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コラム・住職の方丈記40 ~ とうじそば 2024.3.2

みなさんは、おそば好きですか?

わたしは、長野県民ということもあり(?)、おそばは好きなほうです。

とくに、仕事が一区切りついた日は、おそばがご褒美。

といっても、もっぱらスーパーで買ってきた麺を家でゆでて食べることが多いのですが。

そもそも外食店よりスーパーのほうが好きなので、時間があるとよく買い物に行くのですが、生麵・乾麺、たれ付き・たれ無し、いろいろ売っていてうれしいです(個人的におススメの生麵は、熊谷製麺の“古城そば”とか、信越明星製のもの。長野県内でしか売ってないかも)。

冬でもわりと冷たいそばを食べることが多いですが、さすがに寒い日が続くと温かいそばもいいなぁ。

薬味を添えただけのかけそばはもちろん、トースターで炙った油揚げを細切りし、大根おろしを添えて“炙りキツネ”そばにしたり。

途中から辛味噌を入れて“味変”なんてことも。

家だとその時の思いつきでいろいろ工夫できるのも楽しみの一つです。

と、あまり外で食べることのないおそばですが、先日おそば屋さんに行くことになりました。

久しぶりに日本に帰ってきた弟に、この時期の田舎ならではの食事を、ということで思いついたのが“とうじそば”。

なんとなく、冬至(とうじ)の寒~い時期に食べるので、とうじ(冬至)そば、と勝手に解釈していたのですが…名前の由来は“冬至”ではなく、“投汁(とうじ)”でした。

とうじそば=投汁るそば、投じ篭(かご)にゆでたそばを入れ、野菜などの具をお出汁で煮た鍋で温め(投汁)て食べるそばで、松本の奈川地区に昔から伝わる郷土料理です。

文章で書くとちょっとわかりづらいですが、おそばの“しゃぶしゃぶ”みたいなものといえばいいのかな。

野麦峠のふもと、本場の奈川まで食べに行くのがツウなのでしょうが、調べてみると安曇野でもとうじそばをいただけるお店がありました。

さて、古民家を移築したというそんな雰囲気のお店で。

とうじそば、これまでの人生で一度しか食べたことがないので、久しぶりにどんなだったかな、と期待しつつ…


右側のざるにのっているのが、ゆでて小割(丸い玉)にしたおそば。

それを手前にある投じかごに入れ、左側の鍋で温めてからいただきます。




のんびり温めていると、おそばがぐにゃぁ~となってしまうので、サッと温めるのがポイントだそうですが…


なんとなくコツがつかめてきた?という頃にはおそばがおしまい。


後は、残ったお出汁にご飯を入れて雑炊に。



とうじそば、そのむかし奈川では家族で囲炉裏を囲みながら食べたそうです。

今は、囲炉裏のある家も少ないでしょうが、この寒い時期ならではのおそばの食べ方は、たしかに伝わっているのですね。

原稿書いているうちに、なんだか久しぶりに奈川に行ってみようかな、と思いました。


店内にはこんな絵が…北アルプスと松本城



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