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ボローニャ国際絵本原画展へ投稿完了

絵本作家の登竜門にもなっている世界的な賞に、bologna children's book fairの公募があります。
通常ですと受賞したら表彰式がイタリアで行われるという、世界中の出版社とアーティストが参加する、なんだか規模の大きなコンクール。

今年は私も2度目の挑戦を果たしました。
1度目は2016年に(↑表紙にした絵で)応募してます。
この時は実力も無かったですし、賞に選ばれることや仕事を得ることなどを目的にはせず、経験を積むことを意識していました。

詳しくはアメブロで当時の記事が確認できます。

5年経て、至る2021年。
今回は出版社にも持ち込んでいる作品を5枚に纏めて応募しました。

感染症流行による規定の違い

この絵本コンクールは歴史が古く、1964年に絵本の市場「ブックフェア」が開催されるようになり、「イラストレーションコンクール」としては1976年に公募が開始されたそうです。

子どものためのイラストレーション5枚一組が用意できれば、誰でも参加できる門戸が広い賞でもあります。

募集期間内に原画5枚とエントリー用紙、キャプションとプロフィール写真を郵送すれば、審査は無料で行ってくれます。
使える言語は英語かイタリア語の2択。
ここが少しハードル高いですね。
(↓2021年度のエントリー画面見本)

エントリーシート

そんな長い歴史の中で、昨年と今年は様子が変わりました。
2020年には感染症の影響を受けて、初のデジタル公募が発表されたのです。

これまでは国際郵便を使う手続きや、関税を通って無事に原稿が会場に届くのか、返却までの紛失の心配など、あらゆる不安が付きまとっていましたが、もうそんな心配をする必要はなくなりました!

デジタル公募のメリットデメリット

最近はデジタル技法のみを使って創作されている作家さんも増えているので、そんな皆さんにとっては朗報だったことでしょう。
私もその一人です。
アナログ原稿を作っている方だと、スキャンして色味を調整して、といった一手間が大変かもしれません。
特に色の変化を嫌う人や、アナログの質感を大事にされる方だと、悩まれるところでしょう。

ですが、最終審査は印刷された原稿でなされますのでご安心を。
(*何度も時期を変え、翻訳を変えて確認していたのですが、こちらの記述が応募終了後確認できなくなりました。私の見間違いか、勘違いであった可能性もあり、この記事を参考にされた皆様には多大なご迷惑をおかけしたかもしれず、面目もございません。申し訳ございませんでした)

流れとしては
デジタル応募→応募者全リスト公開(原稿が届いていて、確かにエントリーができている証明になる)→その中から最初の選考→最初の選考を通過した者(ファイナリスト)は原稿を送付→最終選考でウィナー決定!
(*このファイナリストは原画を送付という点は間違いであった可能性があります)

という形になったようです。

選外だったとしても返却まで1年、2年と待たされることがあるようなので、ファイナリストになってから原稿を送ればいいというのは、良いんじゃないでしょうか。

私はデジタルで作っていて、家のプリンターで印刷すると、画面に比べて色も安っぽくなりますし、細かく描いた部分が潰れたりするため、もしも原稿を送ってくれという話になったなら……良い印刷会社に頼ることになるでしょう。

困ります。良い印刷はそれだけお金もかかりますから。
そんな嬉しい悲鳴をあげてみたい(笑)

というので応募の仕方が変更になったことで、それぞれに恩恵がありそうですね。

追記:どうもファイナリスト発表が1月10日で、最終選考されたウィナーは1月17日発表となっているのですが、原画で審査があるならこの期間内にイタリアに原稿を届けないと選外にされてしまう様です。
規定が読み取れてない可能性もあるため、詳細は自身でご確認下さい。

公募の手順

おさらいに公募の手順を記しておきます。

まずはボローニャブックフェアの公式サイトをチェックしましょう。
規定や説明などは、ここに全部書いてあります。

翻訳機能などを使って表示を日本語にすると英語がわからない人でもどうにか読めると思います。

2022の公募案内っぽい画像があれば、そちらをクリック。

ルールを説明してくれているので一読。
なんか登録しないと応募フォーム使えないらしい。
ということでゲスト状態からログインするために情報を記入。

自動返信で登録完了メールを受け取ったら、ログイン。

応募フォームからエントリーを完了させましょう。

5枚のデジタルデータは準備できているでしょうか?
データの重さや、解像度の指定があるのでご確認を。
形式はjpgかpngだそうです。
私は今回pngで出しました。

住所などの情報を入力したら、
絵本のタイトル、技法の説明、
すでに出版されているものであれば、付いているISBN番号を記入。

同意欄に同意をし、セーブボタンクリック。
(ゴミ箱マークのキャンセルを選ばないようお気をつけて)

私はiPadを使って応募しようとして2回受付エラーになりました。
有線のパソコンからがいいですね!
そりゃそうでしょうね(焦り過ぎ)。

無事にエントリー用紙を受け付けて貰えたら、次の画面に移っていよいよ公募データを1から順番に5まで登録することになります。
画像1枚につき、1行程度の短文のキャプションが付けられます。

規定を読んでもこのキャプションを付けるのかどうかが書かれてなかった?
あるいは見落としがあったようで、私は無音絵本として提出するつもりだったので、ここで英文を考える羽目になりました。

とはいえ絵本としてはすでに完成されている作品だったので、翻訳をキチンとすればOK。……今年も人間翻訳機、いやさ、頼れる英語教師のオフクロ(母)に協力して貰いました。
TOEIC満点は取れなかった実力者。
環境に恵まれててすいません。
自分で翻訳したり、英語のできる友人を頼ったり、色んな手法があると思いますが、身近な人と会話しながら構築していけるというのは、ものすごい有利なことだと自覚しております。

自分で勉強しないと語学なんか身に付きませんからね。ほんとに。無理←

話が逸れに逸れましたが、(こんなに勉強家なのに、自虐的で卑屈な母を自慢したい娘)記憶に残っている映画のワンシーンから持ってきたり、こういうのはどうだろう?など相談しながら、キャプションも完成し、データ登録が完了しましたら、最後にまたsaveボタンをポチっと。

受け付けて貰えるか、エラーが出ないか、緊張の待ち時間。

投稿完了画面

無事に登録されると、プロフィール画像+データ画像5枚、キャプションの並んだ「公募完了画面」が表示されます。

コングラチュレーション!

という感じで、お疲れ様でした。

紆余曲折ありましたが、今回の作品で再びコンクールに参加できたことは、とても幸運であったと思っています。

絵本が仕上がったので出版社さんに電話したら
「企画の検討という形ではなく、感想なら差し上げられますけど……」
なんて言われる、涙の時代。

どこも予算ないんじゃないの日本!(疑いの目)
だったらもう、海外に行くしか手段ないんですけど私たち(新人作家)!!

一つの機会として、ボローニャ国際絵本原画展にはいつまでも存続していってほしいと願うばかりです。

(了)

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