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起業した理由やその経験を経て得たものとは?激動のエンジニア人生|神谷亮平氏インタビュー後編

5つの会社を経てスタートアップや起業を経験し、現在はリーウェイズ株式会社でCTOをされている神谷亮平さんとコデアル株式会社CEO愛宕翔太の対談インタビューの後編

前編はこちら↓


<神谷亮平プロフィール>
2007年 製造業系のメーカー入社、社員として働く
2012年 ソフトウェアのメーカーに転職
2013年 株式会社ログバーのCIOとしてスタートアップに参画、指輪型ウェアラブルデバイス「Ring (リング)」の開発に携わる
2016年 株式会社LABBIZ(ラボビズ)を設立、CEOとして働く
2018年〜現在 リーウェイズ株式会社 Chief Technology Officer (CTO)として働く
@shotaatago プロフィール

即戦力エンジニアのあなたに、複業案件のスカウトが届くハイクラス複業案件サイト「コデアル」を運営中。コデアル株式会社社長。中卒の父に感謝してます。 東大発ベンチャーで働きつつ、学費を稼ぎながら、東大卒→ヒモ→24歳でコデアル社創業→事業売却→上場企業クラウドワークスへM&Aにてグループ入り。

今回の記事の動画はこちら


勘違いで起業した?会社を作った理由とは

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愛宕)ログバー(株式会社)の後に、一度自分で会社を作られたんですよね?

神谷)はい、そうです。

愛宕)起業された理由というのは、起業家の支援をしているから自分も起業家になろう、というような理由だったんでしょうか?それともそういう理由ではなかったんでしょうか?

神谷)当時、私はエンジニアの採用の担当なども行っていたんです。「Ring」という製品自体はそれほど売れなかったということもあって、お金も節約しないといけないという中で、誰を会社に残すかという話なども出るわけです。

そうなった時に、これまでの実績などを考えて、代表としては僕に残ってほしいみたいな話をするわけです。

でも、私は自分が採用した新しい人を入れたいと思っていたんです。自分よりもこの人の方が次のプロダクトでは活躍できると思っている人がいたんです。

私はエンジニアだから、その人と自分を比較してどっちを残すかと考えた時に、次のプロダクトにはこの人の方が向いていると分かるんです。

ですから、私が身を引きます、という話をしたんです。こういった経緯から
もしスタートアップがうまくいかなくなった場合に、自分が招き入れた人の受け皿になるような会社だけでも持っておきたいと思ったんです。

愛宕)何があるか分からないですからね。同じようにスタートアップをやらせてもらった立場からすると、よくわかります。

神谷)だから、キャリアの空白を作るというのは申し訳ない、と思って会社を作ったんです。

色んなスタートアップでチャレンジしようと思っても、チャレンジする前に
機会がダメになってしまうこともあると思うんです。

例えばスタートアップへの転職が決まったタイミングで、内定だけ出されていても、やっぱり「内定取り下げます」とか「お金が無いのでやっぱり採用やめるよ」みたいなことを言われると困るわけです。

愛宕)スタートアップは事業がまだ安定してないので、そういう状況が起こることもありますよね。

神谷)そうですね。やっぱりこういうことがあると双方にとって不幸だなと思います。新しいチャレンジをしたいという人が、そういった不幸な目にあうのは嫌だなと思ったので会社を作りました。

でも結局、招き入れた人は皆さん優秀で、そうなってもどこにでも行けるような方ばかりだったので、勘違いで会社を作ってしまったような感じです。(笑)

起業して分かったこと、どこに楽しさを感じるか

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愛宕)それまではスタートアップに飛び込んだ経験はあるものの、経営したことは一度ないですよね?そういった中で会社を作ってみてどう感じましたか?

神谷)私は、新しいことをどんどんやっていくのが好きな人間なんですよ。なので起業する中で、全然経験したことがないものを経験できて、どんどん楽しくなりました。

愛宕)それは新しいものを開発できるという意味なのか、そうではなくて
経理や手続きなど新しい業務が色々出てきて、それに触れることになるという意味なのかどちらの意味になるんでしょうか?

神谷)どちらの側面もありました。例えば、会社を設立する時には、役員報酬を決める必要があって、三か月以内に決めないと自動的に税金かかってしまうであるとか、色々な社会の仕組みというのを学べたというところもその一つです。

会社員時代は、何でこんなつまらないルールあるんだ、と思ってるようなものもあったんですけど、そういうものも全て国の法律で決まっているからだと知れた。

そういった基本的な制約のある中で、より良い仕組みをどう作っていくか
というところに目が向くようになったのは新しい発見で良かったです。

あとは、自らのお金を投下して、時間的制約、金銭的制約がある中で、いかにバリューがあるものを作っていくかというのもスリリングで楽しかったです。

愛宕)神谷さんはログバーの時の経験も、会社を作ってみたという経験でも
「楽しい」ってワードを使われてますよね。そういった新しいことを楽しめているのが凄い素敵ですし、いいなと思いました。

同じような経験をした時に「それ本当に楽しいですか?」みたいに感じる人もいると思うので、そういった経験を楽しめるっていうのはすごく強いと思って聞かせてもらってました。

神谷)ありがとうございます。自分のためにやるというか、他の人から求められて、そのニーズに答えるっていう働き方が多分楽しいんだと思います。

愛宕)神谷さんの話にとても共感したので、自分の話を少しだけさせてもらいますと、実はコデアルという会社も元々色々な事業をしていたんです。

しかし、ことごとくうまく行かなかったんです。それはなぜかというと、自分本位だったからなんです。自分がこの事業やりたいとかだけだったので。

でも、今行きついたコデアルという事業は、簡単にいうとエンジニアのマッチングというようなサービスになるんですが、これはやっぱり明確にお客様から求められてたんです。

自分のためにやってても、他の人から見ると求められてないからうまくいかない。

起業の最初の時は私も特にそれが強かったので、神谷さんの話を聞いていて、求められるところに答えていくことが楽しいという感覚にすごく共感していました。

起業した経験は現在の会社でも活きている?

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愛宕)現在はリーウェイズ株式会社でCTOをされていると思うんですけど、起業した経験は今の会社でも活きていますか?

神谷)はい、活きてますね。まず、契約書をしっかり読めるようになりました。起業した時に、契約書でどんなポイントを見ないといけないかなどを、顧問弁護士に色々教えていただきました。

今は会社の法務みたいなことも一部やっているので、この経験はそういう部分に活きています。

もちろん採用の経験ですとか、予算をどのように割り当てるかとか、どうやってチームを作っていくかとか、そういう目線を経験できたこともあるので、それは今も役立っていると思います。

愛宕)なるほど。 ログバー株式会社でのスタートアップの経験やご自身の経営経験が今も活きていると考えると、神谷さんの経歴の点と点が線で繋がっているように感じますね。

それは意図的にこういう経歴を歩まれたんでしょうか?

神谷)いえ、完全に偶然ですね。会社を作るという人で計画を緻密に立てる人もいるとは思うんですけど、無計画でとりあえず会社を作るぞ!みたいな人も多いと思うんです。

愛宕)僕もその一人ですね(笑)

神谷)とりあえず行動しながら考えるというか、基本は飛び込んでみるのが
私の性格です。

ただ、そういうやり方が良いフェーズとそうじゃないフェーズというのがあるとは思っています。

現在の、リーウェイズという会社を大きくしていくというフェーズだと、今度はしっかりと計画を立ててやっていくようなステージにいるなと思っています。

小規模の企業への転職を考えている方への言葉

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愛宕)最後に是非、神谷さんに一言いただきたいことがあるんです。一定の規模の上場企業であるとかしっかり利益が出ていて安定したサラリーがある
会社で働いているけれども、規模が小さい会社に転職しようか考えている人も一定数いると思っているんです。

そういった人たちに向けて、まさにそういった経験をお持ちの神谷さんから
一言いただいて終われたらと思うんですけども、何か一言いただくことできますか?

神谷)正直、責任取れないなって思っちゃいますね。そういう風に迷っている人というのは、人の意見を聞いてそれで転職を決めるのかなって思っちゃいます。

誰かが言ってたから決める、ということはないと思っています。逆に言えば
そういう人は転職するのはやめた方がいいと思います。本当にやりたいんだったら、迷わずやればいいんです。

愛宕)なるほど。行くなって言われても行くような人が行くべきであるということですね。

神谷)そうですね、迷ってるんだったらやめたらいいと思います。

愛宕)「迷ったら行くな」、最後に本音の素晴らしい一言をいただけました。

神谷)迷わない人が飛び込むんだと思いますね。

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