100カメ(再)を見た

なんか面白いのやってないかな〜とポチポチテレビのチャンネルを変えていると、NHKで100カメの再放送をやっていたので、見た。タイミングが悪く、ラスト5分しか見ることが出来なかったのだが、テイクアウトして来たココイチのカレーを食べながら、見た。

テーマは、「余命と向き合う人」

まず映っていたのは、余命と向き合う様子を文章にしながら生きる、バッドマンが好きな女性。不謹慎かもしれないが、私は彼女から「生きること」に対する大きなパワーを強く感じ、思わず背筋が伸びる。

場面が切り替わり次に映ったのは、酸素マスクを付けたまま外出の準備をする女性だ。仕事の都合で離れて暮らす旦那さんが迎えに来たのだが、彼女はその日とても体調が悪いらしく、そのことを旦那さんに打ち明けながら涙を流した。辛い、胸が締め付けられる。

2人はその日、結婚3周年を祝うために、3年前に結婚式を挙げたレストランに行った。旦那さんの運転でレストランに向かう道中、旦那さんが思い出の道について彼女に話しかけても、彼女はぐったりとして答えられなかった。辛すぎる。

レストランに到着し、彼女は車椅子で旦那さんの正面に座った。料理が運ばれてくるも、彼女は食事はおろか、飲み物も喉を通らなかった。旦那さんに会えていなかった1ヶ月間で、彼女の体調は酷く悪化していたのだ。
彼女の病気は治ると自分に言い聞かせそう信じてきた旦那さんは、自分の意識や彼女への言動を後悔し、謝罪した。ここでまた、胸が締め付けられる。

最後にウエイターが運んできたのは、結婚3周年を祝うサプライズケーキだ。このケーキは3年前の結婚式で出されたものと同じものらしい。それまで何も口にできなかった彼女は、そのケーキだけ食べることが出来た。美味しいと言って、涙をこぼした。
そして言った。

「来年もまた来れるかな?」

旦那さんは、微笑みながら

「来れるよ。頑張ろう。」

と言った。彼女もそれに応えた。

そして、旦那さんが運転する車でレストランから帰宅する場面が映し出される。そこに字幕が出る。
苦しくて一言一句正確には覚えていないのだが、このようなことが書かれてあった。

「この撮影の2週間後 彼女は亡くなった」

心臓がぎゅっと締め付けられる。堪えていた涙が一気に流れ落ちる。カレーの味を一切感じられなくなる。

彼女は死んだ。もうこの世にはいない。結婚4周年を祝うことは出来なかった。

彼女はその日をどれだけ楽しみにしていたのだろう。その日までどれだけ辛い思いをしたのだろう。思い出のケーキを食べて、どれだけ嬉しかったのだろう。どれだけ死にたくなかったのだろう。どれだけ生きたかったのだろう。

生きることに怠惰になってしまっている私には想像することは出来ないのだが、それでも考えてしまう。涙が猶も流れ続ける。心臓が締め付けられ息が苦しくなる。それでも私は、きっと明日も生きていて、1年後も生きている。そのことに対して申し訳なささえ感じてしまう。

それでも、生きるのだ。何がなんでも、ムチャクチャに、ガムシャラに、ヘタクソに、泣きながら、笑いながら、イライラしながら、愛して愛されて、許して許されて、生き続けるのだ。

この志を長く持ち続けられるかは、情けないが正直分からない。でも、彼女らが自分の余命と向き合い生きる姿を目の当たりにした今は、強くそう思う。

それを記録しておきたかった。きっとすぐに来るであろう生きるのをやめたくなった日に、この文章を読むことが出来るようここに残しておきたかった。

今日の100カメ、また再放送があるといいな。
また見られると信じて、その日のために生きていきます。

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