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2,バンド活動再開する上で気を付けてる事

僕がバンド活動を再開するにあたって
改めて気をつけていこうと思う事を書いてみる。


・人間関係

これはバンド活動を続けていく上で当然重要視しなくてはならない部分だけど、

相手を尊重する、思いやるというのは当然の当然。

ただ難しいのがバンド内の力関係による発言力の差。これが問題になってくる。

僕の場合はバンド内でクリエイティブな部分をかなりの割合で担う事が多かった。
あるバンドでは歌、演奏(場合によっては他メンバーの代わりも)、ミックス、マスタリング、レコーディング、作詞作曲、編曲、イベント制作、企画制作、撮影、動画編集などこれらを1つのバンドで全て行っていた事もあった。

すると段々と僕自身がそう思っていなくても僕の発言力が増してくる。
「あれやりましょう」
「これやりましょう」
「こういうのどうですか?」

僕としては提案をしているつもりでも、
他メンバーからすると「やれ」と言われている気分になる。

僕はフラットに接しているつもりでも他メンバーからは高圧的に感じていたのだった。

ここをしっかりと汲み取る能力が当時の僕には無かったので
今回からはしっかりとしつこいほどでも
お互いが年齢関係なく対等な関係であると強調していく必要があると感じている。

ただし他メンバーに同じ仕事量を求める事は対等な関係とはまた違うと思っているので、
そこはやれる人間がやれる事をするだけで良いという認識でいる。

・活動ペース

活動ペースの擦り合わせも非常に重要だ。
毎日動けるのならそれに越した事はないけども、
仕事をしながらバンド活動をするメンバーもいるし学生のメンバーもいたりする。
誰もが同じくらいのバンドに時間を使う事が出来るかというと
実際のところはそうでないパターンが多い。

なので実際に会う活動(リハーサルやライブ)などは月1〜2回くらいのペースで考えつつも、
それ以外の部分でオンラインミーティングを頻繁に行ったり
各々が自宅でレコーディング出来る環境を整えておけば、直接会わなくても音源作成まで可能になる。

実際に会わなくては分からない事(ライブの演出の詰めやアレンジの細かい擦り合わせ)以外は
なるべくオンラインで済ませるようにするのもお互いのプライベートを尊重する事に繋がるので非常に重要だと考えている。

「週5回はリハーサルやらないとバンドはダメだよ、○○とか有名なバンドもそうしてるんだから俺たちもやるべきでしょ」と言われた事もあるけど、
気持ちは分かるけどそれを人間関係を良好に保ちつつ継続できるほどのリーダーシップ(器)がその人の中に無いと成立しないと思うので難しい。

精神論ではなく、
なるべく低予算、短時間でも効率良く続けられるかが弱いバンド(始めたてのバンド)の戦い方なのだと思っている。

なぜならバンドは長く続けないと結果が出ないから。

・目標の共有

バンドでどの目標に行きたいかというのも共通して設定しておくのも非常に重要だと思う。
メンバーの中に「バンドで収入を得たい(プロになりたい)」「別に趣味で良い」など
目標がごちゃごちゃになってしまっている場合は上手くいかない事が多いと思う。

プロになる→どこまで?→平均集客20〜30人→100人ワンマン→300人ワンマン→800人ワンマン→フェス出演→フェス常連など

具体的な目標を立てて一つずつクリアしていかないと、それぞれの段階で何をするべきかが見えてこないし行動も出来ない。

この目標をより明確に具体的にしていく必要があると思う。

また趣味バンドなら「毎回集客20人」とかでも十分立派な目標だし素晴らしいと思うので、
目標の規模が大きければ偉いというわけではないのでそこは本当にメンバーとしっかり意識の擦り合わせが必要で
しかも定期的に行っていく必要がある。

・言葉ではわからない「意識の差」

結果として僕の場合は人間関係というよりはモチベーションの差から来る方向性の違いで問題になる事が多かった。

実際の経験談としては、
趣味くらいの感覚でやっていたメンバーがある日「俺、プロボーカリストになりたいんで色々と教えてほしい」と言ってきた。

趣味でやってるレベルなら別に彼に何かを言うことは無かったのだけれども
プロになりたいと言われてしまっては話が変わってきてしまう。

僕はお節介にも彼に
「プロになるために必要な考え方、心構え、するべき行動」
などを偉そうに熱弁してしまった。
伝えた内容は自分としては当時から本当に思っていた事だし、
それくらいの行動力を持っていないと音楽で飯を食うという事は出来ないと今でも思っている。

「プロになりたいならまずは1人でこういう企画を打ってみよう」
「これが出来る頃にはマジで歌も上手くなってるしファンも付くようになるから頑張ろう!」

こういった提案をし、歌の録音からピッチ補正まで全てレクチャーしたりした。
メンバーだけど可愛い後輩だったので全力で応援しているつもりでいた。

だけど僕は人生経験不足ゆえに
「プロになりたい」という言葉1つの中にも
月とスッポンくらいの意識の差があるという事を想像できていなかった。

僕としては「提案」のつもりだったので
代案があれば全然そっちで行動してもらって大丈夫と思っていたのだけども
本人には前述の力関係があったので強制的に聞こえてしまったのだろうと思う。

結果、その後輩から「あの人怖いから辞めさせてほしい」という話になり
バンド側も代表がその後輩ととても仲が良かった事もあり僕を切るという結論になった。
(バンドの仕事の8〜9割くらい僕がやってたけど)

ただ残念ながらその後そのバンドは1年くらいで解散。
理由はここには書けないけどその後輩にも悪い結果になる前に寄り添ってあげる事が出来なくて残念に思う。

今思えばどんなにペースが遅くても本人の自主性に任せてやってもらうべきだったと反省しているし
「プロになりたい」という言葉を真に受け過ぎない方が良かった。

後で知ったけど彼の言う「プロになりたい」とは
フリーターではなく就職も視野に入れたプレッシャーもある中で、
ある種現実逃避的な意味も含めた比較的軽い気持ちで言ってみた言葉だったように感じる。
少なくとも「数万人とも競合ひしめく中で勝ち残って自分の歌で生きていきたい」という意味の「プロになりたい」発言ではなかった。

ここを見誤ったのは完全に僕のミスで
もっと優しく寄り添ってあげる必要があったと思う。

こういった経験も踏まえて
今後はもっとメンバーに対しても意思の確認や擦り合わせというのが必須になってくると感じている。

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