鶴の恩返し

現在インドのムンバイの教育調査の準備をしているうちの研究室(インド人の指導教官+インド人の同級生A&B+日本人先輩+私という構成)の先週の一コマ

A「なんでネパールを研究対象にしたん?」

私「私、学部から修士に直接進学したんだけど、途上国に行った事もないし、語学も出来ないのに、研究は出来ると思い込んでいたんだよね、傲慢でバカでナイーブだったから」

B「そら酷いな。手法がどれだけしっかりしてても、文脈を理解できていなかったら、酷い研究になるのは世銀がちょいちょいやらかしてるのにな」

私「せやな。でも、博士課程にネパールからの留学生がいて、共同研究に誘ってもらったり、現地調査でのロジとか助けてもらったお陰で、なんとか修士論文も書けたし、それで世銀にも行けたんや」

A「ついてるなー。」

私「運も実力のうちやからな、苦笑。その先輩はその後、ユニセフネパールの教育専門家になるんやけど、ローカルスタッフの考え方や動き方を教えてもらったお陰で、私もユニセフのインターナショナルスタッフとしてトントンと出世できたんや」

A「確かに、外国人スタッフは、言語も出来ないし現地のコネもなくて、プロジェクトを回せるわけでもないのに、給料高くて偉そうな感じ悪い人もいるよね」

私「でも、給料が高いというのはやはりポイントで、その先輩PhD持ってるから別の国事務所でインターナショナルスタッフになれるだろうし、その方が二人いる自分の子供にもええ教育を受けさせれるから、一旦ネパールを出て別の国で経験を積むべきだと助言するんだけど、聞かないんだよね。ネパールの教育を良くしたいからって」

A・B「熱い人やね」

私「やから、自分も研究を通じてネパールの教育に貢献するのが、先輩に対する最大の恩返しやと思うから、ネパールを研究しているんだよね。先輩がその情熱を捨て去る日が来たら、私もインド研究にシフトするから、一緒に色々とやろう」

A「でもネパール人って、穏やかな人が多いからいい国だよね。インドに来たら大変だよ、ネパール人のような穏やかな人はインドにはいないから!!」

私「でも、インドはネパールと違って官僚にキャパがあるから、働くならインドの方が良いと思うな」

B「インドだと国際機関がかなりないがしろにされてて、官僚との面会のために何時間も待たされたりするからね。国連は理想的すぎてダメだとか言ってるし」

元国連職員の日本人の先輩「それは国連機関側に問題があると思うな。だって…」


そんなネパール人の先輩が久しぶりに来日して、水曜日に神戸でネパールの教育について話してくれるので、お時間のある方は是非どうぞ!参加登録は下記のリンクからできます。私も、どちらかというと博論の内容を先輩に相談するような形のプレゼンをしますので、興味のある方はどうぞ!

https://coubic.com/sarthakshikshajp/166137

サルタック・シクシャは、ネパールの不利な環境にある子供達にエビデンスに基づいた良質な教育を届けるために活動していて、現在は学校閉鎖中の子供達の学びを止めないよう支援を行っています。100円のサポートで1冊の本を子供達に届ける事ができます。どうぞよろしくお願いします。