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たまには良い家族を

こんばんは。
MSWのしょーんです。

いつもは鬱陶しい家族のことばかり書いていますが、たまには素敵な家族のことも書こうかなと。

僕たちの仕事は退院をメインにしており、退院の許可が出たときの家族の言動で、色々と家族背景が見えてくることもあります。

今まで頑張ってきたけど、入院によって自由を手に入れた瞬間、患者が帰ってくることを疎ましく思う家族。
自分たちに迷惑がかからなければ、本人がどこに入所していても良いと考える家族。

家族背景は色々ありますし、本人が家族へひどい対応をしてしまっていたが故の今があることも理解しています。

そんな中で、僕が素敵だなと感じた家族を記載していきますね。


患者本人は70代の女性で、家族は夫しかいません。
呼吸不全があり、在宅酸素と介護保険(要介護1)を活用し、また夫の協力も得ながらなんとか生活をしていました。
しかし、あるときを境に、認知症の進行が著しく進みました。

本人は夫がいないと不安になり、叫びます。
そのため、夫はつきっきりで介護をしますが、夫の疲労はケアマネにも伝わります。
ショートステイやレスパイト入院を使用しながらなんとか半年間はやり過ごしましたが、自宅での転倒を気に、身体機能まで低下してしまいました。
夫の疲労はピークに達したときに、本人の病状も悪化したため、入院しながら施設を探すことになりました。

夫は面談時に
「本人が寂しくないように僕も施設に入る。自分1人が楽になっても意味がない。そんなのは夫じゃない。」
と力の籠もった目で上記の発言をしました。
夫は自立なので、施設に入る必要性は全くありません。
しかし、この発言にケアマネも含め、なんとか対応できるところを探すことになりました。

治療は半年にも及びました。この期間中に要介護認定の区分変更申請を行い、要介護5の判定を得ることができました。

そして、この介護認定を前提に再度自宅退院を目指すことになりました。
もちろん、夫へ多大な疲労がいくことは重々承知しています。
ただ、認知症が進んだとはいえ、自宅という環境は本人にとって何よりもかけがえのないもので、常に夫がいる環境でもあります。

今までのサービスでは夫を支えることはできないため、退院前に関係者が集まり、1時間の会議を経て、サービスを新しく組み直しました。

訪問診療と訪問看護、訪問介護、訪問入浴、福祉用具レンタル、シルバー人材センターを活用し、密なサービスの介入を行うことで、夫の負担軽減にも努めました。

すでに退院してから半年以上立ちますが、再入院はしていません。


家族の本人に対する想いは本当に人それぞれです。

行き過ぎた想いを持っている人もいれば、全く干渉しない人もいます。

それでも僕たちMSWは、患者にとって良い環境を様々な情報を基に選定していかなければいけません。

急性期病院のMSWは理論と実戦の解離に苦しんでいると思います。

僕も苦しむ時が多くあります。
でも、今回のような家族の時ぐらいは、少し時間を使ってでも想いを叶えてもいいんじゃないかな?

と思う今日この頃です。


更新が遅くなり申し訳ないです・・・

ではでは

MSWしょーん

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