サボテン

ある日、俺が大切に育てていたサボテンが女の子になった
原理は分からない
だが今まで通り手入れをしてやると、とても気持ち良さそうに体をくねらせる
それにしてもさすが多肉植物
なんだ体してやがる
股間のモノがムクムクともたげてくる
するとサボテンの女の子(長いからサボと呼ぶことにする)
サボは目を輝かせて近寄ってきた
股間のそれに興味を示しているようだ
「残念ながらそれは針じゃあないんだぜ」
優しく言ってやるとサボは膨れた
とても可愛い
すると手に痛みがあった
血が出ている
知らず知らずのうちにサボに触れていたらしい
こんなに愛しいのに触れることもできないのか
俺は悲しくなり、涙が出た
サボが俺の涙を舐める
俺は恥ずかしくて飛びのいた
しかし目を開けるとそこにいたはずのサボがいない
俺が大切にしていたサボテンがあるだけだ
あれは幻だったのか
右手の傷が残っている
水をあげたはずのないサボテンが水に濡れていた

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