海老のお寿司を忘れない

私は海老が大好きだ。結構本気で好きだ。

サイゼリヤに行けば必ず小エビのサラダを頼むし、回転寿司に行けば必ず生えびを頼む。2回に1回海老アボカドも頼む。(あまりネタ被りしたくないの。)中華料理屋でも海老料理を必ず1品頼む。
割と小さめな私の夢のひとつに、コストコのカクテルシュリンプを1パックまるまる独り占めして食べるというものがある。

私と海老の出会いは、小学3年生か4年生のとき。
回転寿司に行ってずっと気になっていた海老のお寿司を試しに食べてみたところ、とんでもなく美味しかったのだ。あの100円(税別)の蒸し海老のお寿司。

私の中で、小さな革命が起きた。
「Small Revolution」である。

そんなスモレボを経験した私は、祖母の家がある仙台へ帰省しお馴染みのお寿司屋さんに行った時、母に「えび食べたい」とお願いした。美味しいお寿司屋さんの海老を食べたかったからだ。

すると、母と祖母は一斉に私にこう言うのだ。

「えびってあの海老?」
「生の海老じゃないよ、蒸してあるんだよ。いいの?」
「食べられる?苦手かもしれないよ?」
「サーモンにしておいたら?」

ただ海老を食べたかっただけの私は、思いがけない一斉攻撃にたじろぎ、言ってしまったのだ。

「ああ、、じゃあ、やめる。」

この日美味しいお寿司屋さんの海老を食べられなかったことを、私は今でも鮮明に覚えている。自分でも不思議だ。

確かに、それまで海老と言えば甘エビを数回しか食べたことがないと思われていたし、それもマグロやサーモンを食べた回数とは比にならないくらい少なかった。だから、2人にそう思われるのも仕方がない。

しかし、食い意地を具体化したのが私だと言っても過言ではないほど食べることが大好きな私にとっては、食べ物の恨みは一生なのだ。

恨んでいる?お母さんとばあばを?いや、それは有り得ない。ただ、今でも海老を食べる度にその時のことが頭にふと蘇るのだ。そしてこれからもそうだろう。それくらい海老が好きだし、その時はショックだった。

あの日海老のお寿司を食べていた場合の私が今の私と全く違う人生を歩んでいたか考えてみても、どうもそうは思えない。

ただ、現在の私がこんなに海老海老言ってバクバク食べているのは無意識的なあの日の反動かもしれないし、このnoteもあの日がなかったら生まれなかったわけだ。だから、

お母さん、ばあば、ありがとう。

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