ユニセフ退職のご挨拶

ユニセフ・マラウイ事務所を退職しました(有給があるので身分上は8月末まで)。世界銀行・ユニセフと、23歳からの約10年間を無事に国際機関で勤め上げることが出来たのも、日本とネパールにいる知人達や、さらにワシントンDC・ジンバブエ・NY・マラウイと行く先々で出会った方々から、多大なるご支援を頂けたお蔭です、どうもありがとうございました。

中学生の時に同級生に、「真の強さとは、その力をもって人を従えることではなくて、困っている人たちにその手を差し伸べられることだ」、と言われて国連職員になることを決意して、電車が一時間に一本2両編成のものが来るだけのど田舎から出たこともなかったのに、実際に国連職員になって世界各地でそこそこ活躍したのは、自分でも頭が良いのか悪いのか良く分からない所があります。ただ、これからも自分の力を必要とする子供達がいる限り、これまでとは違う立場からになりますが、真に強い人間になれるように頑張ろうと思います。

これからですが、8月半ばに渡米して、ミシガン州立大学で教育政策と教育経済学のダブルメジャーで博士号取得を目指していきます。ここを選んだ理由は、ハーバードとかがカネのかかる修士課程からしか合格を出してくれなかったからというのもありますが、

①国際教育協力に強いー必修に国際比較教育政策の授業があるし、今年の博士課程入学者5人中3人が国際協力畑出身で、残りの二人がアメリカ人

②計量分析に力を入れているー教育経済学のダブルメジャーでなくても、一年目の教育政策分析の通年のクラスで、Wooldridgeをやりきります。教育経済に進む学生は2年目からはWooldridgeがディレクターを務める教育経済学コースに進んでいきます

③国際機関に強いー教育経済学コースに進むと、毎年世界銀行があるワシントンDCにコースのお金で連れて行ってもらえるようですし、私の指導教官になる人はユニセフのリサーチアワードを受賞したことがあるだけでなく、ユネスコとも色々仕事をしているので、卒業後に国際機関に戻りたいなら戻りやすそうな感じがします

④物価の割に待遇が良いー5年間は授業料+健康保険料+月に約2000ドル手取りでもらえて、DC訪問+年二回の学会参加の費用、夏のリサーチファンド、年に一回研究に関する物の購入費も出してもらえるので、furnishedでutility込の寮が月に1000ドルもしないことを考えると、悪くはないかなと思います。

といった辺りでしょうか。ただ、これらはどちらかというと後付けで、私を国際教育協力の道に誘ってくれた東大教育学部の同期がここで一足…、いや二足以上先に博士号を取得しているのと、出願前に大学訪問した際に航空券+宿泊費まで出してもらって、3日間学生や先生とみっちり面談を入れてくれたからというのが本当のところかもしれません。

今のところは、PhDの4・5年目あたりに国際機関のbest fitの多少シニアなポストに絞って応募をして、ダメそうであればポスドク・テニュアトラックのアカポスを目指そうと考えています。もちろんチャンスがあれば、また自民党の公募にも挑戦したいところですが、こればかりは運による所が大きいので、神のみぞ知る所ですね。もちろん、自分が携わっているNGOのサルタック・シクシャの活動の深化・拡大も大きな目標の一つです。

進学後も時間を見つけて執筆活動や、教育経済学の知見を活かした研究にスポットコンサル的に携わっていこうと思うので、どうぞ今後ともよろしくお願いします。

サルタック・シクシャは、ネパールの不利な環境にある子供達にエビデンスに基づいた良質な教育を届けるために活動していて、現在は学校閉鎖中の子供達の学びを止めないよう支援を行っています。100円のサポートで1冊の本を子供達に届ける事ができます。どうぞよろしくお願いします。