読了「『南京事件』を調査せよ」

(清水潔・著。文春文庫。2016/8/25発売)
2021/8/28(土)夜読了。honto電子書籍にて。
★4of5 ※★の数は個人の感想です。

テレビ番組にもなった南京虐殺事件のドキュメンタリー。
記録をどうたどるか、どういった責任で取材等を整理して発表するか、本件に限らず、いつまでも無くしてはならないものと思う。

スタンスとか主義主張とか思いとかは、事実に基づいていないと、何の重みも無い。

時間が経つと、人の記憶は少しずつおぼろげになってしまう。
しかし、時間が経たないと、取材が難しいことがあるのも、社会の中に生きる人間の、一つの側面と思う。

いくらか著者本人の叙情的というか感情面のようなところが見え隠れすると、ドキュメンタリーや事実としての側面として、読む側が寄せる信頼の拠り所が少し揺らいでしまう気もして、そこが★5of5にしきれなかった点だけど、それも人間が取材して本やテレビに仕上げる、人間だから、それでいいのだと思う。

何より、「戦争はいかん」と、戦争を経験した人が言う姿が本書にもいくつも見られて、
当たり前だが、改めて、戦争はいかん、ということを、さらに今後もずっと当たり前にしていかねばならない、そう痛感した。

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