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総合型選抜・学校推薦型選抜対策⑥(面接試験で合格する答え方)

 大学入試でも総合型選抜(旧・AO入試)や学校推薦型選抜(旧・推薦入試)では、面接試験がほぼ必須です。近年は、その面接試験も多様化しました。一人の受験生を面接する「個別面接」から、一般に複数の受験生を面接する「グループ面接(集団面接)」、さらには受験生たちの話し合いを求め、面接官はその模様を観察し採点する「グループディスカッション(集団討議)」やたくさんの面接官の前では票する「プレゼンテーション」など、実にさまざまな面接試験が行われています。この記事では、大学入試で課されるそうした多様な面接試験について、重要なポイントをまとめました。

1)面接試験の種類

・個別面接:
生徒1名 対 面接官数名
・集合面接:
生徒複数名 対 面接官数名
生徒同士の話し合いはありません
・グループディスカッション:
生徒複数名の討論を、面接官が観察・評価する
・プレゼンテーション:
生徒1名が面接官複数の前で発表する

 こうした面接試験では、大きく分けて2つの点が評価の対象になります。
 第一に、返答の内容。「何を応えたか」といったことばの中身です。
 第二に、返答の姿勢・態度。「どう応えたか」といった表情、声などです。

 もちろん、「明るく元気な生徒を合格にする」といった評価基準が確立されているわけではありませんが、生身の体をさらけ出すのが面接ですから、返答姿勢・態度は、自然に目と耳に印象強く入ってきてしまうのです。
 それゆえ、「話の中身」と「話し方」の双方に気を配りましょう。

2)面接で評価されるポイント

・返答内容:
理解力、論理性、具体性、一貫性
・返答態度:
表情・姿勢・動作・声のトーンなど

 まず、返答内容のポイントについて考えてみます。「ことばの中身をどう整えるか」です。

3)返答する順序

・質問への答え ⇒ 理由 ⇒ 具体例
 面接での質問に応える順序も、小論文や志望雌雄書を書くときと同じく“Main Point First”です。問われたことに対する答えを初めに述べます。
 次に、理由も尋ねられたら理由も添える。加えて、自分独自の具体的なエピソードを交えたら、独創性が加わり、印象に残ります。
 例えばこんな感じです。

問い:あなたの好きなことばは?

答え:はい。わたしが好きなことばは、「石の上にも三年」です(論=質問への答え)

問い:なぜ、そのことばが好きなの?

答え:はい。人は、ある程度の期間は辛抱して知識やスキルを身につける努力をしないと、ものにはならないと考えているからです(論拠=理由)。
実際、私は高校に入ってからバドミントンを始めましたが、
毎日毎日欠かさず練習を続けたら、3年の春には県内でベスト32位になりました。他の選手のほとんどが中学生以前からこの競技を始めていたので、部の顧問の先生も「立派な成績だ」と誉めてくださいました。

4)返答姿勢・態度

 次に、返答姿勢・態度について、考えてみましょう。顔の表情、立ち居振る舞い、発声など、以下の点に注意します。
a.明るく清々しい表情
・「目を大きめに開き」&「口元(口角)をキュッと引き締める」
b.堂々とした姿勢
・「せ・め・て・あし・ふく・くせ(背・目・手・足・服・癖)」のキャッチフレーズで注意。
 -背筋はピンと張る
 -目(視線)は面接官の方を向く(面接官のおデコを見てもいい)
 -手は 「立っているときは太ももの横にぴたりとつけ」「座っているときはももの上に置く(グー or 重ねてパー)」
 -足はそろえて(座っているときはひざをつけ、経っているときはかかとをつける)
 -服(服装)は、乱れの内容にチェック(ボタンのかけ忘れ、ポケットなど)
 -癖がある人は、意識して「癖を出すまい」を努力する(口癖も)
c.メリハリのある動作
・「静かな止め」と「俊敏な動き」
 -座っているとき、立っているときなどはフラフラせず「静」を保つ
 -移動するときは、機敏にスピーディーに「動」的に
d.大きく、緩急、高低のある発声
・大きな声で語尾までハッキリ
・重要なことは「ゆっくり・遅く」などを工夫する

5)トレーニング過程(練習手順)

  こうしたことを前提として、あとはトレーニングを重ねればよいのです。それには、後述する頻出の質問に対して、まず答えのシナリオをつくること(シナリオづくり)、そのシナリオを答えている自分を想像すること(イメージトレーニング)、実際に一人芝居で演じてみること(シャドートレーニング)などを繰り返しましょう。
 そうして練習を積んだら、保護者、学校の先生などに面接官役を演じてもらい、模擬面接(リハーサル)を行うと効果的です。その際には、面接官役をお願いする人に評価表を渡してチェックしてもらうと、「自分のどこがいけないか」が具体的につかめます。そして、その点を中心に練習していけば面接力は確実にアップします。
 以下、トレーニング過程とシナリオをつくるべき頻出質問、また評価表を整理しておきます。
・シナリオづくり……頻出質問に対する回答例をつくる
・イメージトレーニング……頭の中で「面接を受けたつもり」をイメージする
・シャドートレーニング……体の動きも伴って「一人芝居」をしてみる
・リハーサル(模擬面接)……面接官役をお願いし、実際の回答感覚を養う

6)頻出質問:この質問には答えをつくっておこう!!!

「なぜこの大学を志望したのですか」

「なぜこの学部・学科を志望したのですか」

「他大学と併願していますか。全部合格したらどうしますか」

「入学後どのような学生生活を送りたいですか」

「大学や同窓生に対してどんな貢献ができますか」

「卒業後はどんな方面に進みたいですか」

「将来の夢を実現するためにどんな努力をしてきましたか」

「あなたの得意科目と苦手科目は何ですか」

「学業以外であなたの特技、得意なことは何ですか」

「あなたの性格を一言で表現するとどう言えますか」

「あなたの長所と短所はどこですか」などなど

ヘルメスゼミ®について

 なお、クロイワ正一が主宰する総合型選抜・学校推薦型選抜対策のオンライン個別指導専門塾・ヘルメスゼミ®では、面接対策指導も行っていますので、興味のある方は、下記の公式サイトをご覧ください。
⇒ https://sogosuisen.com

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