3月には魔物が棲んでいる
思い返せば、彼と付き合うことになったのは3月。別れることになったのも3月。鬱になったのも3月。自分の中の何かが明らかに壊れてしまったのも3月。今後の人生を決定づける人に出逢ったのも3月。それで人生が180°変わってしまうような、重大な出来事(わるいことも、いいことも)は、なぜか3月に起こりやすい。わたしはそういう星周りらしい。
弟が3月に亡くなっているので、もしかするとそのせいかもしれないと思う。弟は目に見えない力で、何かを伝えようとしているのだろうか。わたしを護ってくれているのだろうか? そんな話をすると、彼は「じゃあ俺、弟くんに気に入られるようにしよう」と言った。さらっとそんなこと言えちゃうところが好きだと思った。
実際、彼は神様に気に入られているのだろう。だって都合が良すぎるから。彼が「今年はいい3月にしようね」と言ったので、たぶん今年はいい3月になる。
そんな3月1日。たまたまエレベーターに乗り合わせた女性に「ウチで働かない?」とスカウトされた(そんなことある?)。しかし、すぐさまエレベーターが目的階に到着したため、詳細を聞くこともできず別れた。なんとなく気になって、後から彼女が告げた社名を検索したが、情報は見つからなかった。あれは幻だったのかもしれないと思う。
しかし、翌3月2日。例の女性と、全く違う場所で再び遭遇した(そんなことある?)。幻なんかではなかった。仕事の詳細を聞く。かなり良い条件に思えたので、少し考えることにする。連絡先を交換して別れた。
さらに、翌3月3日。例の女性と、またも違う場所で遭遇した(そんなことある?)。これはもう運命かもしれないと思う。その日、わたしはたまたまヒマだったので、場面で(死語?)面接へ行くことにした。面接に行ったらその場で採用が決まった(そんなことある???)。
というわけで、3日で転職が決まった。
波乱の3月。どうなることやら。これが吉と出るか凶とでるかはわからないが、ぜんぶよくするという意気込みで生きる。願えば叶う。信じることは力になる。八方塞がりの年がそうであるように、極端に運勢のぐらつく時は、極端に良くなる時でもあるのだと信じたい。
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