先週の日記(2017年9月2週)

勉強して印象的だったこと

「アメリカ教育史: トマス・ジェファソンの辺り」

アメリカの教育政策は、シチズンシップ教育・政府と雇用者の求める教育・市民の求める教育、の3つの流れがせめぎ合って発展してきたそうな。2番目と3番目は似ている感じもするけど、この違いが顕著に表れるのが職業教育辺りで、政府と雇用者はこれを求める傾向があるんだけど、市民からすると職業教育はセカンドトラックなので、これとは違うより良い教育を求める(要は行けるものなら大半の人が東大に行きたいみたいな)傾向があるそうな。

あと、1番目と3番目は結構ぶつかることがあるらしく、例えば政策担当者からすると、教育は経済発展や自由や平等を追求するための手段なんだけど、人々からすると教育機会を通じて人より抜きん出たいという欲求(先ほどの東大の例)があるので平等な教育制度なんか求めていないというギャップは言われてみればそうなんだけど、ちょっと自分には新鮮な観点だった。

アメリカの教育政策は上のような感じで、民主主義の追求・国としての発展・個人としての利益追求、の三つ巴で発展してきて、公民権運動以降は三番目の勢力が圧倒的な勢いを持っているらしい。

日本は明治維新後しばらくは国学・漢学・洋学の勢力が三つ巴になりながら教育システムが発展してきたけど、戦後の日本はどうかな?印象的には、日本では人格の陶冶というアメリカにはあまり見られない第四の勢力が力を持っている感じもするね。

国際教育協力は2番目と見せかけて、その実ただ途上国政府がドナーからお金をもらって選挙対策をしているだけという点が否めないので、第五の勢力とでも言えるかもしれない、それは不幸なことではあるけど…。

「比較教育」

教員養成に関するペーパーを読んだけど、教員養成にお金をかけていない国でこそTeach for Americaみたいな団体が発生するという指摘はなるほどなと思った。確かに、シンガポールやフィンランドみたいに、教員養成は奨学金も出て学費もタダ、卒業生はほぼ全員教員になって、教員給与も高くて離職率が低い、といった国ではTeach forの出る幕はなさそうだもんね。Teach forがこれを埋める役割をしてるのは意義深いけど、これを必要とするような教員システムではまずいということらしい。

国際比較教育学会の会長の挨拶をいくつか読んだけど、国際機関のやり方がコンテクストを無視し過ぎということで叩きまくっていた。とは言え、世銀や国連で教育に従事している職員の大半はその教え子たちなんだけど、それってつまり(ちなみに私も国際機関を叩いていた会長の弟子(元世銀職員)の弟子なので、いわゆる孫弟子なんだよね)…。

RAの作業

今週のレポートに対する先生からのコメントが大分熱がこもっていたので、こちらも手抜きせずに頑張ろう。リベリアで教育の民営化に関するエバリュエーションが実施されたけど、確かに民営化された学校に通う子供の学力は高いんだけど、コストが高いのと、できない子供を公立学校に追いやった結果らしく、結論としてはダメなんじゃね?という感じだったらしい。まあ、そうやろね→結果

ケニアの私立学校はM-pesa(電子マネー)を使って授業料を徴収するので、従来のような徴収の遅れやとりっぱぐれの問題を解消したらしい。銀行振り込みを通り越していきなりモバイルマネーでとは、まさにリープフロッグ、恐るべしケニア。

日記

・ケニアに引っ越す日本人の方から車を頂いた。アパートの管理会社に駐車場の許可証を貰おうとしたら、車の登録を自分名義にしないとダメと言われる→登録を自分名義にするためには車の保険を買わないといけない→車の保険を買うためには国際免許証ではなくアメリカの免許を取得しないとダメというたらい回しの後に、筆記試験を受けに交通局に行き4時間待ってようやく受付に呼ばれたら、今日はもう遅いので出直せやと言われる。NYを離れてモントリオールやらマラウイに住んでいたのですっかり忘れていたけど、思い出した、これがアメリカだ。

・朝起きてプロテインバーを食べる→大学院で勉強→家で昼飯→授業→図書館で勉強→家で晩飯→図書館で勉強→ジム→プロテインを飲みながら図書館で勉強→家で寝る、を繰り返す毎日。ジムは筋トレの日・走る日・サンドバックを叩く&走る日をローテーションさせてる。先週は16キロ走った、何度も膝をやっているので、怪我防止のために月間100キロを目途にしたい。ベンチプレスは140キロで潰れて怪我をして半年間上げられなかったのがようやく治ったばかりなので、しばらくは高強度を追求するより、100-120キロを上げる回数を増やす方向で様子見したい。日本の国際教育協力の男性陣はマイナスイオンを振りまくタイプの方が多いので、自分は積極的に暑苦しさを振りまいていきたい。

サルタック・シクシャは、ネパールの不利な環境にある子供達にエビデンスに基づいた良質な教育を届けるために活動していて、現在は学校閉鎖中の子供達の学びを止めないよう支援を行っています。100円のサポートで1冊の本を子供達に届ける事ができます。どうぞよろしくお願いします。