ネパールの教育現場を見てきた話①

うちのNGOの現場を視察に行ってきました。普段から活動報告はNGOのFBページでしているのですが、少し専門的な見解も交えて視察報告を簡単にしようと思います。

上の写真は、サルタック学習センターの様子です。遅刻してくる子が多いので、暗くなる前に撮ったこの写真では人数が少ないですが、毎回30人程度の子どもが来ています。うちのNGOでは貧困層の母親を対象とした識字・計算・職業訓練の教室を実施していて、この学習センターは母親たちが教室にいる間に子どもたちの学習支援をしようというものです。とは言うものの、学習センターの評判が子どもたちの間に口コミで広がって、母親が教室に来ていない子どもも学習センターに来ているというのが実情です。

学習センターでは、まず子どもたちの衛生・健康状態チェックをします。不衛生な環境が多い途上国ではこれは効果的な取り組みだと思います。次に、子どもたちの宿題チェックをします。これも重要な取り組みだと思います。途上国の貧困層の子どもたちの行動パターンを見ると、学校には行っているものの教育の質が低いため学校で特に何も学んでいない→学校から帰ると家事手伝い→それが終わると既に暗闇で宿題が出来ない→翌日学校へ、という悪循環に陥っているケースが見られます。なので、せめて子どもたちが宿題をこなせるように支援してあげることで、この悪循環を断ち切ることができます。

上の写真は正にファシリテーターが宿題を見てあげている所です。しかし、この活動にも課題はあります。まず、小学校入学前の子どもたちが学習センターに来ていることです。母親が教室にいる、年長の兄弟は学習センターにいる、ということで幼い子どもを家に置いておくわけにはいかず、学習センターに来ているようです。しかし、これらの子どもは当然宿題などないので、年長の兄弟が宿題をやっている間、手持無沙汰になります。大人しくしてくれていれば良いのですが、ボランティアの方に調査を頼んだところ、この幼い子どもたちは年長の兄弟が宿題をしているのを邪魔してしまうようでした。

この問題の解決策として、私がSYNODOSで解説記事を書いたように就学前教育は非常に重要なので、小学校入学前の子どもを対象とした学習センターをもう一クラス開講するというのが効果的であると考えました。学習センターは放課後の学校を活用させてもらっているのですが、この学校に幼稚園も併設されているので、その幼稚園の先生にお願いしてそのクラスのファシリテーターになってもらおうと考えています。大体年間5万円あればファシリテーターへの謝金は支払えると思うのですが、現在のうちの財政状況だとこれすら支払えないのが現状です。。。この記事を読まれた方のご支援を頂ければ幸いです。(続く)


10月10日にサルタック活動報告会兼セミナー「震災後ネパールの教育のために日本の市民社会ができること」を開催します。教育政策や国際協力の国際的な潮流を踏まえたお話をさせて頂くのでぜひご参加ください!お子様連れも大歓迎です!

FB: https://www.facebook.com/events/469122606625663/

HP: http://www.sarthakshiksha.org/ja/seminar20151010/

参加登録: https://ssl.form-mailer.jp/fms/446e6174389898

サルタック・シクシャは、ネパールの不利な環境にある子供達にエビデンスに基づいた良質な教育を届けるために活動していて、現在は学校閉鎖中の子供達の学びを止めないよう支援を行っています。100円のサポートで1冊の本を子供達に届ける事ができます。どうぞよろしくお願いします。