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綺麗な言葉で飾り立てる そうしてあなたはできている わかってはいるのだけど 本来 獣のわたしたち 言葉によって作られた 脆いメッキでできた鎧は 今にも崩れそうで 心は脆いものであると知っている とても賢いあなただから どうか 失わないでいて わたしをひとり おいてかないで 呼応する獣たちの声 わたしの声は ただひとつ 宙に浮いたままでいる 2023.12.01

    • 運命ってなんて都合の良い言葉だ 歩んだ道が運命になるんだよ と思った

      • 無題3

        例え何者になっても捨てれない わたしだけの大切なもの あなたにとって、強さ あなたにとって、優しさ あなたにとって、弱さ あなたにとって、それはかけがえのないもの どこに居ても変わらない信念 宇宙にいるときも、信号を待っていても 手をあげて横断歩道を渡る 春の匂いに心が躍る 雨の日は海月の傘を 偶数は嫌い そんな欠片を少しずつ集めて わたしは一体何者か その答えを探している

        • 整合性に囚われず、流動的であること 満ち欠けすらも楽しい今日この頃

          故郷

          曲がりくねった獣道 伸ばせばひとつの線になる まっすぐよりも きれいな色で 透んだ心で海へと還る おまえは一体どこへゆく 樹木が産んだ こもれびのひと 月明かりのような きらめきのひと 風が運んだ たおやかなひと みんなみんな どこかへ還ってゆく 指折り数える日の出 あなたとあなたと 見知らぬ誰かと 里帰りまでの ささやかな道中 2022.08.09

          九十九里

          海のなかの道を走る 向こう岸には観覧車 たとえ乗らなくたって ときめいてしまうものです まちが広がる ひとと森と電信柱 先に待つのは しょっぱい潮風 足をさらってく波 溶けた水平線 友達とはいかない距離で並んだ 夏の終わりの海の家 干されたシャチはお茶目な子 馴染みのない重低音 過ごしたい温度で好きな家、選んでね けん けん ぱ けん けん ぱ 足跡は波が上書きしてしまうから 帰り道で迷わないよう 陽だまるところを覚えてて あたたかいもので こころも腹も満たしたなら

          九十九里

          無題2

          今日 わたしから流れた血は いつかあなたに出会うため (会えるかなんてわからないのに) 今日 誰かが流した血は 大切なひとを守りたいから (確約なんてしてくれないのに) からだを巡る 静脈、動脈 拳を握れば 鼓動 生きていると感じる 今 あなたに流れる血は 命が繋がれてきた証 あなたも わたしも 愛する誰かと 血を 命を繋いでいく (いるのかなんてわからないけど)

          耳飾り

          ふと押し寄せたさみしさ 名前も明かさず 頭を撫でて去っていった 日々は満ちた幸せとやわらかな痛みでできている レコードがまわるよう ゆっくりと進んでゆく もっともっと 鋭く鈍い痛みを 針を持って この身体を刺してゆく 鮮やかな熱を帯び わたしになる 耳飾りは証 痛みを知る覚悟はできてる 20230122

          耳飾り

          喫茶店にて

          時効を待つかのようなふたり 珈琲はもう飲みきった ただ 過ぎていく 時間と共に罪を流したいのか ただ 過ぎていく 陽はもう落ちてしまうよ 暗い暗い夜の中 ふたりぼっちで手を繋ぐ 珈琲の味はもうしない 君の声も思い出せない 僕らふたり 共犯の秘密 握り締めるように手を繋ぐ 赦しあうため つないだ手 ぬくもりで罪に靄、かかる 騙しあうため つないだ手 清らかな愛を咎めるものはない ずっとずっと離さないで あなたの温度に寄りかかる このままずっと ゆりかごの中 202

          喫茶店にて

          相思草

          たばこの煙は苦手だけど 残り香のするこの部屋は あったかくて さみしかった あなたを忘れないように 慣れない煙に目がしみて 少しだけ涙が出た あなたと同じ手 白く濁った部屋と頭で 手繰り寄せた記憶に さよならを告げた 20230121

          相思草

          無題1

          空に浮かんだ くじらぐも どうして君は そこにいる 飛べない天使の 小さな羽 どうしてわたしは ここにいる 故郷にのこした 恋人の 涙が落ちても きこえない からだをなくした にんげんの こころはきっと どんないろ あなたの わたしの 胸の中 閉じ込めたのは どんな色 さようなら 遠い星へ 深い海の中へ 暗い土の中へ 君にだけ聴こえるよう ひみつのおまじない あげるよ