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昭和30年代に破綻していた戦後の北海道政策

昭和30年代の北海道政策とかのレポートを読むと、戦後の過剰人口と食料不足という2点において何をどう北海道で行おうとして、それが昭和30年段階でもうまくいっていないのか検討しているけど、人口減少ばかりが取りざたされる今の時代と違いすぎて同じ国でも70年の間にここまで変わるのだなと感じさせられる。ただ戦後に建てられた食料不足解消と過剰人口の移住先として昭和30年代の段階でも成果としてすでに北海道の政策は頓挫しているのがわかっただけでも色々と感慨深い。もともと舗装されていないと積雪時と雪解け時にほぼ移動手段として道路が使えないということで、鉄道の優位性があったという話があるものの、だからこそ道路を整備すべきであるという話が出ていて、それは推進された結果として鉄道の優位性が低迷するというのは配慮されていなかったり。国鉄民営化を唱えているチームとしては、どこまでそこを予想していたのかな。

てか戦後の第一計画がほぼ人口増加も、食糧生産増加も達成できていない、当時で800億円かけたのに港もほとんどできない(全部予算を均質に配分したら、進捗悪くて全部漁港さえ完成しないという...)、林業はほぼ乱伐に近い状況で、植林さえしない、という状況。それに対する担当部局のアンサーレポートをみても、当初から人口増加や食料生産ばかりを目的としていない、だから人口が増えていないのも食糧生産力が増強されていないのも当然、なんてことをしれーっと書いていたりなんというか戦後になったら人心が入れ替わり、戦時中の反省していたのかなという幻想も消し飛ぶ。笑 一貫して人なんてそうそう変わらないもので、やっていることは戦前も戦中も戦後も大して変わらないままなんだなと。

当座「問題」だと見えることの解決は、別の問題を生むという側面も時系列で見ていくと強くわかるところでもある。それにしても地方政策の失敗って戦後むしろ加速している感さえあるわ。

松永安左エ門が座長なわけだけど、かなり辛辣なこういう骨太なレポートをバシバシ出すってのが本当のシンクタンクとも言えるな。色々と予定調和も背後にはあったのだろうけど、今の時代にこそ必要な気がする。

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