンドメンバーに加入した。その時のワクワクした気持ちは、今でもちゃんと覚えている。そしてその数日後、ぼくは羽茂の家に向かったのだった。


————————閑話休題—————————

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?