インターホン

あるところに老夫婦が平和に暮らしていた
午後のティータイム、談笑にふけっているとインターホンが鳴った
出てみるとナイフを持った男がいた
「やい、金を出せ」
老夫婦は言われるままに金と貴重品を差し出した
「なかなか持っているじゃないか
では俺様は逃げる
通報するんじゃないぞ」
その時インターホンが鳴った
「まずい、警察か
お前らもう通報していたのか
とりあえず隠れさせろ
絶対に居場所は言うなよ」
とりあえず隠れさせて、玄関を開けた
すると明らかにヤクザの風体をした男が立っていた
「やい、お前は新海組のボスだな
死んでもらう」
男はどすのきいた声で言った
ナイフで老夫婦を刺そうとした瞬間インターホンが鳴った
男は狼狽する
「警察か、捕まったらまずい
親分にも迷惑が掛かってしまう
隠れさせろ」
男を隠れさせてから、玄関を開けた
すると今度は大柄なヤクザが現れた
「おい、ここは古山組のアジトなんだろう...」
男が言い終わる前にインターホンが鳴った
「こんな時に警察か、仕方ないどこかに隠れるか」
男が隠れたのを確認してから、玄関を開けた
助かった。警官だ
「さきほど新海組のボスがここに入りましたね?
出してください」
またインターホンが鳴った
「つけられていたのか
見つかれば私は殺される
お願いです、隠れさせてください」
老夫婦は警官を隠し、玄関を開けた
今度は隣に住む老人だった
「何やら騒がしいようですが、どうしましたかな?」
すると隠れてみていた警官がパッと飛び出し、老人を抑える
「やっと捕まえたぞ
お前は古山組のボスだな
観念しろ」
すると押し入れから新海組のボスが出てきた
「でかしたぞ。ヤツを捕まえたんだな」
しかし警官の姿を目にとらえ、青ざめる
「まさか警官とは
これは参った」
すると二階からヤクザの男が下りてきた
「ボスの声が聞こえたので来てみたが、警官が
ボス、大丈夫ですか?」
強盗まで下りてきた
「やけに騒がしいと思って降りてきたがどうなっている
老人は警察に抑えられ、ヤクザは手を取り合って喜んでいる
よくわからんが、とりあえず逃げるか」
その時インターホンが鳴った
老夫婦は玄関を開けた
そこにいたのはセールスマンだった
「お忙しいところすみません
近頃、物騒な世の中になってきました
そこでわが社の新製品
カメラ付きインターホンを紹介しに伺った次第です...」

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