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日進月歩 ~Road to MBA~#122

2021/6/5:ビジネス・オーガニゼーション4➀
 土曜日は、経営組織論を専門とされている山中先生の講義をとっており、8回目の講義(春学期2最初の講義)となります。前講義(#117)ではこれまでの組織デザイン変数のまとめについて講義を受け、本講義では前回までの程度を決めるために必要な指針となる「取引費用(ピコ―・ディートル・フランク,1999)」に基づいた組織デザイン、さらには「部門編成の基礎と基準(Mintzberg,1979)」についても講義いただいた。

■取引費用に基づく職務編成の指針

 組織のデザインや仕事を編成(職務編成)するための基準として、「取引費用」を基に職務編成をする考え方があり(ピコ ・ディートル ・フランク, 1999)、取引費用を最小化するように職務を分割・総合することになる。重要な2つの特性として、「知識の移転」と「相互依存」があげられている。

(ⅰ)職務と職務間の「知識の移転」
(ⅱ)職務と職務の間の「相互依存」

ⅰ)職務と職務間の「知識の移転」
 この考え方での基準となり得るのは、「暗黙知」である。暗黙知の移転は著しい取引費用を伴うため、職務担当者間で移転が不要になる程度での職務で組織を編成するべきという考え方になる。また、費用のかかる知識の移転を標準的な交換プロセス(半製品、財、定型的なサービス)に置き換えることも重要となる(昔勤務していたミスミの考え方に似てる…)。
※置き換えが難しい仕事:外科医の手術、研究開発(R&D)、経営者など

ⅱ)職務と職務の間の「相互依存」
 職務と職務の間の情報や活動の相互依存関係の強度(トンプソン,1987:ピコ―・ディートル・フランク,1999)を最小化するように形成することで、調整費用は削減され、統合的かつ独立的な職務遂行が可能となる組織編制ができるという考え方である。反対に相互依存が高くなってしまう場合には、職務を統合したり組織を統合することで解決することも考えられる(機能的結びつきなど)。

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 これらの(ⅰ)と(ⅱ)を踏まえて職務を編成していくが、職務遂行に必要な暗黙知を持っている担当者をどう割り当てるのかが重要となる。ここまでが、「取引費用」を基に職務を編成する考え方(ピコ ・ディートル ・フランク, 1999)について考察した内容となる。

■部門編成の基礎と基準(Mintzberg,1979)

 ここからは部門編成の基礎(Mintzberg,1979)の理論を基に、各職務をどのように分類し総合部門へと編成していくかについて考えていこうと思う。部門編成には6つの基礎項目が存在し、その内容に基づいて編成を実施していくプロセスとなるが、グループディスカッションにて自身の仕事を区分けしながら考察していった。

⇒➀~③は「手段別」に区分けしており、職能別(機能別)に部門編成
➀知識やスキル別:専門知識やスキルに基づく編成
➁作業工程や職能別:職務活動別もしくは基幹業務別の編成
③時間別:作業が遂行される時間の違いによって編成(シフト別)
⇒④~⑥は「目的別」に区分けしており、市場別に部門編成
④アウトプット別:製品やサービス別の編成
⑤顧客別:B2BもしくはB2C、顧客別・市場別による編成
⑥場所別:地域によって、本社・支社によって編成

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 次に部門編成の基準についても考えていく必要があるが、各職務や業務の間にどのような相互関係性が存在するときに「部門化」する必要があるかという観点で確認していこうと思う。4つの依存関係に分けることができ、その内容に基づいて編成がされていることを考え、グループディスカッションにて自身の仕事を区分けしながら考察していった。

⇒Ⓐは「目的別」に区分けしており、市場別に部門編成
Ⓐ業務の流れ:相互依存の強度に応じて編成
⇒Ⓑ~Ⓓは「手段別」に区分けしており、職能別(機能別)に部門編成
Ⓑ同種の工程間・業務間:専門化間の協働や連携の度合いに応じて編成
Ⓒ規模の経済:一定の規模による効率化や経済的優位に応じて編成
Ⓓ社会的関係:社会的な人間関係や結びつきを重視して編成

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■部門編成の基礎と基準(Mintzberg,1991)

 これまでとは少し区分けを変えて、「命令権」や「指示命令」という観点で部門編成をしていく方法を用いる場合もある。権限の経路や指示命令を通じた組織デザインとなり、以下4種類の組織に区分けがされる。

・ライン組織
・ラインアンドスタッフ組織
・ファンクショナル組織
・マトリックス組織

 次の講義では、それぞれの4つの組織がどういったものであるか、どういった場合に利点があり課題があるのかなどを紐解いていこうと考える。

平岩 宗(ひらいわ しゅう)
1986年12月14日生まれ(34歳)/愛知県出身
【サッカー】春日井JFC/FC.FERVOR/中京大中京高校/駒澤大学/横河武蔵野FC(JFL)/エリースFC東京(関東)/ラスタサッカーファミリー(埼玉)
※U-12日本代表候補/愛知県国体選抜(高校)/JFL108試合・天皇杯7試合(通算115試合1得点)
※https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E5%B2%A9%E5%AE%97
【ビジネス】株式会社ビーコンインフォメーションテクノロジー/コムテック株式会社/株式会社ミスミグループ本社/独立行政法人日本スポーツ振興センター(西東京市スポーツ推進委員)
【学校】中京大学附属中京高等学校/駒澤大学経済学部/立教大学大学院ビジネスデザイン研究科

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