畠山勝太/サルタック

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畠山勝太/サルタック

アフリカや南アジアでの国際教育協力を専門にしています。頂いたサポートは私が理事を務めるNGOの活動資金にしますのでよろしくお願いします。詳しい自己紹介はコチラ→http://www.sarthakshiksha.org/ja/who-we-are/staffs/sh/

マガジン

  • 国際協力について

    国際教育開発/国際教育協力、開発とジェンダー、開発政策を中心に、国際協力について思った・考えたこと

  • 教育政策・教育経済学について

    教育政策や教育経済学についての雑記帳。

  • 国際機関での仕事の話

    世界銀行本部での4年間、ユニセフ・ジンバブエ事務所/本部/マラウイ事務所での5年間の経験と、コンサルタントとして再び世銀・ネパール事務所に戻ってきた経験から、国際協力でのキャリア形成に役立ちそうな情報を掲載しています。

  • NGOの話

    ネパールの子ども達に良質な教育を届けるべく活動しているNGO、サルタック・シクシャに関連する話です。

  • 国際機関での仕事の話(個別記事)

    マガジンの「国際機関での仕事の話」を個別に一本100円で読むことができます。

最近の記事

それでもやっぱり女子教育も必要なわけ

そういえば2023年もそろそろ終わるな―という感じですが、日本に丸一年いたのは2007年以来になるので、感慨深いものは特に何もないですが、一年を〆とくかということで、12月頭に秋田の国際教養大学で行ってきた教育とジェンダーの授業記録を残して、2023年を〆たいと思います。下記の授業は全部英語でしたが、多分英語で書くと誰も読んでくれないので日本語にしておきます。 1. 世界に認識され始めた落ちこぼれ男子問題授業の内容に入る前に、以前記事を書いたこともあるので、少し寄り道をしま

    • たった一つの図からやいのやいの言ってみるPISA2022

      なんかここ数か月毎週出張に行って講義をしていて、一昨日も秋田の国際教養大学に行ってGender and Educationの授業をしてきたところですが、忙しすぎて話題に乗り遅れましたがPISA2022の結果が出ましたね。もう既に色んな人がやいのやいの言っているので、普通のことを言っても何も面白くなさそうです。というわけで、今回は報告書の中にある沢山の図表の中からたった一つの図だけ使うという縛りをかけてどこまで言えるかやってみたら楽しそうなので、そんな感じで私もやいのやいの言っ

      • 弱者男性が救われる日は…多分来ない

        はじめに2017年にアメリカのいわゆる落ちこぼれ男子問題に焦点を当てた記事を書きましたが(アメリカの「落ちこぼれ男子問題」は日本でも火を噴くか?)、この落ちこぼれ男子問題を放置した結果、米国でいわゆる弱者男性が生み出され続けています。 そして、この弱者男性問題を取り扱った、Of Boys and Men: Why the Modern Male Is Struggling, Why It Matters, and What to Do about Itという本が昨年出版され

        • 国際機関の面接でビデオ録画させられた話

          こんにちは。先日のことですが、国際機関の面接に久しぶりに呼ばれたのですが、その形式がPre-recorded video interviewという今まで一度も遭遇したことが無いタイプのものだったのですが、ググってみた感じ、この形式の面接の解説記事もあったりするぐらいポピュラーになりつつあるようなので、この経験と学んだことを書き残しておこうと思います(勿論、面接の内容は守秘義務を課せられているので、今回はあくまでもフォーマットに焦点を当てた記事です)。 まあしかし、私が国際機

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        記事

          憧れを捨てて、勝つことだけを考えていきたい

          WBCの日本代表凄かったですね。最後、オオタニサンが大リーグを代表する大打者でありエンゼルスのチームメイトでもあるトラウトを三振にきってとったのは出来過ぎでしょと思いましたが苦笑。名場面は幾つもありましたが、個人的には大谷選手の決勝前のスピーチがとても刺さりました。日本代表のTwitterにも挙げられていた下記のものですね なぜ刺さったかというと、今の自分と日本の課題にドンピシャだったからです。今日は少し、自分が憧れていた人、日本の課題、今後自分は何をしていくかを書いてみよ

          憧れを捨てて、勝つことだけを考えていきたい

          アフガニスタンで女の子達が学校へ行けなくなったのは遠い国の話ではなく、この記事を読んでいるあなたにも責任があるんだぞ、という話

          タリバンがダメダメな理由アフガニスタンでは既に、女子の中等教育へのアクセスが停止されてしまっていましたが、ついに高等教育へのアクセスまで停止されてしまいました(ニュース)。まだ中等教育の停止は許容範囲内でしたが、高等教育の方は超えてはいけない一線を越えた感じがあります。 一つ目の理由ですが、国際教育協力では中等教育の空洞化などと言われたりしますが、ドナーの支援も初等教育か高等教育へ行きがちで、その中間である中等教育はおざなりにされたりします。ただこれは、経済成長や貧困削減の

          アフガニスタンで女の子達が学校へ行けなくなったのは遠い国の話ではなく、この記事を読んでいるあなたにも責任があるんだぞ、という話

          教育ローン返済免除の日本での報道が酷過ぎるので、ニートが解説してやるよ

          ミシガン州立大学に博士論文を無事提出して15年ぶりに帰国しました、畠山です。Ph.D. in Education Policyって、日本語だと学術博士(教育政策)でいいんですか? そんな質問の前に、お前何で帰ってきたんだ?というツッコミもあるかと思いますが、まあ端的に言えば仕事が見つからなかった&土壇場でビザの関係で内定が消えたという事で、どうもニートです。就活もろくすっぽせず毎日隣町のBMDジムに行ってパワーリフティングの練習をしている元気なニートです。 そんなニートが

          教育ローン返済免除の日本での報道が酷過ぎるので、ニートが解説してやるよ

          キャン・ユー・ブレス?

          アイ・キャント・ブレス(息が出来ない)、という言葉を遺してジョージ・フロイドさんが警官達に殺されて、BLM運動が全米どころか海を越えて広がったきっかけの地にやってきました。 今年は比較国際教育学会(CIES)がミネアポリスで開催されるのを知った時に、ミネソタ・ツインズのマエケン投手が見たい!、よりも前に、ジョージ・フロイドさんが殺害された地(ジョージ・フロイド広場と現在では呼ばれています)を見に行こうかどうかの迷いの方が先に来ました、ほ、本当なんだからね!しかし、実はミネア

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          今年気になったアメリカの教育ニュース

          頭が働かず、この状態で博論や就活や本の執筆をすると危険なので、頭を使わない作業として、今年気になった教育ニュースをまとめておこうと思います。 なぜ頭が働かないのかというと、39.5Cの熱が出て、オミクロン株をついに拾ったのかと思いきや、咳も鼻水も出ていないし鼻も喉も大丈夫で、ただ高熱が出て腹痛で一日トイレに籠っていたので、これはあれですね、途上国あるあるの食中毒。雨季のネパールならまだしも、冬のミシガンでなぜ・・・? 1週間休み。 ①バイデン政権の新型コロナ対応バイデン

          今年気になったアメリカの教育ニュース

          インディアンの子供達を「殺した」教育ーアリゾナ日記第3夜

          前回・前々回と、インディアン寄宿学校の成り立ち・インディアン寄宿学校に関連する教育政策について説明してきました。今回は、実際にインディアン寄宿学校で何が行われていたのかを、教育史の授業のノートを基にあれやこれや書いていきます。今回も前回同様に時間が無い方は、Education for Extinctionを読んでもらえば大体の事は分かります。 全体に共通することなので先に言及しておこうと思いますが、前回述べたように、インディアン寄宿学校のモデルは刑務所であったため、学校・学

          インディアンの子供達を「殺した」教育ーアリゾナ日記第3夜

          インディアンの子供達を「殺した」教育ーアリゾナ日記第2夜

          前回は、アメリカン・インディアンの子供達を殺す舞台となったインディアン寄宿学校が成立することになる、教育政策的な背景とインディアン政策的な背景を簡単に解説しました。今回は、 ①インディアン寄宿学校の成立 ②インディアン寄宿学校のシステム の2点に焦点を当てて話を進めていきます。 今回も教育史の授業のノート&プレゼンを基にあれやこれや書いていきますが、授業で沢山参考文献を読まされましたが、時間が無い人は「Education for Extinction」さえ読んでもらえ

          インディアンの子供達を「殺した」教育ーアリゾナ日記第2夜

          インディアンの子供達を「殺した」教育ーアリゾナ日記第1夜

          さて、インディアンの子供達を殺した教育から、現代への教育政策的な示唆を得ようというこのシリーズですが、今回はその教育政策的な背景を中心に、アメリカン・インディアン政策的な背景も紹介していこうと思います。教育政策的な背景は、授業のノートを基に話を進めていきますが、授業では数多くの論文と本を読まされましたが、その授業を担当したSedlak先生が執筆した「Education in the United States : an interpretive history」を読んでおけば

          インディアンの子供達を「殺した」教育ーアリゾナ日記第1夜

          インディアンの子供達を「殺した」教育ーアリゾナ日記第0夜

          0.0 インディアン寄宿学校で見つかった215人の子供の墓地カナダのインディアン寄宿学校の跡地から、215人もの子供の墓地が見つかったことが大きなニュースとなっていました。アメリカ教育史を授業で取った人なら、 ①インディアン寄宿学校でメチャクチャ死亡児童が出たこと ②当時の交通手段や通信手段の問題などから亡骸が故郷に戻る事無く埋葬されたケースが一定割合存在していること(そしてそれは往々にして埋葬されてから親に知らされた、ないしは長期休暇や卒業の時期になっても戻ってこない我

          インディアンの子供達を「殺した」教育ーアリゾナ日記第0夜

          大学で分断された女性達ーOur Boys Matter

          今回の日記は、ミシガン州議事堂の前で行われていた共和党支持者たちの集会を社会見学していて、米国の白人女性達の間にある大学に由来する深い深い分断を象徴するOur Boys Matterという印象的な言葉を聞いたので、それに関する日記です。まず私の社会見学の文脈を理解してもらうために、余談から始めようと思います。 0. はじめにー州都にある名門州立大学アメリカへの大学院留学というと、カリフォルニアのどこかか、東海岸IVYリーグを思い浮かべがちですが、ちょっとそれらとは異なる視点

          大学で分断された女性達ーOur Boys Matter

          クラウドファンディングで調達した学習教材を届けました

          クラウドファンディングで調達した学習教材1680セットをネパールの子供達に無事届けました、ご支援頂いた皆様ありがとうございました(お礼の報告書を急ぎ作成して送付させて頂きます。また現地のFBでの報告はこちら)。学習を保障する為のここからのモニタリングが鍵なので、現地スタッフには引き続き頑張ってもらいます。 若干の遅れが出た原因が現地での大雨による土砂崩れで、去年も調査中に洪水にあったし、アフリカ駐在でも感じたけど、気候変動が子供達の学びに悪影響を与えているのをひしひしと感じ

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          バイデンでは癒せない米国の分断とハイパーバトルサイボーグ達

          米国の大統領選挙も終わり、留学生・国際協力の立場からすると、バイデン次期大統領が誕生したのは大変喜ばしい事です。しかし、獲得代議員数だけを見るとバイデン次期大統領が圧勝したかのように映りますが、単純な票数だけ見れば、なかなかの接戦でした。 トランプ政権誕生の背景にはリベラルと反リベラルの分断があり、トランプ政権下でこの分断は一層深刻化したと言われています。では、バイデン次期大統領はこの分断を癒すことができるのでしょうか? 私は、分断が一層深刻化することはあっても、これが癒

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